桜・さくら・サクラ
2001年4月21日(土)

新屋大川の桜

 桜の時期はあっという間に過ぎ去ってしまう。今年は4月12日に開花宣言が出され,気温の高い日が続いたため,18日には満開となっていた。例年に比べると1週間も早いという。土日までもってくれればという思いでいたが,何とか間に合ったようだ。秋田市の桜の名所といえば,誰しも千秋公園を思い浮かべると思うが,実はそれ以外にも桜の名所はあるのだ。少し天邪鬼な気分のボクは隠れた穴場を訪ねてみた。
 まず最初に訪れたのは秋田市新屋にある大川の桜並木。親水公園として整備された小川の両側に立ち並ぶ桜は見事だ。


新屋大川の桜

 新屋は秋田市南部の雄物川の河口に開けた町である。テレビ塔や動物園がある大森山が目の前にあって,日本海にも近い。桜並木の隣にある秋田西中では,中学生たちが部活に励んでいた。秋田西中は桜田淳子の母校でもある。


楢山太平川の桜

 次に訪れたのは,秋田市楢山の太平川の桜並木。ここの桜は大木が多く,土手の桜は今にも川面に届きそうなくらいに垂れ下がっている。ここでも,寒い中ビニルシートを広げて宴に興じているグループがあった。花見で宴会をするのは桜くらいのものである。このルーツは,豊臣秀吉が催した京都の醍醐の花見に遡るという。何事にも派手な秀吉の好みと桜がマッチしたのかもしれない。ここは車座に座っていても,すぐ目の前に桜の枝があるという,何ともゴージャスな花見が堪能できる。


楢山太平川の桜

 桜の名所は川に面しているところが多いのはなぜだろう。桜と水というのは相性がいいのかもしれない。太平川は,秋田市民の心の故郷太平山に源を発し,秋田市川口で旭川と合流し,雄物川の旧河口に注ぐ雄物川の支流である。


楢山太平川の桜

 桜の木の下には死体が眠っているといったのは,たしか梶井基次郎だったか。ここの桜を見ていると,なぜかそんな気分になってくる。秋田市の中心部にありながらひっそりとしている。千秋公園の喧騒が嘘のような静かさである。


護国神社の桜

 最後は,秋田市北部の高清水公園にある護国神社内の桜。ここら一帯は秋田城址の史跡公園として整備されているが,桜よりも松の枝ぶりがいい。護国神社は10年ほど前に火災で焼失し,今は真新しい神社が再建されていた。ここもまた,人の姿はまばらだった。

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