土崎港まつり(秋田市)

2002年7月21日(日)


 秋田市北部に位置する土崎地区は古くから雄物川河口という利便性を活かし、港町として栄えたところである。その土崎地区で200年以上の歴史をもつ「土崎港曳山まつり」は、勇壮な武者人形などを飾った曳山、「ジョヤサ」の掛け声、賑やかな湊ばやしで、町一帯は熱気と興奮のうずに引き込まれる。ときにその荒々しさに観客で死者をだしたこともかつてはあったが、今はそういうこともないらしい。
 土崎地区に住むネット仲間のjeniさんに誘われて、去年からこの祭りを見るようになった。jeniさんのお宅は土崎の旧通りに面していて、ちょうど家の目の前を曳山が通っていく。見物にはうってつけの場所である。

 jeniさんのお宅は県議の某氏とお向かいさんのせいか、どの曳山も必ず目の前で止まってくれる。じっくりと観察するには絶好のロケーションなのだ。山車が引っ張られていくところを良く見ていると、あまり走り過ぎないようにするため、前輪が回らないようにタイヤと路面の間に木を挟みつけるようにしながら、キーキーと音をたてて引っ張られていく。つやつやと磨き上げられた木製のタイヤも芸術作品のように美しい。


 ちょっと休憩。山車はこのように各町内の若者たちに引っ張られている。年に一度の港まつりに掛ける情熱は、そこに生まれ住んだものでなければわからないものすごさがある。そしてそれがこのまつりを支えている。


 この日は戻り山の前に雨が降り出した。我々は早々にjeniさん宅の室内に引き上げて、祭りそっちのけで各自が持ち寄った秋田の地酒を堪能した。ときおり窓外を眺めて見ると、祭りの主役たちはそんな雨の中を元気一杯声を張り上げて山車を引っ張っていた。


 まだまだ曳山は続いていたが、夜10時過ぎにjeniさん宅を後にした。一時強く降っていた雨もこの頃には止んでいた。自転車で帰るにはちょうど良い頃合であった。


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