重要文化財 三浦家住宅(秋田市金足黒川)

2007年6月10日(日)
 昨年(2006年)12月、国の重要文化財に指定された秋田市金足黒川にある三浦家住宅が初公開されたので、妻と二人で行ってみた。三浦家住宅は、中世の豪族三浦氏を祖とし、永禄年間には浦城城主(現、八郎潟町)となり、後に金足黒川に居住、藩政時代には肝煎を代々勤めた郷士の館である。平成12年から4年かけて保存修復工事が行われ、平成16年3月、秋田市指定文化財となり、その2年後に、県指定を飛び越して、いきなり国指定となった。
※写真をクリックすると大きな写真(600×450pix)になります。
表門 表門
ボランティアガイドの案内に付き添われて、邸内を見て歩く。表門は、主屋と同時期(1861年)の建立。
黒川公民館 主屋外観
表門と道路を挟んだ向かい側には木造のレトロな黒川公民館があった。主屋は大きな茅葺屋根が一際目をひく。
主屋屋根 主屋(黒川郵便局)
主屋の曲り入母屋波風の妻飾りには三浦家の家紋、「丸に三引き両紋」が施されている。大正年間に近くの黒川油田採掘で急増した人口に対処するため、主屋の内部を改造して郵便局が作られた。この郵便局は、昭和51年まで現役で活躍していたそうだ。
主屋内部(郵便局内部) 主屋内部(接客室)
郵便局内部は当時のまま保存されている。土間正面の「おえ」と呼ばれる接客室。畳の間に上がれるのは、限られた人物だけだったようだ。
主屋内部(佐竹さんの部屋) 主屋内部(土間)
主屋の奥まった場所に八畳間で「佐竹さんの部屋」と呼ばれる部屋がある。佐竹さんとは、旧秋田藩主の佐竹公のことで、この部屋は佐竹公が訪れた一度だけしか使われなかったそうだ。土間は東北一の広さを誇る。黒光りした八角形の大黒柱が見事だ。
土蔵 土蔵
三浦家に嫁いだお嫁さんのために建てられたという土蔵。ここに嫁入り道具が収納されたそうだ。外観の白壁とコンクリート基礎が妙に新しいのは修復工事のせいか。
文庫蔵外観 文庫蔵
黒川街道から真っ先に見えるのが明治35(1902)年建立の文庫蔵。屋根を支える添え木が施されている。
文庫蔵屋根 文庫蔵入口扉
文庫蔵の屋根の大棟には、青海波(せいがいは)と呼ばれる文様が施されている。青空にマッチしていて、とても美しい。また、瓦の一つ一つに三浦家の家紋が彫刻されている凝り様である。文庫蔵の入口扉は4重の蛇腹。
米蔵外観 米蔵内部
明治24(1891)年建立の米蔵。内部は資料館のようになっていて、年譜や歴代当主の顔写真などが展示されていた。大きな鯉のぼりは、三浦家で使われていたものか。
鎮守社 航空写真(複写)
慶応年間から明治初期にかけて建てられた鎮守社。主屋からみて北東の方角に位置する。きっと鬼門の方角に建てられたものだろう。米蔵内に展示されていた三浦館の航空写真。これを見れば、各建物の位置取りが良くわかる。
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