夏祭り二題 〜竿燈祭りと土崎港祭り〜(秋田市)
 2001年8月5日(日)

 7月21日(土),秋田市土崎在住のネット仲間Jeniさんに誘われて,土崎港祭りを見に行った。200年以上もの歴史を有する土崎神明社の例大祭で,国重要無形民俗文化財にも指定されている。勇壮な武者人形などで飾った曳山を,若者たちが道一杯を使って練り歩きながら曳いていく。秋田に住んでいながら,今年初めて見たのだが,その動きの激しさには驚いてしまった。土崎の人間は,1年を2日間の祭りのために過ごすのだという。地元の人間をそこまで熱狂させるのも,何となくわかるような気がした。


 曳山のタイヤは木で作られていた。この芸術品のような美しさはどうだろう。この木のタイヤに油を注しながら曳いて歩くのであった。


 今年から竿燈は8月3日から6日に日程が変更になった。他の東北の祭りと日程が重ならないようにとの配慮だという。この竿燈祭りも歴史は古く,360年以上の歴史を有する。青森のねぶた祭り,仙台の七夕祭りと並んで,東北三大祭りと称されている。提灯が米俵,竿燈全体が稲穂を表し,五穀豊穣を祈る祭りである。今年の夏は,涼しい日が多く,稲の実りが心配されるが,これを期に暑い夏が戻ってきて欲しいものだ。


 竿燈を上げるには,ある程度の熟練を要する。60キロにも及ぶ竿燈を手や肩,おでこ,腰などで支えて維持するのだが,風が吹くとその揺れは想像以上で,熟練者でも倒してしまう。しかし,倒れる竿燈を悲鳴を上げながら避けるのもまた竿燈見物の醍醐味の一つかもしれない。


 竿燈は,旧町内単位で出されるものや,企業や職場,学校などの単位で出されるものなどがあり,合計200本以上の竿燈が秋田の夜空を飾る。今回は目の前に三菱マテリアルの竿燈団が陣取ったため,三菱マークの竿燈が揺れていた。個人的には旧町内で出される竿燈の方が,子どもから大人まで,様々な種類の竿燈があって楽しいのだが,一度陣取ったら,容易に移動できないほど人であふれ返っているので贅沢はいえない。


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