秋田駒から乳頭まで縦走する

2009年8月11日(火)

※写真をクリックすると大きな写真(640*480pix)が見られます。

 秋田駒ケ岳から乳頭山に至る秋田・岩手の県境の稜線上を歩く縦走コースは、途中、湯森山、笊森山などのピークを通過し、熊見平や千沼が原などの高層湿原も楽しめる面白いコースである。前回、このコースを訪れたとき(2004年)は、あいにくの雨で視界がまったく利かなかった。いつか、晴れた日に訪れたいと思っていた。
 縦走コースを歩くには、車をどこに止めるかが重要なポイントとなる。この日は、乳頭温泉の駐車場に車を止め、そこからバスで田沢湖高原温泉へ行き、駒ケ岳八合目行きのバスに乗り換えた。この方が、山から降りたあと、すぐに車に乗って帰ることができるからだ。
 縦走路に咲く花々こちらのページから

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 秋田駒ケ岳八合目の駐車場から、焼森に向かい登り始める。よく晴れた青空で、駒ケ岳山頂が綺麗に望める。少し高度を増すと、こんもりとした笹森山と湯森山の間から、尖った頂をした乳頭山が顔を覗かせた。

10:20 11:13
 焼森から見る秋田駒ケ岳は牧歌的な雰囲気がして、とても好きな風景なのだが、この日は、濃い霧で視界がまったく利かなかった。八合目付近は晴れていたのに、山の天気はすぐに変化するので侮れない。焼森から縦走コースに入り、湯森山を目指す。左手には笹森山と、その山頂に向かう登山道が手に取るように眺められた。
 湯森山山頂付近の分岐に到着。ここで少し休憩をとる。その間、少しずつ霧が晴れてきて、隠れていた田沢湖が顔をだした。

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 湯森山から熊見平という高層湿原を通過して、笊森山山頂を目指す。湯森山から熊見平に下りる途中の斜面には、ニッコウキスゲが群生していた。目を転じると、穏やかな山容の笊森山と、その左手奥に尖った山容の乳頭山が好対照を見せている。

11:54 12:04
 熊見平の木道を笊森山目指して歩く。この辺りになると、背の高い植物は生えなくなり、視界がとても良い。

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 途中、大きな岩塊に出会う。宿岩と呼ばれている岩だ。秋田駒ケ岳も火山で活発に活動している山の一つである。最近では1970年から翌年にかけて女岳で噴火があった。この巨岩も、かつての火山によるものなのだろうか。良くわからない。

12:37 12:47
 笊森山山頂に到着。沢山の写真を撮りながら歩いたため、少々予定時間をオーバーしての到着だ。これも単独登山だからこそ許されること。一人で登ることの危険性も十分わかるが、この自由度の高さは何事にも換えがたい。山頂からは、田沢湖や、千沼が原の湿原が良く見える。ここで、昼食を取った。

13:01 13:28
 笊森山山頂から眺める乳頭山。普段なら見上げる山を、こうして見下ろすように眼下に眺めることができるのは不思議な気持だ。笊森山から、千沼が原方面に下りて、しばし高層湿原を散策する。

13:29 13:43
 千沼が原は無数の池糖に囲まれた天上の楽園である。晴れた日なら、いつまでも、ここにいたいと思わせてくれる場所である。なお、ここだけが目的なら、縦走コースを取るよりも、乳頭山に登り、そこから足を伸ばすほうが楽である。

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 千沼が原から乳頭山に向かう。目の前に乳頭山の全容がくっきりと見えてきた。縦走路上の登山道には、青い花色のハクサンシャジンが沢山咲いていた。

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 秋田県側の縦走路下に、綺麗な池糖が見えた。ここは上からしか眺めることができない。青空が沼の水面に映って、とても綺麗だった。後ろを振り返ると笊森山山から、さらに田沢湖が遠望できた。

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 いよいよ乳頭山が目前に近づいてきた。後方には、焼森に登ったときは見えなかった秋田駒ケ岳(男女岳)も見えるようになってきた。

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 左は、笊森山の全容。右は、乳頭山の尖った山頂。比較的なだらかな縦走コースの中で、ここからの登りがもっともきつい。それでも、あとひとふんばりで、目的の乳頭山山頂に辿り着くことができる。

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 やっと、乳頭山山頂に到着。午前9時から登り始めて、6時間が経過していた。山頂からは、秋田駒ケ岳や田沢湖を眺めることができた。乳頭山では視界が利かないことが多かったが、この日は素晴らしい眺望に出会うことができた。

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 乳頭山山頂を後にして、あとは乳頭温泉に下るだけである。写真は、絶壁の乳頭山。そして緑の絨毯越しに見る田沢湖である。

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 乳頭山からの下山コースから見る田沢湖。右手には、アオモリトドマツの林の奥に田代山荘が見える。田代山荘の奥にある田代平も魅力ある湿原だが、今回は体力的にパスした。

15:30 15:31
 登山道に咲くヤマハハコの花。遠方には、山頂が広大な平原状に広がっている大白森が見える。そこも、いつか行ってみたい場所だ。幾重にも広がる緑の階層の上に、秋田駒ケ岳の山頂を望むことができた。今回の登山は非常に疲れたが、天気が良くてとても気持がよかった。心地良い疲労感に包まれた。惜しむらくは、時間がなくて温泉に入れなかったこと。できれば、ここの縦走路登山は、麓の温泉に一泊するくらいの余裕を持った日程で臨むほうがいいかもしれない。
縦走路に咲く花々

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