ゴンドラで行く森吉山(紅葉編)

2003年10月11日(土)


 秋田県のほぼ真ん中に聳える森吉山。標高1454mの独立峰で、山頂からは、鳥海山や八甲田山、岩木山、秋田駒ケ岳などの山々が眺望でき、360度のパノラマが楽しめる。また、ここは花の100名山にも数えられ、約300種類の高山植物が咲き誇る。昨年から、森吉山では観光客の集客をねらって、花の時期と紅葉の時期に、阿仁スキー場のゴンドラを運行するようになったのだが、今回はそのゴンドラを利用して紅葉狩りに出掛けてみた。ゴンドラで行くのならと、あまり歩けない父も同行した。今日は秋晴れで、紅葉狩りには最高の天気だったせいか、阿仁スキー場のゴンドラ乗り場はすごい人出で、2つある駐車場にも車を停められず、登山道の坂道に駐車しなければならないほどだった。


ゴンドラからの紅葉
 ゴンドラ往復料金1700円を支払って、ゴンドラに乗り込む。途中までは杉の木の緑が目立つが、途中からブナやカエデなどの広葉樹帯になり、木々の葉っぱが色づいた紅葉になる。そのコントラストが美しい。ゴンドラの中から、ガラス越しの撮影だったので、少しぼやけた感じだが、実際の美しさはこの写真以上である。


森吉山
 ゴンドラ降り場から、20分ほど登ると石森(1308m)の頂上につく。目の前に森吉山(1454m)が、なだらかな山容を見せてくれる。ここは、山頂まで木の道が整備されているので、軽装のハイキングスタイルで登ることができる。ここまで登ると背の高い木はすっかり陰を潜め、ハイマツの低木と笹が目につくようになって、紅葉とは縁がきれてしまう。紅葉を愛でるなら、もっと低い場所の方がいいかもしれない。
 それにしても、ゴンドラで来れるとあってか、山とはほとんど縁のなさそうな人たちも随分と見える。中には、街角でよく見かけるカートを押して登っている老人の姿も見え、下りるときはどうするんだろうと思わず心配になった。同行した父は、無理をせずゴンドラ降り場で座って待っていた。


鳥海山遠望
 西南の方向に目を転じると、山並みの向こうにはるか鳥海山が遠望できた。距離があるためか、もやったような感じで見えたので、写真にうまく写ってくれるか心配したが、単色の墨絵のような写真に仕上がっていた。コニーデ型をした鳥海山の姿は、どこから見ても美しい。


白神山地遠望
 また、北西の方角に目を転じると、山の向こうの雲間から白神山地を見ることができた。また、北の方角には、岩木山や八甲田山も見ることができて大満足。ただ、ゴンドラであまりに手軽に登れるせいか、登山者が多すぎてすれ違うときなど、登山道からはずれてしまう人も見受けられた。また、あちらこちらにシートを広げ、弁当箱やお重などを広げ、ピクニックさながらの光景が見受けられ、環境汚染も心配される。ゴンドラの効用の是非が問われることになるだろう。

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