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 秋田県のほぼ中央に位置する森吉山。標高は1454メートルとそれほど高くはないが、高山植物の宝庫である。この季節になると高山植物鑑賞のため阿仁スキー場のゴンドラが運行される。本格的な登山の準備をしなくとも、手軽にハイキング感覚で高山植物を楽しめるとあって、毎年人気を博している。今年からは8月21日まで毎日運行と期間も延長され、一層利用しやすくなった。
ノウゴウイチゴ ツマトリソウ マイヅルソウ
 ゴンドラ山頂駅を降りると、あたり一面に赤いイチゴの実が成っていた。春先に白い花を咲かせるノウゴウイチゴである。一粒失敬してつまんでみる。ほんのりと甘く酸っぱいイチゴの味がする。これならイケル。標高1308メートルの石森までは約20分の道のり。登山道の両脇はゴゼンタチバナの白い花が一杯だった。時折、白い花でも形の違う花が混じっている。ツマトリソウとマイヅルソウだ。葉緑素を持たない透き通った白色のギンリョウソウも見える。ギンリョウソウは、何回写してもシロトビしてうまく写真に出来ない。撮影技術を要する難しい花である。
イワオトギリ ベニバナイチヤクソウ イワカガミ シラネアオイ
 イワオトギリは、低地に咲くオトギリソウの高山版だ。ゴンドラ駅直ぐの登り口に咲いていた。白い花が多い中にあって、イワカガミやシラネアオイのように淡い色をつけた花はパッと目につく。5月から6月にかけて花を咲かせるシラネアオイはすでに花の季節を過ぎていたが、この2輪だけが大輪の花を咲かせていた。よく見ると花の終わったシラネアオイの葉が登山道脇に沢山見つけられた。もう少し早い時期にくると、シラネアオイが登山客を迎えてくれることだろう。
ハクサンボウフウ シラタマノキ ハクサンシャクナゲ
 シラタマノキは実の形(白玉)から付けられた名だが、今回は花の撮影に成功。このような壺型をした花は、ほかにアカモノ、ウラジロヨウラク、コケモモなど多くの花が見られた。とにかく、石森までほんの20分あまりの道のりに、高山植物の花、花、花のオンパレード。こんなに簡単に高山植物を見られるところは他にないかもしれない。同行した妻は、こんな沢山の花が見られるのなら、秋田駒ケ岳よりも楽でずっといいと喜んでいた。
 石森山頂付近には、ニッコウキスゲが群生していた。コバイケイソウやイワイチョウの花も見える。ここからは、森吉山が目の前に見えるはずなのだが、今回はあいにくガスがかかっていて良く見えない。
ニッコウキスゲ ハクサンチドリ アオヤギソウ
天気もあまり良くなかったので、湿原のお花畑として知られる稚児平や山人平は次回の楽しみにとっておくことにして、今回は石森山頂から引き返すことにした。それでも大満足の一日だった。