奥森吉高原 桃洞の滝

2009年6月20日(土)


 秋田県中央北部に独立峰として聳える森吉山の周囲には、魅力的な滝が数多く存在する。桃洞の滝もその一つだ。桃洞の滝に行くには、森吉山野生鳥獣センターの駐車場に車を置き、そこからノロ川沿いに整備された遊歩道を4キロほど歩く。始めは新緑のブナ林の中を歩くことになるが、野生の鳥の鳴き声が木霊する中を、フィトンチッドを浴びながら歩くのは、まことに心地よい。

 しばらく歩くと、ノロ川の辺に出る。大きな一枚岩の滝は、桃洞横滝と呼ばれる滝だ。

 ノロ川は、ここぞ清流の中の清流ともいうべき川である。透明度が高く川底までくっきりと見通すことができ、悠々と泳ぐイワナの姿もはっきりと見える。また、川床が一枚岩となっているので、長靴を履けば川の中を歩くことも自由だ。

 滝が近づくにつれ、両側の斜面が迫ってくる。人工的に見える段々に流れる川も、長い年月をかけて自然が造ったもの。

 川を遡った先に忽然と現れるのが桃洞の滝だ。円やかに絶妙なカーブを描いて流れ落ちるこの滝の女性的な美しさはどうだろう。形が女陰に似ているから「桃洞」の滝と名付けられたというが、自然の造形美には驚嘆させられる。

 片道4キロの道のりは、高低差がほとんどない平坦な道で、快適なトレッキングを楽しむことができる。天然記念物のクマゲラも棲む野生鳥獣の宝庫であり、世俗を離れて自然を満喫するには、格好の場所である。

桃洞の滝周辺に咲く花
オオバミゾホオズキ シラネアオイ イワカガミ
ツマトリソウ ウワミズザクラ

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