男鹿半島巡り
2001年5月4日(金)

 旧友から突然のメールが入ってくるのは嬉しいものだ。5月2日の朝,大学時代のテニスサークルで1年後輩のT女史から,秋田・弘前に友人と旅行するので,会えたら嬉しいというメールが入っていた。最初にそのメールを見たのはRUMIKOだった。RUMIKOも同じテニスサークルだったので,すぐ彼女に会いたいと返事を出した。翌日,両親を連れて金浦温泉から帰ってきたら,彼女から秋田に着いたという伝言が携帯番号とともに入っていた。早速,彼女に電話をして,その日はペペロンチーノで一緒に食事をした。いつもは混雑するペペロンチーノだが,この日は連休中だったためか空いていて,ゆっくりと旧懇を暖めることができた。話しによると男鹿半島巡りの観光バスに乗る予定だという。それなら,こちらも予定はなかったし,マイカーで彼女とその友人たちを案内することにした。

経度緯度交会点

 どうせマイカーで案内するのなら男鹿半島だけではなく,菜の花が咲き誇っている大潟村に行くのも悪くないと思った。菜の花ロードの桜は葉桜となっていたが,菜の花は綺麗に咲いていた。最初に向かったのは大潟村のほぼ中央に位置する,北緯40度と東経140度の交会点。10度単位で,緯度と経度が交差するのは日本国内ではここだけだ。だからどうしたというわけでもないが,日本でただ一つというと何やら有難い気持ちになるものだ。シンボル塔の真下がその交会点に当たる。


若美町のチューリップ畑

 大潟村の干拓博物館を見学したあと,若美町に向かった。干拓博物館裏の菜の花畑もまた一面に広がって綺麗だった。菜の花畑は年々見所が違う。1年草のなせる技だと感心した。若美町は男鹿半島の最初の観光地である寒風山に向かう通過点になるのだが,どうせならチューリップ畑も見ておきたい。桜や菜の花のように同色の花が広がる姿も圧巻だが,チューリップのように色とりどりの花々がこうして咲き乱れている様もなかなかいい。今年は去年以上の人出で,下の役場に駐車場を設け,バスでピストン輸送をしていた。


なまはげ実体験

 寒風山を訪れた後,真山の「なまはげ記念館」と「なまはげ伝承館」に向かった。ここを訪れるのは初めてだった。特に「なまはげ伝承館」では,なまはげを実体験できる。目の前で見るなまはげは大迫力で,これは子供には怖い体験だろうと思った。目の前に小さな子供が居たが,ずっと親にしがみついたきり離れようとしなかった。


なまはげ伝承館

 男鹿観光といえば,その風光明媚な景色と温泉が売り物だったが,このような伝統文化を実体験できる,体験型観光は新たな試みでとても好感が持てる。なまはげというと,男鹿の観光地で写真用に佇んでいるなまはげの姿を思い浮かべるが,実際各地区で行われるなまはげはそれとは全く違う,実に独特な顔かたちをしているものだということを記念館で初めて知った。男鹿はもう充分に知り尽くしていると思っていたのに,また新たな発見があった。奥が深い。


八望台

 八望台から眺める二の目潟と戸賀湾の姿は実に美しい。人間の叡智を超えた自然の造形美は見る人すべてに感動を与えるものだ。男鹿半島にはこのような場所が沢山ある。やはり第1級の観光地なのである。秋田の人間は宣伝が下手なので,全国的には埋もれてしまっているが,せっかくの資源がもったいないなぁと,つい思ってしまう。


入道崎

 最後は,男鹿半島の突端にある入道崎。時刻は午後4時を回っていた。ここで見る日本海に沈む夕陽もまた1級品である。夕陽が沈む時刻にはまだ大分時間があったが,落ちかけた太陽が海に映えて美しいシルエットをなしていた。訪れる人びとをみなロマンチックな気分にさせてくれる。こんな場所で恋を語らえば,実らぬ恋も一挙に成就できるというものだ。360度に広がる大パノラマは男鹿観光の終着駅にふさわしい。
 このあと,男鹿温泉まで友人たちを送り届けて,今日の男鹿半島巡りを終えた。

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