大湯環状列石と八幡平

2004年10月16日(土)〜17日(日)

 北東北広域連携推進協議会の秋田セミナーが鹿角市で開催された。この時期なら、八幡平の紅葉が素晴らしいだろうとの期待も込め、初めて参加することにした。

万座環状列石
 前日、能代で会議があり、そのまま能代キャッスルホテルに泊まった。当日は能代から真っ直ぐ鹿角に向かったが、セミナーの時間までは大分間があったので、大湯のストーンサークルを見学することにした。
 特別史跡大湯環状列石は、今から約4000年前の縄文時代後期の大規模遺跡群である。ここには、平均30kg、最大200kgもの石が、代表的な2つの環状列石だけで約7200個も集められている。この石は、遺跡から約6km離れた安久谷川から、青緑色の石だけが選ばれて運ばれたものだという。なぜ、そんな遠くから、しかも青緑色の石だけ選び出して運ばれたのだろう。

野中堂環状列石(日時計)
 建物の遺跡が再現されている万座環状列石と広域農道を挟んだ向かい側にあるのが、野中堂環状列石である。ここには、よく写真などで取り上げられる、日時計型の組石がある。万座の中心部と野中堂の中心部の直線上に、この日時計が配置されており、この直線の延長線上に夏至の日の入の場所と冬至の日の出の場所があるのだという。当時の人たちは、きちんと季節を計算して作られたものなのだ。

芝生広場から万座環状列石を望む
 以前、ここを訪れたときは、一面のリンゴ畑で、二つの環状列石の周囲に柵を施してあるだけの極めて簡素な遺跡だったと思うが、今回訪れてみて、茅葺の建物が復元されていたり、5本柱が建っていたり、広い芝生広場があったりと、史跡公園として随分整備されていた。広い敷地内をゆっくり歩いて、しばし昔の人々の暮らしに思いを巡らしながら、4000年前にタイムスリップするには、このくらいの空間が必要なのかもしれない。あまりに綺麗に整備されすぎてしまい、昔ながらの素朴な遺跡を懐かしむ声も聞かれるが、ボクはこれで良かったのだと思う。

八幡平山頂駐車場から岩手山を望む
 セミナーの翌日は、抜けるような青空に恵まれた。紅葉を期待して八幡平に向かったが、八幡平山頂駐車場に降り立ったときの気温は氷点下1度。駐車場の標高は1500mを超えているので、それもやむを得ないことだが、ジャケット1枚では、寒くて立っていられない。ただ、景色は最高で、岩手山や森吉山、鳥海山などもよく見えた。

八幡平大沼
 少し、秋田県側に下って大沼まで来ると、気温も少し上がって、散策するにはちょうどよい気温である。ここも、すでに木々の葉っぱが落ちていて、紅葉には少し遅すぎたようだ。八幡平は、一帯が高山植物の咲き誇る花の名山なのだが、花の時期に来ることはめったにない。大沼もレンゲツツジが咲くころは、沼一面が真っ赤に染まるほどの美しさだという。紅葉もいいが、6月のレンゲツツジの季節にも是非訪れたい。

八幡平大沼の紅葉
 大沼の周囲に巡らしてある木道を1周してみた。ところどころに、綺麗に紅葉している木もあった。真っ青な青空に、紅葉した木々を添えると、まるで信号のようにコントラスト鮮やかになる。それでも、台風の影響か、どこかくすんだような色合いになってしまうのは残念なことだ。

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