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世界自然遺産に選ばれている白神山地。秋田県側の遺産指定地域は厳しく立ち入りが制限されているため、観光目的では入ることができない。その代わり、遺産地域のすぐ近くにあって、その植生とほぼ同じ様相を示している岳岱自然観察教育林は、手軽に白神山地の雰囲気を味わうことができる白神観光の人気スポットとなっている。最近では、大館能代空港や二ツ井駅から直通観光バスも訪れるようになったため、観光客の増加による自然荒廃も心配されるほどだ。
ここの一番人気は400年ブナ(右の写真)である。何年か前に台風の被害にあって、根元に近い太い枝が折れたまま地面に横たわっている姿は何とも痛ましい限りだが、もともとブナの寿命はそれほど長くはなく、せいぜい300年程度のものらしい。400年も生きているのはそれだけでもすごいことなのだ。
この400年ブナまではウッドチップでできた遊歩道が整備され、車椅子でも楽しむことができるという。それはそれで素晴らしいことには違いないが、白神山地という大自然を求めて訪れた者には、ちょっと違和感を覚えてしまう。これも時代の流れ、やむを得ないことなのかもしれないが。
それでも、1時間ほどの周回トレッキングコースを歩くと、生の自然を思う存分味わうのに充分な林が広がっている。ブナの新緑から発散される若い芽吹きのパワーを全身に浴びると、心も身体もリフレッシュすること請け合いだ。 |