太平山中岳に登る

2008年5月17日(土)

※写真をクリックすると大きな写真(640*480pix)が見られます。
登山道に咲く花々は、こちらのページでどうぞ。

 妻が仕事で不在の五月晴れの休日、一人で山に登る。場所は太平山。母校の校歌に「天上遥かに太平山の姿は気高し三千余尺」と歌われている山である。太平山は奥岳をピークとして複数の峰が馬蹄状の形をして連なる連峰の総称だが、秋田市内からもっとも良く見えるのが中岳だ。今回は、いつも登り慣れている前岳を経由して中岳に至るルートで登山した。

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 秋田市仁別のザ・ブーン前の登山口から登る。少し登ると秋田市の青少年自然観察施設まんたらめの脇を通り過ぎる。今の季節はオレンジ色が鮮やかなヤマツツジがよく目立つ。ここら一帯は秋田杉の林になっている。登山道は、杉の落ち葉がクッション材になっていて、とても歩きやすい。

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 太平山は古くから信仰登山の山だったので、登山道には仏様が彫られた石像を良く目にする。40分ほど登ると、急に視界が開けた場所に出て、太平山スキー場のリフト終点につく。ここにも登山道入口の表示があった。ここまではスキー場の管理道路が通っており、車で来ることができるのだ。

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 ここから上は、これまでの杉林とは打って変わって純然たるブナ林になる。登山道にもブナの根っこが張りめぐらされ、ちょうど滑り止めのような役割を果たしている。

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 ブナの林の中を歩くのは気持がいい。それに、ブナの木は緑の葉っぱも白い木肌もみな美しい。登り始めて約2時間で前岳女人堂につく。ここからの眺望は素晴らしいが、今日は良く晴れた天気なのに、下界は霞がかってよく見えなかった。花粉が飛散する春には良くあることだ。

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 女人堂にあった祠は数年前に火災で消失してしまったが、その場所には様々な石柱や石仏が置かれている。前岳の山頂を女人堂跡と思っている人も多いが、実は前岳山頂はそこからもう少し中岳寄りに登ったところにある。周囲をブナの木に囲まれ全く眺望の利かない前岳山頂下には、タムシバが白い花を咲かせていた。

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 前岳山頂を過ぎると仁別国民休暇村から登ってくる登山道とぶつかる。自然の岩を削って石仏を彫っている場所もあった。

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 中岳登山道唯一の水場三角井戸に到着。ひんやりとした水がとても旨い。今回の登山道の中では、この辺りの登りがもっともきつかった。

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 登り始めてから、3時間で中岳山頂に到着する。前岳女人堂からだと、ちょうど1時間の道のりだ。ここの山頂にも、様々な石仏が鎮座していた。

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 山頂からの眺望も素晴らしかったが、ここからも下界の風景は霞がかってよく見えなかった。ブナやナナカマドの緑の葉が、青い空に輝いている。

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 写真で、一番奥に尖って見えるのが奥岳だ。登山道は太平山のピーク奥岳に向かってまだまだ続くが、今日の登山はここまでで引き返すことにする。いつかこの峰々を踏破する日がくるのだろうか。

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 山頂では小1時間の昼食休憩を取った。山頂では、10人ほどの大学生グループと一緒になった。秋田県出身者は1人だけだそうだ。山頂では、竹の子採りに興じるなどなかなかワイルドな若者たちだった。

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 たっぷりと休憩を取って下山の途につく。ブナ林のグリーンシャワーを浴びながら歩く心地よさは何事にも代えがたい。

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 ブナの葉を通した柔らかな陽光は、人を癒しの空間に導いてくれる。至福のときだ。途中、太平山を代表する花ヒメシャガが咲いていた。平地で見られるシャガよりも小さくて、繊細な感じのする花だ。ちょうど2時間でザ・ブーン前の登山口に到着した。登り3時間、下り2時間の登山。身も心もリフレッシュできた。

秋田市太平地区から眺めた太平山である。中央に見える山が中岳で、左にこんもりと盛り上がっているのが前岳だ。今登ってきた山を振り返って眺めて、よくぞあそこまで登ったものだと、改めて感慨にふける。

今回は、数多くの山の花に出会えた。
「太平山中岳に咲く花」としてまとめたので是非ご覧ください。
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