獅子が鼻湿原と巨木奇形ブナの森

2008年6月7日(土)
 妻と二人で、にかほ市象潟の獅子が鼻湿原に出掛けた。ここは、1周2時間ほどのトレッキングで、日本一の奇形ブナの森と鳥海マリモの生える湿原を廻ることができる。ブナのグリーンシャワーと伏流水のマイナスイオンを一杯に浴びて、身も心もリフレッシュするには最適の場所である。
※写真をクリックすると大きな写真(640×480pix)になります。
 中島台レクリエーションの森には、奇形ブナの巨木が沢山生育している。これは、「燭台」と呼ばれる巨木。根元付近の折れ曲がった枝がちょうど蝋燭を置く台のように見えることから名付けられた。別名を「ニンフ(森の妖精)の腰掛」というが、私は別名のほうが相応しいように思う。
 燭台と呼ばれるブナの少し先に、ここの主とでもいうべき存在の「あがりこ大王」と呼ばれる巨木がある。この木は、幹周り7.62メートルもある日本一の奇形ブナの巨木で、「森の巨人たち百選」にも選ばれている。人の踏み跡でブナの根を傷めないよう、根元の周囲には木道が整備され、中に入れないようになっている。
 ねじれたように折れ曲がっているブナもある。この森に、奇形ブナが沢山あるのは、この地で暮らしていた人たちが炭焼き用にブナの木を切って生活していたため、その切り株からブナの芽が生え出していったからだという。その炭焼き窯の跡が今も残っている。
 奇形ブナの森を抜けると、「鳥海マリモ」が生育する獅子が鼻湿原に出る。鳥海山の伏流水が湧き出る場所で、このたび環境省が選定する平成の名水百選に選ばれた。流れる水の量は豊富で、その勢いはとてもすごい。
 鳥海マリモとは、コケの一種で、川床の岩に張り付いたコケが、勢い良く流れる水の圧力で、マリモのように丸くなっていることから付けられた名である。とても貴重な種類のコケだそうで、国の天然記念物に指定されている。
 獅子が鼻湿原一帯もブナの原生林となっている。鬱蒼と生い茂ったブナの森。原始時代から続くであろう悠久の森を歩いていると心が洗われるようだ。
 出壺は、コンコンと鳥海山の伏流水が湧き出る場所である。その水量の多さには目を見張るものがある。この出壺から湧き出る水が、獅子が鼻湿原の根源だ。そして、平成の名水百選に選ばれた実力である。
中島台レクレーションの森に咲く花々
ズダヤクシュ ツリバナ
タチシオデ ギンリョウソウ
ウラジロヨウラク ササバギンラン
コケイラン サワフタギ
ミミナグサ ルリソウ
カマツカ フジ
index