雪渓の鳥海山を登る
2008年6月29日(日)
※写真をクリックすると大きな写真(640*480pix)が見られます。 登山道に咲く花々は、「鳥海山祓川登山道に咲く花」のページをご覧ください。 |
娘の大学後援会で一緒だったS氏に誘われ、S氏の登山の師匠O氏と3人で鳥海山に登った。6月の鳥海山は、登山道の半分以上が雪渓に覆われていた。 |
7:12 | 7:58 |
朝7時、祓川登山口をスタート。スタート直後、高層湿原の竜ヶ原湿原を横切る。そこには湿性植物のミツガシワやイワイチョウなどが咲いていた。湿原の木道が終わり、祓川神社の脇を過ぎるとすぐに雪渓の急坂になった。そこで、早速O氏から借りた軽アイゼンを登山靴にはめる。雪渓の急坂を過ぎると、しばらくの間、潅木の林の間の雪のない登山道を登る。林が切れたあとは、平坦な雪渓がしばらく続いた。 |
8:31 | 8:40 |
御田と呼ばれる湿原は雪に隠れて見えなかった。御田(おだ)で休憩し、再び足にアイゼンを嵌め直して、その後の雪渓の急坂に挑む。さすがに足元が不安定な中、急坂を登るのはしんどい。少し登っては立ち止まり、後ろの風景を楽しみながらまた登るという動作の繰り返しで、何とか八合目の七つ釜に到着。 |
9:14 | 9:25 |
大雪路は斜面一面に大雪原が広がり、見通しも良く景観も抜群だ。斜度はあまりきつくなく、正面に七高山山頂が間近に眺められ、快適な登りが楽しめる。途中、新潟県から来たというご夫婦に出会った。早速、O氏が声をかけ、しばしの会話を楽しむ。山では誰でも親しく声をかけられる雰囲気がある。そこがまた楽しい。 |
10:44 | 10:45 |
舎利坂まで来るとあと山頂は目の前だ。しかし、ここからの登りが、ガレ場で足元が滑りやすい急坂の連続で、今回の登山で一番の難所だ。ただ、ミヤマキンバイやイワウメ、アオノツガザクラなどの高山植物が道狭しと咲き誇り、一番の見所でもある。ゆっくりと花の写真を撮りながら登ると、急坂の疲れも忘れさせてくれる。 |
10:49 | 10:50 |
舎利坂から後ろの下界を振り返ると、雪渓の白と緑のコントラストが目の前に鮮やかに広がり、絶景である。景色を眺め、足元の高山植物を楽しみながら、ゆっくりゆっくり登る。 |
11:03 | 11:07 |
舎利坂を登り終えると、山頂直下の康新道との分岐に出る。すでに、S氏は山頂で待機しているようなので、休むことなく山頂に向かう。 |
11:13 | 11:16 |
11時10分、無事七高山山頂(2229.2メートル)に到着。鳥海山の最高峰は新山(2236メートル)だが、噴火口をはさんで目の前にあるはずの新山は霧でまったく見えず、今日はここで引き返すことにした。七高山も一等三角点のある立派な山頂である。あとから一人で登って来た新潟から来たという人に記念写真を撮ってもらう。 |
11:25 | 12:02 |
山頂は風が強かったので、舎利坂をちょっと下った大きな岩の陰で、昼食休憩を取った。そこには、イワウメが岩にビッシリと生えていた。イワウメは小さな葉っぱには不釣合いなほど大きな花を咲かせるが、このように密生して花を咲かせているのを見たのは初めてのこと。秋田県内ではほかに栗駒山、秋田駒ケ岳で見ることができる。 |
12:30 | 12:37 |
下りはアイゼンをつけず、それこそ滑るように下りてきた。氷ノ薬師から大雪路に抜ける道も快適そのもの。スキーやソリが欲しくなった。しかし、このあたりから、同行のS氏の様子がおかしい。どうやら両足の膝が動かなくなり、膝の上げ下ろしができなくなったようだ。後日談だが、体温低下と水分摂取不足による筋肉硬直が原因だったようだ。気をつけなければならない。 |
12:48 | 14:05 |
下りは登ってきた道を下りてくるのだが、足を痛めると登り以上に下りはきつくなる。それでもS氏は何とか下りてきた。その頑張りに拍手である。目の前に竜ヶ原湿原と祓川ヒュッテが見える。ここまでくればあとはすぐゴールだ。 |