湯沢の七夕絵灯篭祭り

2005年8月6日(土)

 秋田で七夕のまつりといえば、東北3大夏祭りに数えられる秋田市の竿燈祭りが有名であるが、県南の地、湯沢市で開かれる七夕絵灯篭祭りもまた風情があって趣のあるいい祭りである。

(左上)旧雄勝郡会議事堂
(左下)名水100選の湯沢力水
(上)和菓子の「わかさ」 
 秋田市から湯沢までは高速道路で1時間ほどの道のりである。湯沢に来たら、お土産にはわかさの和菓子が欠かせない。まずは、わかさでポテトまんじゅうを買う。絵灯篭に灯りがともるまでにはまだ時間があったので、市内を少し散策することにした。旧郡会議事堂(明治24年建築)は県の重要文化財に指定された建物。明治の建築物はどうしてこうも美しいのだろう。また、湯沢には日本の名水100選に選ばれた力水がある。東北の灘と称される酒処の湯沢は、水もまた美味しいのである。

 湯沢の絵灯篭は、藩政時代から続く祭りで、京都から輿入れしたお姫様の郷愁を癒すために始められたものという。大小300余りの灯篭が市内の目抜き通りを艶やかに彩る。

 この日の湯沢は、途中の高速道路の気温表示が37度を示すほどの猛暑であった。日が暮れてもまだまだ暑い。日暮れと同時に絵灯篭に灯りがともされると、闇のなかに着物姿の艶やかな美女の姿がぽっかりと浮かび上がってきた。湯沢の絵灯篭は、日本髪と着物姿の美人画にその特徴がある。

 ちょっと艶かしい絵灯篭。髪を洗ったあとなのか、着物をはだけ、髪を梳かしている。湯沢の絵灯篭の中でこのような絵は珍しいが、この日のような猛暑のなかでは涼しげでいいかもしれない。

 なかにはストーリー性を持たせた2枚組の絵灯篭もある。この絵灯篭は、県知事賞を受賞していた。この日、湯沢の町は多くの観光客や市民であふれ返っていた。過疎化の進行が激しく、目抜き通りのデパートやショッピングセンターが相次いで閉店に追い込まれるなど、苦境を余儀なくされている商店街だが、この日ばかりはひと時ばかりの活況を呈していた。

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