西馬音内盆踊り

2007年8月18日(土)〜19日(日)

※写真をクリックすると大きな写真(640*480pix)が見られます。

 西馬音内(にしもない)盆踊りといえば端縫い衣装が有名である。盆踊りが始まる前に、まず通り沿いにあるお宅で端縫い衣装を見せていただいた。右の写真は、盆踊り客のためにあらかじめ店の中に展示していた総絞りの衣装。左の写真は、我々のためにタンスの中から特別に見せてくれたもの。古くから続く商家なので、代々引き継がれた衣装が数多くあった。

 国の重要無形民俗文化財に指定されている「西馬音内盆踊り」。踊り手は、端縫い衣装に編み笠を目深にかぶった人たちと、藍染の浴衣に彦三頭巾を頭から被った人たちの2グループに分かれる。どちらにも共通するのが、周りから顔が見えないこと。これは、昔遊びに来ていた殿様が美人の踊り子を側女として連れ帰るのを防ぐためだったと言い伝えられているが、真偽のほどはわからない。

 西馬音内盆踊りの特徴は、反り返るような優美な手の動きと、摺り足でゆっくりと動く足捌きにある。そのため、舗装路には砂が撒かれ、摺り足がしやすいようになっている。踊り手が動くたびに、ササーッという音が、場内に響き渡るのであった。
 踊りの音楽は、「音頭」という秋田音頭をベースにした陽気な音調のものと、「がんけ」と呼ばれる死者を弔うような哀調を帯びたものの2種類あって、交互に演奏される。「音頭」の歌詞は、時代を風刺したものや、農民の素朴なエロティシズムを表現したものなどがあるが、優雅な踊りと歌詞のミスマッチが面白い。

 西馬音内盆踊りは夜7時頃から始まって、11時半頃まで続く。この日の宿は、西馬音内から15キロほど離れた横堀にとった。宿からの迎えのバスは10時。先に端縫い衣装を見せていただいたお宅の話では、10時頃から上手な人が踊り始めるのに、早く帰ってしまってはもったいないという。ならば、めったに観ることは出来ないのだから、終わりまで見て、タクシーで帰ることにした。夜が更けるにしたがって、踊りの輪も増えていく。ここでは踊りの質を保つため、一般の客には躍らせない。徒に観光化に流されず、伝統を重んじる態度の現れだ。

 翌日の昼食は、西馬音内の「彦三(ひこさ)」で蕎麦会席をいただいた。創作蕎麦料理は、2000円という料金の割には品数も多く、とてもリーズナブルである。蕎麦も大変美味しくいただいた。お勧めの店である。

あきた散歩INDEX