7月21日 (日)  入院

私たち夫婦の仲人をしてくれた元上司とは、結婚以来ずっと、盆暮れの挨拶を欠かさずに20年の付き合いをしている。その上司が昨年11月に亡くなった。手術のときの輸血が原因でC型肝炎を患い、長い闘病生活の末亡くなったそうだ。葬式に参列して奥さんの頑張りに頭の下がる思いをしたのだが、昨年12月にお歳暮代りにお線香を上げに行ったとき、奥さんのあまりの落ち込みように愕然としたものだった。これもご主人を亡くしたばかりの心労からくるものだろうと安易に考えていて、時が解決してくれるものとばかり思っていた。

そして、またお中元の季節が巡ってきたので、一人暮らしの奥さんの所に挨拶に行ったのだが、留守のようで誰もでない。日にちをあらためて出直してみたものの相変わらず留守である。これはちょっと様子がおかしいと思い、近所の人に尋ねたところ、近くの整形外科に入院しているというではないか。早速、お見舞いのお菓子を買って、病院を訪ねたところ、入院してから7ヶ月になるのだという。つまり、昨年の12月に訪ねた直後に入院したことになる。これには、自分たちの思いやりの無さに恥ずかしい思いがした。もっとコマめに気遣ってしかるべきだった。そして、ベッド上の奥さんがすごく小さく頼りなげに見えた。

話を聞くと、まだご主人の仏壇も買っていないと嘆いていて、退院したらすぐに仏壇を買うのだと言っていた。彼女には二人の息子がいて、ともに首都圏で家族をもうけて仕事をしているのだが、その子どもたちは何をしているのだろう。非難するわけではないのだが、今日の奥さんの姿をみてそのことを思った。

奥さんは今は整形外科に入院しているものの、病状は一向に良くならないので、もうすぐ退院するのだという。そして自宅に居て介護保険によるホームヘルプサービスをお願いするという。せっかく資格をとったのだから、知らない人よりはrumikoがホームヘルパーとして派遣されればいいなと思ったが、これはケアマネージャーが決めることだそうで如何ともしがたいものらしい。はがゆい思いをして病院をあとにした。