3月15日 (月)  偶然の再会

今年に入って4度目の仙台出張。しかも3月は今日で2度目。仙台の街の風景も行き交う人々の姿も、何の違和感もなく溶け込んでくるようになってきた。この調子だと、いつ東北州に移行しても大丈夫だね。

最近、2回ほど仙台土産に長茄子漬けを買って帰ったら、父が気にいったらしく、今回は父から土産のリクエストがあった。お気に入りは唐辛子が入った辛口仕立てのもの。今日は2袋買って帰った。

秋田新幹線こまちで秋田駅に着いてから、バスの乗り換えまで5分しかなかったので、急ぎ足でバス停まで向かっていたら、突然「きむらさん」と呼びかけられた。誰かなと思って声のする方向を見たら、10年以上前に情報統計課で一緒だった臨時職員のHさんだった。

Hさんは先天性の障害を持った女性だった。それでも仕事の事務処理能力はすごく高かった。その彼女だが病状が悪化して病院に入院するようになった。次第に歩けなくなり、口も利けなくなってしまった。入院してから一度見舞いに行ったことがある。同じ職場だったころ、バレンタインチョコのお返しにお菓子を手紙を添えて渡したことがあったのだが、彼女はその手紙を大事に取っていて、自慢げに看護婦さんに話していたという。それ以来、見舞いに行くこともなく、消息もわからなくなってしまった。

そんな彼女に再会したのは、今から4、5年前のことになろうか。まだテクノポリス財団があったころ、定期的にナイトセッションという催しものをやっていた。その会場に彼女が来ていたのだった。彼女は車椅子で、話も機械を通して文章による会話だった。それでも、彼女に会えたということに、ボクはとても嬉しかった。そのとき彼女から障害者支援施設でボランティアをしているという話を聞きながら名刺をもらったのだった。

そして今日の偶然の再会。彼女は杖をつきながらではあったけれど自力で歩いていた。そして、「きむらさん」と直接自分の口から呼びかけてくれた。こんなに嬉しい出来事はなかった。こうなるまでに、彼女は相当頑張ったに違いない。彼女はJRの改札口へ向かっていたし、ボクはバス停に向かっていたので、すれ違うような格好だったんだけれど、もう少し話しをすれば良かったなと今になって後悔している。

でも同じ秋田市内で元気で働いている彼女のこと。また、どこかで会う機会があるに違いない。そのときどんな姿を見せてくれるのか、楽しみである。