3月8日 (月)  鳥インフルエンザ

鳥インフルエンザが猛威をふるっている。鳥から人間に染ることは稀とはいえ、現に東南アジアでは人に感染して何人も死亡していることを考えれば、日本はまだ救われているといって良い。

それにしても、今回の浅田農園の事例はひどいものだ。鳥が1日に千羽以上も死んでいるというのに、経営者から京都府の衛生当局に何の連絡もなかった。匿名の電話で初めて京都府が知ったときには、感染から1週間以上もたったあとだったという。しかも、その間に感染した生きた鳥が食肉業者に出荷されていたというから、驚くほかない。

山口や大分で、あれだけ鳥インフルエンザが騒がれていた今の時期に、目の前で鳥がバタバタと死んでいく状況をみて、プロである養鶏業者が鳥インフルエンザを疑わないほうがおかしい。今回の場合は、完全に感染を疑いながら、損をしないように売り逃げしてしまおうという浅ましい考えによるものだと思う。何と言うモラルの欠如。こういう人間が我々の食を預かっているのかと思うと空恐ろしくなる。日本はいつからこういうモラルの欠いた国になったのだろう。

今回は2次感染と思える事例が発生してしまった。これも、浅田農園がきっちりと対応していれば起こりえなかったことである。こうなると、もう人災以外の何物でもない。さらには、野鳥のカラスからも鳥インフルエンザウィルスが検出された。このままいくと、どこまで感染が広がるか予想だにつかない。

そして、今日浅田農園の会長夫妻が自殺した。何とも後味の悪い事件である。浅田会長は責任ある当事者として絶対に自殺すべきではなかった。説明責任を果たさないまま、死んでしまうなんて無責任もはなはだしい。よく死んでおわびをするというが、そんなのおわびにも何にもならない。何故そのような事件をおこしたのか、どう償っていくのか、今後このような事件を起こさないようにするにはどうすればよいのか、そういうことを生きてしっかりと責任を果たしてほしかった。

これから日本は、そして鳥インフルエンザはどうなっていくんだろうか。本当に心配である。