NO9 秋田・盛岡・宮古横軸連携フォーラム  1999年10月27日(水)

 10月26日,岩手県宮古市で開催された,「秋田・盛岡・宮古横軸連携フォーラム」に参加した。先月,秋田市のテルサで開催されたフォーラムのPART2である。
 秋田のフォーラムは,沿線市町村の首長をパネリストに迎え,行政の話が中心であったが,今回の宮古は,元気な女性リーダーたち5人が集まって,「ワイワイ・ガヤガヤ」をテーマに話し合った。
 女性パネリストは,高橋貞子さん(秋田いろり塾ネットワーク副会長),岡晶子さん((株)マ・シェリ代表取締役副社長),柴田和子さん(N.L.40゜ダンサーズ主宰),佐々木信子さん(「この指とまれの会」代表),伊藤牧子さん(「カレッジinみやこ」委員長)の5名。
 とにかく,皆元気の固まりのような人たちばかりで,アドバイザーとして出席していた大学の先生たち(男性陣)も圧倒されがちであった。
 テーマが「ワイワイ・ガヤガヤ」なんて,どういう話になるんだろうと興味をそそられたが,各人の地域活動を中心とした話で,地域づくりの中心的役割は,今や完全に女性に移ったことを実感させられるフォーラムだった。5人の中で,高橋貞子さん,岡晶子さんとは面識があった。高橋貞子さんは,8月にドンパン祭りを見に行って以来だったが,北東北知事サミットでドンパン踊りを披露したいという彼女からの申し出に対して,ウヤムヤのままに済ませてしまっていたので,ちょっと会うのが気まずかった。
 終わった後の懇親会で,少し話したが,知事サミットは気が付いたら,終わっていたとのことで,忙しくて忘れていたらしい。少し気が晴れた。
 このフォーラムは,国道46号,106号の高規格化という意図が,裏にあるのだが,今回宮古まで車で行って,46号はともかく106号は容易ではないと思った。とにかく,山,山,山の連続で,平地がどこにもない。道路は川沿いに走っているが,両脇にそそり立つ山々のなんと深いこと。盛岡市内を出てから宮古まで約100キロ,その間ほとんど家がなく,田んぼも畑もない。ただひたすら山だけが続くという感じだ。
 アドバイザーとして加わっていた,先生が話していた言葉が印象的だった。「106号の中間地点で交通事故を起こして,もし重体の怪我人が出たら,まず助からないのではないか。沿線に公衆電話がない。携帯も衛星携帯でないと通じない。救急車が駆けつけるにしても,最低30キロ以上は走らないと,現場にも病院にも行けない。」
 これは,道路の高規格化よりも電話の設備(携帯の鉄塔も含めて)を優先させるべきではないかと思った。

 フォーラムが開催されたのは,「浄土が浜パークホテル」。会議の合間を利用して,浄土が浜を散策した。季節外れの平日とあって,さすがに閑散としていたが,美しい景色はそのままだった。晴れ渡った青い空,白い砂浜,透き通った海,白いカモメの群れ,すべてが一幅の絵のように美しい。
 「太陽の道が今生まれる。」という標語がこのフォーラムに付けられている。これは,太平洋側の宮古市浄土が浜で昇り,日本海側の男鹿市入道崎に沈む太陽が通る道というという意味であるが,その名が示す,浄土が浜のサンライズを是非とも拝見したかった。しかし,市内のホテルに泊まり,連日夜遅くまで飲み歩いた朝寝坊のボクには,無理な注文というものだ。いつか,家族とパークホテルに泊まる機会が来るまで,とっておこう。

 今回は,宮古に2泊した。今は,東京出張でも日帰りが当たり前なのに,久しぶりにゆったりとした日程の出張だった。それだけ,秋田・宮古間は,交通の便が悪いということなのだが,そのおかげで,のんびりと思う存分海の幸も堪能できた。何でもかんでも効率性優先で,便利になることがいいことなのか,疑問に思わされる3日間であった。 

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