NO12 総選挙が始まった 2000年6月18日


 4年振りの総選挙が始まった。ここ数年,政党の離合集散が盛んで,4年前第2党だった新進党がすでに解散してなくなっていたり,選挙民にとってわかりにくいことこの上ない。比例代表選挙で,コロコロと政党が変わってしまっては,民意はどうなるのだろう。政党を選ぶ選挙制度のもとでは,少なくとも次の選挙までは,そのままでいてもらわなくては困る。
 ところで,私は,子どもの頃から選挙が大好きなのだ。血沸き肉踊りながら,深更までテレビの開票速報に釘付けになっている。次の日に結果がわかるのだから,何もテレビで見ていなくともと思うのだが,選挙速報を見ていると,歴史を原体験しているという不思議な感覚が身体の奥底からフツフツと沸いてきてたまらなくなる。ほとんど,病気といっていい。
 これまで,消費税導入直後で自民党が歴史的敗北を喫した平成元年の参議院選挙と,自民党から分離した人たちの躍進で,自民党政権が崩落した平成5年の総選挙などが,強く記憶に残っているが,そのようなドラスティックな政変ドラマが演じられなくとも,それぞれの選挙で悲喜こもごもの人間ドラマが見られるので,本当に楽しい。当事者にとってみれば,落ちればただの人なのだから,それこそ必死だろうが,本人に悲壮感が漂えば漂うほど,見ているものに滑稽な感じを与えるものだ。
 果たして,今回はどんな,ドラマが演じられるのだろうか。6月25日は,また,夜遅くまで,テレビの前から離れられなくなりそうだ。

エッセイ目次