RUMIKOの読書日記

2003年
カウンター設置 2003/02/11

 

12月23日(火)

「『新しい人』の方へ」
大江健三郎 朝日新聞社 ¥1200
ずばりこの本を一言でたとえるなら藤原和博さんの「よのなか」国語版若しくは生き方編。ただしこれは中高生向きの本ですね、やはり。
文中では「読書人」という言葉と「カラマゾフの兄弟」という言葉にぴくり。20年以上も前に読んだきりでさすがに忘れかけてるから里帰りしたときに再読すればいいのかしら。
p168「文章の勢いにのって読んでいくとそれまで意味がわからなくても、すっとわかるようになる」という言葉に共感。
最後にキリスト論になっていくのは大江さんとしてみると意外だった。いい本を貸してくれたTさん、本当にありがとう。今図書館から「作家(大江)はこのようにして大きくなった」というのを借りています。


「博多学」
岩中祥史 新潮社 ¥1500
それまで名古屋、長野などの地域本を出している著者が博多に挑む。転勤したい街の一位が博多、という魅力はどこか読んでみる。
先日行った秋大の公開講義で「秋田弁はほめ言葉よりけなしことばが多い」というのと反対で、博多はp154、人を育てる風土がある、と言う点、またあらゆる地方都市が東京(都会)志向だが、p45「都会であるかどうかは建物、道路などのハード面だけでは充分ではなく、住民の感性、というソフト面での洗練度が必要」というのも名言である。「バブル期に作った建物をもてあましてしまうのはそれを活用するソフトがないからだ」というのは行政の人には耳が痛いだろうが現実であろう。
その一方で今までは地方に住む人に明るい視点、p149「今までは情報発達は東京だったが、今後は現象というのを作りやすい地方からの発信のほうがやりやすい」というのは嬉しい。キティちゃんのナマハゲストラップも人気となるか?
確かにこの本を最後まで読むと博多に「はまる」かも。

12月13日(土)

「平成おとぎ話」
河合隼雄 潮出版社 ¥1400
難しいはずの大切な内容を平易に伝えてくれる、って本当はすごいことである。河合氏の文体はわれわれ一般人には本当に「読むクスリ」のようだ。この自由な語り口は京都(これは京都新聞連載エッセイだと言う)という「場の力」によるものだろうか?


「手にとるように民俗学がわかる本」
岸祐二 かんき出版 ¥1400
わかりやすい内容で民俗学や伝承にもふれている本。ただ読む年齢が自分の年ではすでに知っていることばかりでちょっと新味には欠けるが。初心者には興味深く手にとりやすい一冊。

12月8日(月)

「デンマーク デザインの国」
島崎信 学芸出版社 ¥1600
好きではあったがなじみの薄い国デンマークをデザインの面から知ってゆこうというのは興味深い試みであった。
ヨーロッパでは当たり前のようだが、クラフトマンシップの尊重、高齢者福祉や学習への姿勢やコラボレート、読んでいくとこれからの秋田がこのように進めば誇りを持てる、と思われる一冊であった。
キーワードはp77「グローカル」(グローバル+ローカル)です。


「一炊の夢」
田中康夫 扶桑社 ¥1429
個人的な食の思い出を濃い内容でたっぷり書き込んでくれているので値段の割りに読むのに時間がかかる具だくさん?な一冊。長旅の車中に。
心配なのはここでも書かれている「田中知事の膀胱腫瘍」のほうである。

11月29日(土)

こんなにご無沙汰なのは間に一冊堀田力さんの本を読んでいたから(自分たちで作ろう!NPO法人)でもこれは本当に興味ある人でないと具体的過ぎるかも、ということで割愛。

「トーキョー偏差値」
林真理子 マガジンハウス ¥1000
なんだかんだいっても自分の力で服も着物も夫も子供もそして最近は美貌(ダイエット付き)も手に入れた林真理子さんは今や無敵で快い。
ただあまりに過激なダイエットに森瑶子さんのように(彼女の場合はきっと仕事のストレスが大きかったのかもしれないが)体を壊さないか心配。
美女入門もこれで4冊目。すべて¥1000というのも売れる理由かもね。


「総特集 遠藤周作」
河出書房 ¥1143
これもまた偏っているかもしれないが、遠藤さんファンの方には読みやすい一冊なので紹介。先日出席した校友会秋田県支部総会、懇親会で学生時代を語り合ったから、というわけではないが、自分的にはこれが図書館に並んでいれば借りないわけにはいかんでしょ、と個人的な興味から。

11月18日(火)

「あの日ライ麦畑に出会った」
12人の女流作家 廣済堂 ¥1300
いくら村上春樹の翻訳が話題だからと言って、プロの作家だから引き受けてくれるだろうといって、こいつぁあこぎだ、と思いながら読了。個性的な表現で競作しています。それぞれのホールデンへの思いがバラエティに富んでいます。


「グループホームの基礎知識」
山井和則 リヨン社 
今の仕事の発展、勉強の為に借りてみたが、びっくり、今回の衆議院選挙にも立候補して当選なさった衆議院の方だったのね。高齢のご家族と離れていて、施設はまだ早いけど、暮らし振りが心配、と思う方には、今後各市町村のグループホーム、宅老所は大いに力になりそうです。


「花火屋の大将」
丸谷才一 文藝春秋 ¥1333
♪豊富な話題に知識も増える、軽妙洒脱に生きられる。(ってどの歌の替え歌やねん)移動の車中や休日にお薦めのエッセイ集。がんばっているわね。


「幻の茶器」
斎藤文子 淡交社 ¥1600
織田信長の弟にして、歴史の流れや大成に逆らうことなかったおかげで、結局織田家系を守ることにつながった織田有楽斎の一生はこの本を読むまでなじみがなかったが、茶器の運命の流転も本当に面白かった。茶道の淡交社よりの出版と言うところも好感。


「生涯最高の失敗」
田中耕一 朝日新聞社 ¥1200
日曜版にも著者紹介で出ていました。ご存知ノーベル化学賞受賞者の田中さんが自分を語った一冊。初めてTVで見た田中さんが日を追うごとに自信と言っては失礼だが立派になって(堂々として)いくのが印象的だった。
エンジニアとして生きること、についてが垣間見える一冊。山根一真氏が田中さんたちを「ブルーカラーでもホワイトカラーでもなくメタルカラー」とたとえたのがすごくうまいと思った。

11月10日(月)

「50歳からのお金大全」
村田久 文芸社 ¥1400
シニアを迎え、老後を考える人には興味深い情報満載。
さて、衆議院選挙も終わり、あなたはいくら年金がもらえるか?これを算出してくれるHPを紹介している。
http://www.saveinfo.or.jp/
年金シミュレーション(日本銀行情報サービス局内の金融広報中央委員会)
参考までに本書では、定年時子供が独立していて持ち家ローンも完済近ければ、収入としては25万、貯蓄は2000万あれば幸せらしい。さて?


「天才は親が作る」
吉井妙子 文芸春秋 ¥1700
子育てに必死なときはこんな本読むヒマなかったのねぇ・・・ただしこれは天才アスリートの話。松坂君や清水君などの親子関係を描いている。ただいま妊娠中、授乳中の人にはちょっと気に留めてもいいかも。
p22、万能型英才児の条件
1、生後4〜7ヶ月で母親や世話をしてくれる人を認知。
2、好奇心旺盛な子は2歳くらいで知能が開花。 
3、座る、這う、歩くが他の子より早くできる。しかもアスリートとして大成する子ははだしで育ち、ハイハイもきちんとやってきている。
4、言葉が早く、一語文から長文への移行が一気に進む(抽象的思考の広がり) 
5、欲求不満・痛み・騒音などの反応がオーバー。
子供の能力を高めたいなら
 ・囲碁の幼児教育の方法論で幼児期にくせづける。
 ・どの競技にするか迷ったら水泳か陸上をやらせて基礎作り。
親って大変ねぇ・・・と思ったがすごいのはどの親も楽しんでやってたこと。親が子育ての天才なのかも、と思った一冊でした。

11月7日(金)

「おもしろ金沢学」
北国(旧字です)新聞 ¥1500
一度しか訪れていないが心惹かれる町金沢。老後の?楽しみの為に予習してみる金沢ガイド。秋田からだといくらかかかるか想像できない。旅の予定のある方、るるぶ等はもう買ったという方におすすめの一冊。


「わたしの居場所はここにある」
岸本葉子 マガジンハウス ¥1400
金沢は行かないけどちょっと心がお疲れ、という方に。同年代の女性の共感を得られるであろうエッセイ集。
青春も心揺れるが、40代も自分の生き方、親の老いなどで心揺れるのねぇ・・・と他人事でなく実感


11月2日(日)

「1/2のすすめ」
山崎武也 NTT出版 ¥1400
シンプルな生き方を推奨する本。こんな本を何冊読んでもまず性格を変えないことには実践にはいたらないんだけどね。主婦向けというよりはシンプルな生き方をしたい男性向けの本かも。


「身近な雑草のゆかいな生き方」
稲垣栄洋 草思社 ¥1700
新幹線で出張する夫のために借り。そしたら東京の本屋さんでこれに似た本をどっさり買い込んできたのでちょっとうんざり。この本に罪は無いけど。
ほんわかと癒されたい方、すごく丁寧な雑草君たちのイラストと共に文章もお楽しみください。雑草にたくして人の生きる道などを「清貧の思想」の如く書いているのだけれど、生まれたときから薔薇の人、生まれたときから雑草の人が居ることはどこにも書いてはいません。


「如是我聞」
奥谷禮子 亜紀書房 ¥1700
以前TVドラマの題名で「人間失格」が太宰治の著書と同じで云々、というのがあったが、19歳の双子はTVの方の本を買っていた。これも太宰さんのから、とは奥谷さん本人が明かしている。
自治問題を語れるおばぁになりたい、というのが老後の夢?だが、1993年から10年分の社会を振り返ってみたくて借りた本。問題の本質って今も10年前も変わらないのね、と思う。
p72、ニュージーランドは規制緩和と行政改革で運輸省職員は5000人から57人へ、というのがあったが(1996年)、日本も?!

10月22日(火)

「古くて新しいお金の殖やし方」
佐藤陽紀 かんき出版 ¥1500
このタイトルで借りてしまった私はどこまで良くの皮のつっぱった女でしょう。しかもそれでも完読してしまったわたしはどこまで乱読・活字中毒なのでしょう。
多分一生先物取引とは縁のない私でしょうけど、だれか相場やりたい方、安全確実なのは「金」だそうですよ。


「風の男 白洲次郎」
青柳恵介 新潮社 ¥1700
武相荘(鶴川というところにある白洲邸)におかれていた雑誌の表紙のTシャツ、ジーパン姿があまりにもキマっているので、ナイスミドルの憧れとして借り。
元東北電力会長、白洲正子さんの夫、吉田茂の懐刀、と言う人。これだけの経歴を持ちながらタイトル通り風のような一生を送ったようだ。
司馬遼太郎の本で(多分「坂の上の雲」)、その人が来ると「颯颯と風のような」雰囲気をもつ、という描写があるが、彼の生き方もまさにそのとおりで、それもまた美し、と読みながらつくづく思った私である。

10月16日(木)

「原 民喜」 日本の作家100人シリーズ 人と文学
岩崎文人 勉誠出版 ¥1800
新刊の棚あったこの本を迷わず借りたのは学生時代の郷愁である。
原民喜という作家、詩人を知っている人は若い人には少ないであろう。それでも紫式部、芥川龍之介と並んでシリーズ化されたことは嬉しい。
その生と死、作品、遠藤周作氏の語った思い出を読んだりして20年以上も「哀しみの人」というイメージがあった。しかし、彼に関するどんな評論よりもp87、新婚当時の二人の笑顔(しかも原氏の笑顔)で救われる気がした一冊であった。


「目からウロコの江戸時代」
武田櫂太郎 PHP ¥1300
同居するようになって夫を待ちながらリビングで見るようになったNHK「お江戸でござる」や時代劇。
この本を読むとますます江戸時代の雑学知識が増えるでござるよ。

10月9日(木)

「正解ご無用」
イッセー尾形 中央公論社 ¥1800
一人芝居を演じるイッセーさんらしい器用さで、スピード感(と雑然感=生命感?)あふれるイラストまで本人が担当。よく読んでいくと彼の劇団が学校のように見えてきて面白い。


「遊鬼」
白洲正子 新潮社 ¥1800
本とも「出会いのとき」があるだろう。1989初版のときにこの本を読んでいても当時の自分にはよさは味わえないはず。
白州さんに興味を持ち、交友、暮らしを知ったからこの本の各登場人物が鮮やかによみがえる。
と言う意味ではとてもいい一冊なんだけど、誰にでも、というお勧めも出来ない一冊。
奇しくも白州さんご自身p10、「女は四十にならないと思想が持てない」というバルザック?らしい昔の人の言葉を引用している。
その一方で15年前にすでに瞽女のハルさんの芸を見てp78、「現代の身障者の方が、物質的には恵まれていても、精神的には不幸なのではあるまいか。一方的に受けるだけで、与える喜びを持たないのは、人間として寂しいことである。」とは介護保険のある今、先見の明があったと言えるのでは?

9月30日(火)

「湘南暮らし」
いしいきよこ 東京書籍 ¥1800
「東書といえば数学の教科書」というイメージだったので読んで出版社を見てびっくり!
でも確かに本ノつくりが誠実である(雑ではないという意味です)
読むだけでおおらかな湘南の潮風が吹いて来るような、やはり憧れちゃう一冊である。但しあくまで生活にこだわっている本なので、人気スポットの紹介、とかグルメ本という形ではないのでご用心。でも暮らしの中のうまいもんやいいお店はきちんと掲載。


「ライフイベントの社会学」
片瀬一男 世界思想社 ¥1800
家事に疲れたあなたにはp157〜p158だけでも読んで元気を出して欲しい。あなどれず家事(詳細は後述)
「面白そうじゃん」と題名だけ見てイベント好きの娘が言った。私も社会学という言葉に三浦朱門さんとの息子の話を書いた曽野綾子さんの「太郎物語」を思い出した。
p130 ロビンソンクルーソーは孤島に漂着してからこれまでの自分の生活にどんな+と−があったのかバランスシートを作り、清算してみて+であったことを神に感謝した、というのが面白かった。真似しようかなと思ったが、もし−だったら・・・でも−でも明日があるさ、ということで。
「権威主義的しつけ」は子どものパーソナリティに影響を与え、上司の課監督の下でモノを作るのには従順な子になるが、創造性を要求される仕事は苦手になりがち、というのも目を引いた。
逆にどこまでも手抜きができるけれど、やろうとすればいくらでも創造的にやれる家事こそ自己裁量の多い(=自己指令性の高い)仕事なので知的柔軟性を高めることができる、とはちょっと嬉しいお話。高齢化社会でも侮れず、家事。これは現場者なら実感してるはず。


「あぐり流 夫婦関係 親子関係」
吉行あぐり 素朴社 ¥1400
2003.7.30発行で96歳だからすごい。しかも今でも8人のお客さんを取ってる美容師さん。
見習いたいな、見習えるかな?でもこの人全然家事はやってない。(「ライフイベントの社会学」の日記参照)もしかすると自分の好きな仕事に熱中できるから長生きなのかな?うーん、だとしたら家事はやりたくないし・・・悩める主婦なのであった。

9月25日(木)

「義経はここにいる」
井沢元彦 講談社 ¥1300
一見第一の殺人が「金田一少年の事件簿」やそれこそ金田一耕助のようにおどろおどろしいのでそうなるかと思いきや、「猿丸幻視行」以来8年を経てますます洗練された歴史ミステリーがとても面白く、お薦めの中ではこれがお薦めです。


「デッドエンドの思い出」
吉本ばなな 文藝春秋 ¥1143
やっと出た!と言う感じのちょっと切ない、でも深いばななワールド。今日の朝の番組でもトーハン調べで5位にランキング。
ばななさんが「今までの作品で一番好き、小説家になってよかった!」とあとがきで語っているが、この本は6月の「PEY DAY!!!」と並び今年のマイベストになるであろう。
ばななファンのみならず、多くの感受性豊かな人(あえて若者と限定はしないが)に読んで欲しいまさに珠玉の短編集。
それにつけても「この話が書けたことで小説家になってよかった」という作品を書いたばななさん、まさに小説家冥利、である。でもきっとあの若さだからまた冥利に尽きる本を書いてくれることを祈る。
男の子たちが映画のほうの「ウォーターボーイズ」や前クールのTV「すいか」に出ていた金子くんをほうふつして読んで欲しいな。

9月17日(水)

「女神」
久世光彦 新潮社 ¥1500
白洲正子さんが書いていた「ムウちゃん」こと坂本睦子さんの自殺までの数日と回想を小説風に描いた一冊。久世さんが抑えた文体で描く文壇史とでも言おうか。「文壇」という言葉は今や死語になりつつあるのだろうか?
青山二郎に興味ある人も是非ご一読。
事実ならひどい直木三十五(読んだ人ならわかる)。愛のない初体験の悲劇は今時の世相にも通じるかも。


「十字屋敷のピエロ」
東野圭吾 講談社ノベルズ ¥680
「金田一少年の事件簿」風な筋立てが面白い一冊。
東野氏の実力が垣間見える一冊でもある。ただしこれはかなり昔の物で、今の東野氏は更に大家になっているぞ。
「2030年・・・」と続きこれもまた「玉子魔人」さんたちお薦めの一冊。


「猿丸幻視行」
井沢元彦 (出版社・値段はあまり早く返してしまい確認するのを忘れ・・・)
昭和56年江戸川乱歩賞受賞作。
「2030・・・」「十字屋敷・・・」とともにお薦め本。あと一冊のお薦めも次回に。
猿丸太夫=柿本人麻呂という民俗学的秘密を、なんと折口信夫が解き明かす、という人物設定からして面白く読める。歴史ミステリーというところで高橋克彦氏との接点が。

9月12日(金)

「モモコさんと僕」
林静一 ファラオ企画 
たしか昔ロッテの小梅という雨のCMイラストを描いていた画家のはずだよなぁ・・・と思いながら読み。
僕という若々しい語り口だから、つい7月7日付山田詠美の「僕は勉強ができない」に登場する僕の恋人桃子さんとの話か、と読みたいが全然違う母子物なのであった。
一人の人間の3年ほどの死までの様子、食事を摂らなくなって一ヶ月と3日の様子を克明に描いたじんとくる「別れの本」である。まだ身近に死を知らない大人のための一冊。


「2030年 東北自治区」
半村良 新潮社 ¥1400
行政だけが盛り上がりという声もある青森・岩手・秋田合併や道州制を思い浮かべながら読んだ8月7日付け「玉子魔人」こと高橋氏お薦めの本。
10年前にこれを考えた半村氏はすごい!
2030年東京の人は東北に土地を買って東京脱出、東京は東北に逃げられなかった(貧しい)人たちと移民の街に、という設定。
主人公が今や繁栄している東北を捨てるきっかけになるシーンと、戦いの場面、結末が「そして半年後」とか「一年後」にあっけなく飛ぶのが残念。
主人公が変わることになるp281からの会話だけのつなぎの部分は親子問題、クローン問題など、10年後の今読んでも充分リアル。
結局また東京が息を吹きかえして東北自治区の崩壊を予感させるところがちょっと
くやしい。

9月8日(月)

「軽井沢の風だより」
早坂真紀 中央公論社 ¥1400
「だんなが50歳で退職したら軽井沢に住む準備をしている」という友人がいる。「○○なら単身赴任だったけど仙台だったから受験生の子どもを連れてでも行く」という友人もいた。夫の行く先に妻の幸せもある?この本も内田康夫氏夫人作。でもプロの作家のご本人としたらこう言う言われ方は嫌だろう。ただ内田氏の日常も書かれているので。
20年にわたる軽井沢での美しい日常と移住者としての新鮮な感動が描かれている一冊。
「きっと前世はイギリスの貴族よ」と言い切る好みが面白い。


「ホラージャパネスクを語る」
東雅夫 双葉社 ¥1000
いわゆるホラー作家との対談集。どの作家もなじみがあるだけにリアルに面白く読んだ一冊。読んでいる人には馴染み深い作者の今までや作品への思いなどが書かれているので興味深い一冊かも。
それぞれの作家に共通するのは、言葉は民族文化の基盤であるし、一個人にとっても教養の基盤である(p140)というスタンス。
去年10月29日付けの日記にある「新耳袋」についてもかなり書かれているのでなつかしいビンゴであった。


「不安の力」
五木寛之 集英社 ¥1300
「バカの壁」と並び今年前半売れ筋の本である。それだけ世の中の人が不安を抱えており、どうにかしたい、と思っているのだろう。
その気持ちを軽くすべく、不安を糧に見方につけて歩め、と作者は語る。
不安があると言う事は人間だからであり、心身からのメッセージである、という。たとえば「若さが失われる不安」は、年輪が「増える」と思え、だそうです。
面白かったのは司馬遼太郎の「坂の上の雲」というタイトルに対し、明治期の人々が頑張って頑張って坂の上にたどり着いても、「花や木」ならさわることが出来ても「雲」はつかむことは出来ない=明治期の限界を司馬氏は書きたかったのだろう、というところがなんか納得。


「ひとりが、いちばん!」
橋田壽賀子 大和書房 ¥1500
大和書房さんもこう言う本なら良心的だぞ、と思いつつすぐ読了。
でももしご高齢の方が読むなら橋田さんの文体は読みやすいのではないだろうか。敬老の日に一冊いかが?
さすが、自立した女性は潔いと思った一冊。

9月4日(木)

「話はわっしょれ〜」
中場利一 本の雑誌社 ¥1600
元気が出てきそうなタイトルである。
新刊なのに懐かしいアトランタオリンピックサッカーの記事あり(1996.9月号のナンバーに書いていたのね)、感動をよみがえらせる私・・・
しかもリクエストして借り中(まだ読んでません)の五木寛之さんの「不安の力」の表紙、奈良美智さんに関するエッセイもあってこちらも楽しく読めた。


「まぶさび記 空海と生きる」
篠原資明 弘文堂 ¥1600
決して空海と作者が「まぶダチ(笑)」ということを書いた本に非ず。しかしながら空海について書いた本にも非ず。
京都大学教授、哲学・美学専攻という高学歴な方と空海との私的、心的交感?を難解に描いた一冊。頭がいい人が不思議な体験をすると(オウム、パナとまでは言わないが)宗教に行っちゃうのがわかるなぁ、という感想。
それでも次第に文体に慣れ、日本の滝=西洋の噴水という民族的心性の違いを教えられ、京都の霊源皇寺にあるという茶室「透静庵」(山口陸 2001年ベネディクタス国際建築賞)は見てみたい、と思った。


「池田満寿夫 流転の調書」
宮澤壮佳 玲風書房 ¥2400
急死以来きちんとたどることをしなかったかつて時代の寵児とも言われた池田氏。版画家、作家としての人生をたどる一冊。身近にいたものならではで、実は20年前から疲れると心臓が痛い、と言っていたそうで。それでも版画作品1200に対し、晩年に没頭した陶芸作品3000はすごい。

8月28日(木)

「蛇鏡」
坂東真砂子 マガジンハウス ¥1400
94年の作。高橋克彦氏の柩シリーズのように、日本における神、民俗学的なモチーフを題材にした秀作。
主人公が自殺を逃れられたのも蛇神の計算ずく、神主が蛇神の再生を食い止めるためにしたことが、結局水壕に水が通じる結果になって甦らせてしまった、とまで考えると皿にスケールの大きな仕掛けとなって一気に読ませてくれる。


「パイナップルヘッド」
吉本ばなな 幻冬舎 ¥1200
林真理子さんも書いているので、きっとすごいのであろう、anan編集部美男子「テツオ」氏。
エッセイでも文体がばななさんしていて独特の一冊。好奇心のおもむくまま、という感じ


「おしゃべり12ヵ月」
杉浦さやか 大和書房 ¥1400
リクエストしておいて何ですが・・・
若き西村玲子さんという感じでしょうか。西村さんのほうがイラストはもう少し色合いも人物もロマンチック。
映画を題材にちょっぴりおしゃれな暮らしやグッズを提案しています。

8月20日(水)

「降ります」
中村和恵 平凡社 ¥1400
この本をテーブルに置いておいたら、泊まりに来ていた叔母が「あら、この人の本読んでるの?」と知ってる風な発言。私には初体験の中村さんであったが、「この人って結構過激ですよね」と言ったら、「そーよー!」との答え。
胸がすくほどに過激で自由な発言だが、何と言ってもイラストがおもしろい(ありよりきなこ)。
著者の年齢を見たら一緒に来ていた叔母さんの息子(独身)と同じ年。こんな女の人が多かったら男子、「結婚」という言葉を言えないかも。


「バカの壁」
養老孟司 新潮社新書 ¥680
養老さんなら内容は大体想像つく、と思いながらもついに買ってしまった。
読んでいない人には「バカの壁」とは「スラムダンク」の桜木花道が『耳ピタ』してしまう状況と思って欲しい「スラムダンク」も読んでない方は・・・?
一番の発見は、the appleとan appleの違い。すごく納得のいく哲学的な説明であった。もし英語初心者の子供から質問されたら、是非。
個人的にはp178以降のカースト制はワークシェアリングという発想、ホームレスは日本が描いた理想の状態(働かなくても生きていける)?が一番考えさせられた。


「幸せなフランス雑貨」
稲葉由紀子 NHK出版 ¥1500
養老さんのあとにこの雑駁さ。オールマイティと言うべきか?言わないだろう。
モードの街パリとはひと味違う素朴感あふれる雑貨の紹介と、意外に手仕事に力を置くお父さんという様子を興味深く読んだ。写真も多い。


「50代からの生き方上手」
斉藤茂太 KKベストセラーズ ¥1350
日野原さん風のミドルの生き方指南。
結局は仕事も含め、いかにうまくシフトチェンジできるか、ということのようで。

8月7日(木)

「三度目の正直 玉子魔人」
高橋克彦 中央公論 ¥1750
おかげでこの夏読みたい本がたくさん見つかったエッセイ集。これからお盆休み、実家で、旅先で、本を読むぞ〜、と思っているお父さん、お母さんに。
ちなみに掲示板でも書いたのですが、秋田の図書館明徳館では貸し出し残念でしたが個人的に読んでみたいのは、「モモコさんと僕」林静一、「2030年東北自治区」半村良
「義経はここにいる」「猿丸幻視行」共に井沢元彦、「十字屋敷のピエロ」東野圭吾。


「おしゃれ魂」
岸本葉子 光文社文庫 ¥495
年代が近いこともあって、スパッツの話、バッグの話等、親近感がわく内容。目標はカズの奥様(三浦りさ子様)なんだけどね。(笑)どうしても肩が出せない私。賢明?
今時はエッセイストもおしゃれじゃないと売れない時代?そんな時代にした最初の人はきっと次に日記に掲載する彼女だ。


「文学少女」
林真理子 文藝春秋 ¥1300
今や原稿料と講演料自らの力で美しさも夫も子供も「手に入れた」観のある林真理子さんですが、9年前のこの小説では自叙伝風なちょっと地味めな主人公と本屋さんのお母さんを描いている。この一冊で過去の自分と実家に一線を引いたのかも。

8月1日(金)

「高橋克彦 大沢在昌 宮部みゆき 井沢元彦対論集」
有学(旧字)書林 ¥1500
井沢氏が他の3者と対談したあと、井沢氏と編集部の対談で作品について、仕事についてそれぞれ語った本。
8年前の本だが相当のファンが読んだのだろう、誤植(p59、p106など)に鉛筆で○がついているのが図書館本なんだけどほほえましい。
宮部さんの天才さ、井沢氏の才気煥発さが際立つ。
7月25日夫が出張帰りにで寄った八重洲ブックセンターで井沢氏がサイン会をやっていた、とのこと。読んでいる最中に「井沢元彦って誰?」と聞かれ、ビンゴ。いやこれこそがミステリー?(笑)


「大人の女のこころ化粧」
尾崎左永子 二見書房 ¥1700
第二部の源氏物語からの引用を多用した部分は素養がないので難しかったが、前半はまさに「身だしなみ」の大切さを丁寧に描いている。こう言う風に暮らせたら・・・と思いきや大雑把な日常の私。
帯の4行がド迫力。
「映え映えしい女は寵愛を受け
たしなみが奥ゆかしい女は丁重に扱われ
装いが艶やかな女は衆望を集め
聡明な女は名望を得る」

7月24日(木)

「面々授受 市民久野収の生き方」
佐高信 岩波書店 ¥1700
このタイトルは佐高氏いわく、「直接対面して教えを受ける」という意味で、大学時代の佐高青年が久野氏の授業を受けに他大学まで聴講に行ったのみならず、後々まで続く二人の様子が「薫陶」という言葉そのままで、うらやましい一冊である。
尊敬できる大人との出会いはいつの時代にも変わらず大切なものではないだろうか。
そしてまた、一読者の側から見ると「立場を超えて時代にたちむかって生きる(表紙の言葉より)」久野氏の姿勢も感じることのできる一冊である。


「犬儒派だもの」
呉智英 双葉社 ¥1400
やはり人気の作者だけあって今年4月に図書館に入ったのにすでに古びている(もしかして誰か何かこぼしたのか?)
そう、面白いのです、シニカルで。(犬儒派とはシニカル、ということだそうで。
以前この読書日記でも取り上げた超極端哲学者、中島義道氏の「うるさい日本の私」にも触れる部分あり。

7月19日(土)

「ヴィラデスト菜時記  暮らしの輪郭線」
玉村豊男 毎日新聞社 ¥1800
筆者自ら描いた美しい絵と共に楽しませてくれるエッセイ集。癒しの一冊とはこのことを言うのでしょうか。


「こつこつ働いても年収300万 好きなことだけして年収1000万」
キャメル・ヤマモト 幻冬舎 ¥1200
幻冬舎にしては珍しい内容の本じゃん、と思ったら「知的ライフスタイルを実現するための新シリーズ」とか。
そうそう、この本も「めざせ、シリコンバレーの起業家達」という人が読んでこそ。じゃないとこれから仕事につく人は働くのが馬鹿らしくなるし、¥300万組の大多数の人たちはむなしくなるぞ、きっと。じゃあこつこつ働いちゃいけませんか?と問いたいのが今の日本じゃない?


「重文民家と生きる」
全国重文民家の集い 学芸出版社 ¥1800
重文民家、とはお城やお寺じゃなく、民家にして重要文化財約350軒のことです。
各地の民家をメモを取りながらようやく読了。
老後の楽しみに?古民家巡りもおもしろいかも。でもこれからを担う若い子たちにこそ味わって欲しいもんだよね。夏休みの自由研究にもおもしろいかも。
お近くに重文古民家ある方は是非我が家のHPに画像登校してもらいたいものです。
木村家の手始めは田沢湖町の草なぎ(スマップのほうの)家か?
なおこの本によると、平成14年現在で一番多いのは     県。(意地悪)
意外と多いぞ神奈川県、触れてなくてかわいそうだぞ、九州地区、でした。

7月7日(月)

「クセになる店 それっきりの店」
磯貝ありさ TBSブリタニカ ¥1500
主婦1007人にアンケート、という内容の本で、知っている店が掲載されているかと思い、借り。
結局人気があるのは、立地と店員の質、店の雰囲気、ということで。


「○○○○○○○」 
○○○○ 集英社 ¥1700
めったに読んだ本に文句はつけないようにしているので今回はあえて書名も著者も秘密ということにします。
タイトルに惹かれて借りた私が軽率でした。
内容がまったく理解できないのはきっとシュールに付いてゆけない私のせいでしょう。
でも3作とも無理に意味深に作った感じがして今一つ。
でも、集英社だし、初出も「すばる」「文藝」だからきっと人気はあるんでしょうね、他の人には。


「ぼくは勉強ができない」
山田詠美 新潮社 ¥1200
HARUさん、読んでみましたよ。
高校生〜大学生の男の子にとって、(年上の)いい女との出会いは少年を大人に変える(サッカーみたいですね)、というもしかしたら心理学的に不滅のテーマをとてもいい主人公を出して描いている。世の中のお父さんだって読みなさい、と思った一冊。重松清高校生版、てとこか?
でもこの年頃の男の子は「年上の女にもてあそばれたら」トラウマになっちゃうんだろうな。さて今日のタッキー主演の月9新ドラマは「魔女の条件」になってしまうのか?
子供が高校のときのおすすめの本ということで一覧に入っていたが高校生諸君是非。

7月1日(火)

「PAY DAY!!!」
山田詠美 新潮社 ¥1500
魂の救済という難しい問題を身近で親しみやすいモデルを使って仕上げた自分としての今年度ベスト10に入るであろう秀作。
一人一人の登場人物の心が明晰で、ヒットしたのがわかる。
ロビンの友達のミシェールが17歳でもすごくいい!17歳にこんな友人がいたら17歳たちの人生は変わるだろう。がやがや広場でも書いた彼女の名言。
p221「(ロビンの恋人)ショーンのマミーはいい感じだわ。(中略)見てよ、あのすごい笑い皺。でも彼女、眉間には全然皺がないのよ。」
NYの貿易センタービル爆破が始まりとなっていてそれもまたリアル。


「大原照子のシンプルライフ術」
大原照子 大和書房 ¥1400
書き出しがどうも以前の本でも読んだような、いやもしかして一度読んだのでは・・・と疑いながら読了。
マンション一人暮らしの友人が呼んで実行しなくちゃ、と言っていたシンプルライフ。
でも歳を取るほど物W捨てるのは難しくなるのよね。これって日本人が歳をとっても煩悩だらけ、ということなのかしら?そうかもね。


「死の骨董 青山二郎と小林秀雄」
永原孝道 以文社 ¥2800
いやー、学生の頃に小林秀雄読んでいて良かった−!とつくづく思ってしまった。
彼の著作から仲原中也、ドストエフスキー、ゴッホ、などなど辿ったものだ。今の若者は誰に影響されて文化を高めるのだろうか。
骨董への見方が青山は今生きている人との交流の為に、小林はこれを作った過去の死者へ(生産者を尊ぶ考え)という視点が目新しかった。
p61青山二郎の人生は、決定的に生産を欠いている。(中略)小林が許せなかったのはこの一点だった。
耳が痛いね、現代人には。

6月22日(日)

「瓦版 川越今昔ものかたり」
龍神由美 幹書房 ¥952+税
高校のクラスメイトが書いた川越市観光案内を一冊にまとめた本。単なる案内に終わらず、地元ならではの観点から丁寧に取材されており、川越市を訪れる観光客にはユニークな瓦版だったことだろう。
注目はこの本、うしろに英語でも書かれている事。川越を訪れる小中学生のサブテキストにもよいなぁ、と思った。逆でこの本で学習してから川越を訪れるといいのかな。
別の友人Kさんが紀ノ国(旧事体)屋で手に入れて送ってくれた嬉しい本。改めて友達の輪に深謝!
家康、江戸幕府とのつながり、幕末の商業の様子などが生き生きと描かれている。
個人的には童謡「通りゃんせ」のルーツか?と言われているらしい三芳野神社と伊勢物語の関係、今は埋められているという日枝神社の無底坑。何故埋められているのか?川越は埼玉の六郷町か?(湧水つながりです)


「おひとりさま」
岩下久美子 中央公論社 ¥1400
心理分析の本としても面白い。何故心の自立が出来ないのか?読んでいくと思い浮かぶ顔、顔、顔。
難しい問題も分かりやすく説明。ちなみに著者は「おひとりさま推進委員会」を主催。HPもあり、だそうで。


「真剣師 小池重明」
団鬼六 イーストプレス ¥1800
44歳で亡くなった真剣師小池しが何故強いのか?という分析はあまりに天才すぎて出来ない、というのが団氏の結論か?これを読むと「天才は99%の努力と1%の才能」という言葉がむなしくなるかも。だって将棋を捨てていても戻ると無敗になっちゃうんだもん。
しかし、一市井人として生きることは全然できない、という点で天の配剤は公平、というべきなのか・・・書いている自分もむなしいわ。
かつてのNHK朝ドラ「ふたりっこ」を髣髴。
でも逆に考えれば、彼のほうでも家庭の幸せや愛を求めすぎなければ生活破綻者とはならなかったかも。

6月12日(木)

「魔法と猫と魔女の秘密」
正木晃 春秋社 ¥1800
小林郁さん(とあとがきで知った)の素敵なタッチの魔女と猫の表紙に惹かれて借り。色のぼかし方がいわさきちひろの絵風なのだ。
内容はタイトル通り魔女とアニメの解析。
p106インドの仏教は13世紀に滅んだ代りに外へと広がったことについて、キリスト教同様、生まれ故郷を追われることでむしろ世界宗教になれた、人間もまた然り、というあたりは鋭い洞察


「ひたごころ」
白洲正子 ワイアンドエフ ¥2300
大変読み応えあり、白州さんのよさが発揮された一冊。
p178一人っ子の河上徹太郎氏について、「人間は誰でも自分で出来上がった様な顔をしているけれど、環境と言うものにどれ程支配されたか解らないものである。問題はそれをどうこなすかという事にある。生活に支配されるか、または生活を支配するか。」とは現代でも考えておきたい思い言葉である。


「生きる知恵を学ぶ」
栗田勇 岩波書店 ¥2200
この年齢で読むとすでに人物伝として読める一冊。個人的には空海ばかりで最澄についてあまり知らなかったのでそこは良かった。ちなみに学ぶべき先人は掲載順に一遍、最澄、世阿弥、白隠、良寛、利休、芭蕉。ちょっとユニークな人選でしょ。

6月2日(月)

「安藤忠雄 建築を語る」 
安藤忠雄 東京大学出版 ¥2800
講演会の記念?に、娘Aに自慢、と思って購入。安藤さん自らサインしてくださって二種類の著書を売ってらしたが(早く行った人ラッキーでした!)、もう一冊はすでに一昨年(になってしまた!)の11月4日の読書日記に登場した「連戦連敗」。
講義の集大成、というので最初は買う勇気が出ずに通り過ぎたが、買ってみたらかなり読みやすい。それだけ安藤氏の作品にも関心があったから、ということか?東京駅ステーションギャラリーにも行ったし。
ひとつ疑問はヴェネチアの建築でミズへの工夫を述べていたのに、日本の宮島への言及がなかったのは興味がないのか、素材が違うからか?安藤さんの宮島への意見も聞きたかったな。


「年ふりて」
今井幸代 京都新聞センター ¥1143
友人Mさんから「秋田北高の生徒と著者の交流が書いてある本」と言われて借りた一冊。これと稲庭うどん製造元との交流を熱く語った一冊。実名であり。
由緒と地位ある京都の女性のこれまでを振り返った本。
情感たっぷりの独特の文体に好悪が分かれる一冊かも。


「私、映画のために一億五千万円集めました」
益田由美子 角川書店 ¥1400
主婦のやる気でイランと日本を舞台にした「風の絨毯」ができるまで。
おっと公開はこれからのようで。
映画の公開前にどうやって出来たかなんていう本が出ちゃう時代なのね。これも営業の一貫だとしたら偉い!

5月19日(月)

「味くーたー沖縄」
プードゥーハウス 小学館 ¥1300
不思議の国バリに行く前に?(まだパスポートもないくせに)やはり沖縄で予習しておくべきか・・・と思ったほどの独特の文化。
やはり「ちゅらさん」における人間関係はかなり実話か?と思ってしまう私でした。興味ある人にはためになるかもしれない一冊。沖縄に関するばかりではなく、
p108「若さというのは未熟である。経験不足である。しかし世の中には、『人間性』の      促成栽培を可能にする(前後の説明としては、若くてもきちんと豊かな人間性を     もっている、ということです)秘薬のようなものがあるのだ。それが「伝統」という     ものなのである。」
は子どもに関してばかりではなくあらゆる場面で教育力をなくした今の日本では至言ですよね。


「本日も夢見ごこち」
夢枕獏 あんず堂 ¥1600
かわいい名前の出版社。一般的なエッセイ集だが、格闘技編、玉三郎編などはさすが広いご趣味。逆にこの部分、人によっては完全に読み飛ばしになるかも。
それでもこの本を読んで団鬼六の本をリクエスト。


[SLY」
吉本ばなな 幻冬舎 ¥1400
原マスミさんの絵とエジプトの写真が巻末に沢山あります。エジプト旅行の風景をベースに書いたばななワールド。
私よりずっと若いけど青春について
p23「あの頃の自分を思い出すだけで心に生き生きとした何かがよみがえってくる。彼    は(中略)過去という名前の美しい鉱物を閉じ込めた水晶みたいな人物だ。
の部分は彼を青春という言葉に置き換えてみるとすごくうまい描写で、若くてもこう描けるから作家なのであって・・・・と沖縄(前述の日記参照ください)の促成栽培を思い出す私であった。

5月15日(木)

「介護もアート」
折元立身 KTC中央出版 ¥1440
NHKの番組でも取り上げられたが、折元氏のお母上がビッグシューズなる超厚底靴をはき、ステッキをついてすっくと立っている姿は印象的な画像だった。
秋田のグループホーム(惇慧会グループホームサラ)でのビッグシューズを通した入居者、スタッフとの交流が掲載。
パフォーマンスそのものは素人にはわからないが、「楽しいことは思い出す」というのは本当である。
p217(もしお年寄りが鬱状態になっていたら)気分転換には入浴が一番とか。偶然読んだ他の本(読書日記に後述)にも同様にあり。覚えておこう。


「秋田県の不思議事典」
野添賢治編 新人物往来社 ¥3000
国指定天然記念物は県内に14あるけど、その6つが大館市にある(1つの市で6つも!ということ)がすごい!と言っているが、まさにそのとおり!もっともっと市民は誇ってもいいがんばれ大館!である。もちろん他にも興味深い話は満載。


「荻原博子の『金持ち』への道しるべ」
荻原博子 講談社 ¥1300
結局デフレの今は素人が変な投資をするより、資産を減らさぬよう寝かせておくこと、が結論のようで。でもその資産がない人は・・・?までには言及がないのが哀し。


「サラリーマン,OLの生き方事典」
サラリーマン再生委員会 NHK出版 ¥1800
既にOLではないせいか?(ってOLやったことありませんって)、読むのに妙に時間がかかってしまったが、QA形式であてはまるところがあるひとには読みやすい内容かも。


「コーディネート・秘密の法則」
押田比呂美 KKベストセラーズ ¥1400
数多く出版されているおしゃれセンスアップの本の中でも旬のスタイリストの作だけに実用的で手元に置いても損はない一冊。
「読み終わったときには本棚ではなくクローゼットの片隅に置いてください」という作者のメッセージは名言。


「パーキンソン病を治す本」
安保徹 マキノ出版 ¥1300
みのもんたの昼のTVのような一冊。
しかし以外に発症率の高いこの病気。若くして発祥された方の中には遺伝性?と思ってしまいそうな質問を医師にされたりするとか。
爪もに、ツボ押しに始まり、運動、入浴(「介護もアート」でも勧めていた)、笑い等、さまざまなアプローチを展開。

4月24日(木)

「プリズムの夏」
関口尚 集英社 ¥1400
「秋のプリズム」という詩集を自費出版した友人がいた学生時代。
「プリズム」の持つ繊細で不均衡な美しさは、やはり「青春」ということなのだろうか。
恩田陸「ネバーランド」も思わせる少年達の夏の物語である。
すばる新人賞受賞作で、五木寛之氏が最近の小説とひと味違う「まっすぐさ」をほめている。


「ジーコジャパン・ザ・ビギニング」
セルジオ越後 講談社 ¥1500
もちろん前回のW杯のセルジオ的総括と、先日の韓国戦まで勝ちのなかった(永井君、やったね!)新代表と監督にも言及。
サッカーを愛するセルジオさんの情熱が伝わってくる。
p119、それにしてもW杯というものは「人」によって「国」が光るイベントだということを強く感じる、とは至言ではないだろうか。


「はじめての結婚」
秋元康 柴門ふみ 大和書房 ¥1200
そうよ、そうよ、と読み進んでいくうちに、これって二人が手を替え品を替え「妻の立場」は確固たるもの(だから多少の浮気は我慢しましょうね)と諭している感じ〜・・・
でも未婚の人にはいいバネになるかも。
そしてp171秋元さんの感性を磨くに関する一節は一読の価値あります。自分で考えることなくマニュアルに頼る、ということは便利なようでいてかえって成長を止めている、と言う意見には自戒を含めて納得させられます。


「お笑い裏グルメ帳」
畠山健二 双葉社 ¥1300
下町ということで、庶民にぐっと身近で、現在放送中の朝ドラ「こころ」の舞台浅草あたりのうまいもん屋がてんこ盛り。
下町の人情描写も住んでいる人ならでは、の文章。


「父たちよ家へ帰れ」
宮脇檀 新潮社文庫 ¥438
最初に読んだときと、亡くなった、しかも解説で友人の建築家が「故あって病床にいる」「それにしてもちと病院暮らしが長過ぎないか」と言う文が今となってはリアルすぎる。
そして久しぶりに読み返しても、スタイリッシュな氏の男の子育てと仕事の両立は職住一緒にしていたとしてもあまりにもハードだったのだ、とつくづく思う一冊。

4月15日(火)

「五月の寺山修司」
シュミット村木眞寿美 河出書房新社 ¥1600
タイトルと寺山氏の存在そのもののように、ちょっと不思議な個人的回顧録。
それにしても寺山さんって47歳で亡くなったのねぇ・・・それにしては密度の濃い一生だったのね、と遠い目。


「火の粉」
雫井脩介 幻冬舎 ¥1600
無罪という判決を自ら下したことにより高まってゆく疑心と恐怖。新しい手法の犯罪小説である。
犯人が最初からわかるので謎解きというよりはホラーと思って読み進んで欲しい。
主人公の裁判官の性格を「お公家根性」と言い表した他の登場人物の分析がうなづけて意味深。


「いい加減 よい加減」
野村万之丞 アクセス・パブリッシング ¥1300
パーフェクトなアメリカ文化を実現しようとするT・D・Lで餃子ドッグが売れているのが表題通りの日本の象徴、というところは妙に納得させられる具体例だった

4月7日(月)

「加藤シヅエ 凛として生きる」
加藤シヅエ 加藤タキ 大和書房 ¥1700
104歳の加藤シヅエを生かし、最期を送らせる、ということは巧も周囲の人が大変なのか、と愕然とするかもしれない一冊。巻末の瀬戸内寂聴さんとの対談でも語っている通り、「自分が費用を稼ぎますから、実際の介護はプロの人たちがチームを組んでやってください」と宣言したタキさん。結局死に目には会えなかった。この「チーム」が現実の家庭では難しいのが現状ですね。


「仕事と年齢にとらわれないイギリスの豊かな常識」
井形慶子 大和書房 ¥1500
もし日本がこのままの閉塞感なら是非読んでみて、の一冊である。
イラク攻撃に際しても今やブッシュさんより声高な感じのするブレア首相だが、これを読むと、個人の暮らし振りは教育の現場でも福祉の現場でも昔学んだ「ゆりかごから墓場まで」が今も健在なイギリス、という感じがする。
一番のポイントは国の政策でなく国民意識にもありそうだ。
p12日本のゆとり教育に感する一文も同感。


「造景する旅人 建築科吉田桂二」
大庭桂 風土社 ¥2400
この読みごたえなら満足の一冊。
建築科吉田氏の心と才能が鮮やかに描かれ、興味を惹かれる。
読んだら折角だから親戚のある古河の歴史博物館、文学館等にも行ってみようか、と思うほど。あとは加茂サッシなる建材にも興味津々。


「白洲正子 ほんものの生活」
白洲正子他 新潮社 ¥1500
旧白洲邸武相荘オフィシャルブック 
2月の受験期の付き添いの合間に先輩受験ママのお薦めに従い鶴川に行ってみました。思わず次郎さんの方の本も買おうかしら、と思ったほどご主人もスタイリッシュ。
正子さんの生き方はなかなかできないけどね。あこがれます。

3月22日(土)

「ブラームスは奥秩父の匂い」
齊藤静雄 悠々社 ¥2000
内容よりも巻末の「50歳過ぎて個人でコンサートサロンを建ててイベントをスタートさせた」という経歴に感動。
著者の文章が理解できるほど音楽には明るくないが、作曲家(音楽)とそれぞれの山の佇まいは本当に美しく描かれているから、行ったことのある人、曲もすぐ頭に流れる人にはすごくいい本。
個人的に山の描写で最近感動したのは高村薫「マークスの山」です。


「勝見洋一の美食講座」
勝見洋一 海竜社 ¥1500
読んでるだけで食べてる気分にさせられたから著者の文章は上手い、ということだろう。いや、むしろ味に対する理解がきちんとこなれているから文体も自然体で書けるということなのではないか。肩肘張らないグルメ本は嬉しい。


「知恵」
寺垣武 実業之日本社 ¥1200
防災上から見た電柱の地下埋設、ひいては昨今の対イラク戦への「雰囲気」発言のルーツは(もちろんこれを書いた時点で小泉氏のこととは関係なく雰囲気ということで捉えているのだが)日本人の国民性かも(p79)など、技術は経済のためでなく、あくまで人のため、を基本に語る「知恵」の本。
ある意味、現代日本への警鐘ともなる一冊。
「私がやってきた仕事は結局商売ではなく、人生そのものだったかもしれない」(p211)は至言。

3月15日(土)

「北斎の罪」
高橋克彦 天山出版 ¥1200
何を隠そう、「竜の柩」の核となる「龍の伝承」が収録。巻末の解説もすごく丁寧。「竜の柩」を読んだ人には面白さも倍増、かも。他の短編も彼らしく仕上がっている。


「クロスファイア」上下
宮部みゆき 光文社 各¥819
現在OLのお手本としてドラマでも活躍中の矢田亜紀子ちゃんが主演で映画化。ちょっと当時は年齢差があったと思うが(矢田ちゃんが若かったため)、宮部さん描く主人公の顔のイメージはぴったり。もちろん内容も面白い。
帯の「美しすぎる容姿、優秀すぎる頭脳は、その持主にとって、時に呪いともなる」とは奇しくも娘Bの卒業式で担任の先生がはなむけにくれた言葉に似ている。「頭脳(能力)の正しい使い方」を力説してくれた。そのときは親として本当にいいこと言ってくれた!と感心しました。


「小顔・小アゴ・プルプル唇」
竹内久美子 文藝春秋 ¥1286
あらゆる疑問に?動物行動学から解答を与え、読者にう〜ん、なるほど、と妙に納得させる一冊。薀蓄好きなあなたにもきっと面白がっていただけるはず。

3月6日(木)

「王国」
よしもとばなな 新潮社 ¥1100
久しぶりのばななワールド。この作品から吉本をよしもとと変更。
サボテンと予言を巡る不思議ワールドだが、植物と人間の交感というのはたくさんの人が共感できるのではないか。結局人間も自然の一部ということかも。
p27の夜の描写がとても美しく、かつての作品群での南国の夜とうって変わって山の夜だが秀逸。ここを書きたくてこの作品を作ったのでは、と思うほど。


「アンダーグラウンド」
村上春樹 ¥2500 講談社
「海辺のカフカ」を一緒に読んで村上春樹に目覚めた主婦仲間Mさんより借り。
読んだ友人はそれまで一切春樹ワールドに染まってなかったので「カフカ」とのあまりの違いにとまどっていたが、これは地下鉄サリン事件の被害者のインタビューを取材してまとめたルポ。これって「現実は小説よりよっぽどスリリング!」の証明?!
「木村さんの実家の白岡の人とかそっち沿線の人も結構載ってるよ」と言われ、あらためて被害が恐ろしくなる。そして読んでもっと怖くなったのは人間のつながりの希薄さと被害者を乗せた車、服を捨てずにクリーニングした店などは二次災害にあってないのか、全国に散らばってないのか、ということ。すごい分厚い本でした・・・

2月27日(木)

「ねじの回転」
恩田陸 集英社 ¥1600
やはり、というべきか、不勉強でというべきか、2.26事件について詳しくないので、久しぶりの恩田ワールドなのに味わい切れなかったのが残念。
アルベルトは「ネバーランド」の天才理系少年を髣髴。統だっけ?
それでも終末のマツモトの行為はやはり陸さんらしいウマサがあって、ちんぷんかんぷんに我慢して読んだ前半の苦労が報われたって感じ。
一番共感できたのはp321『人間は生物として進んでいるのだろうか、衰えているのだろうか』というフレーズ。いろいろなものを見たり、聞いたり体験する度に自分もこれを基本に考えるようにしているから。


「痴呆症はここまで治る」
小阪賢治 主婦と生活社 ¥1100
ちょうど現場で痴呆が進行していたのに離れていた身内が気付かず、高額ローンの引き落としで・・・というTVさながらの人がいらっしゃるので(気付いた娘さんが介護保険の申込み)読んでみる。
もし親が一人暮らしでこの頃ちょっと心配な方は「ゴミの分別」がきちんとできて、捨てられているかどうかうちに行ってご確認を。昨今めざましく変わる分別、捨て方、曜日に結構往生してらっしゃるかも。少しでも予防したい方はカレンダーを大いに活用するようにしてあげてください。
秋田のお年寄りの安全を確保したいと本当に思うなら反射式ストーブはやめてエアコンならベストだが、せめてヒーターにしよう。留守にするときペットに冷房をつけてやって(という話をTVで見た)、離れて住む親は反射式、は『生物として進んでいるのだろうか、衰えているのだろうか』って考える必要ないよね。


「黄金時代」
フローラン・ダバディー アシェット婦人画報社 ¥1500
妖しげな表紙はいかにもフランス人?W杯でトルシエ監督の隣にいて熱く通訳をしていた人、と言えば思い出すだろうか。
小宮悦子、中西哲生、村上龍各氏との対談集。そろそろまたサッカーの季節、だし。


「定年ゴジラ」
重松清 講談社 ¥1800
NHKのドラマでもやっていました。
少年時代を描くと秀逸な彼の「定年者たちの長い休暇の過ごし方」。
これって東京のニュータウンだけでなくうちの近くもそうなってるかも。
くぬぎ台(というニュータウンが舞台)ツアーの章がいちばんほろりとくるはず。

2月17日(月)

「有利子」
幸田真音 角川書店 ¥1500
専門家若しくはその道でかつて働いていた人の書くいわゆる「現場物」小説はどうしてテンポ良く一気に読めるのだろう。
有利子と書いて「ありこ」と読むヒロインだが、もちろん金融関係小説で、この時代に「ゆうりし」をもじったとはおもしろい。
始めて呼んだ経済エンターテインメントだが、内容の面白さもおすすめ。


「小説 小栗上野介
童門冬二 集英社 ¥1900
夫が「借りて」と言うのでリクエストして先読み。なぜ?と思いながら読了。
同じ幕末に生きながら、勝海舟、渋沢栄一などよりは少し印象薄かった彼だが、「もし彼の言うとおりに戦っていたら新政府軍は江戸幕府に敗れたであろう」と言われる賢い人。戦略ももちろん、政策、外交オールマイティ。しかし就いた先か時代が・・・
ただ童門さんの本はどれも少し盛り上がりに欠けると思うのはまだ読みが足りないからか?自分の意見を述べてしまうところと創作の部分が分かれすぎるので司馬遼太郎の読後感というわけには・・・

2月11日(火)

「ガラクタをちゃぶ台にのせて」
さえきあすか 晶文社 ¥2000
10歳も下の作者なのに老成していらっしゃるのは骨董好きなせい?実家はs55に電話がついた、というのは本当だろうか?遠い昔のようで思い出せないがそんなに電話って普及してなかったっけ?
平和でのどかな写真もレトロ感ただよう一冊。


「アメリカ留学体験記」
田臥勇太 日本文化出版 
先日も県立体育館を満員御礼にした、あの能工の田臥のアメリカ生活が描かれた一冊。渡米は加藤監督の強い勧めだったのね〜・・・「お前は日本で学ぶものはもうない」って「スラムダンク」のセリフのよう。
やはり田臥がいた3年間の能工が一番華があったわぁ・・・とつい遠い目になる一冊。
それにしても「できる者」には手術費大学持ち、奨学金も出します、っ徹底的に優遇してくれる国「アメリカ」を実感する一冊でもある。


「市民協働のまちづくり」
山田晴義 本の森 ¥2400
仕事で使うので購入した夫と借りてきた自分と同時進行で同じ本を読む不思議さ。一主婦ならこの値段になったら買わないかも、というわけで図書館に感謝。
高三で人生の岐路にたつ立つ娘を持ち、気になるのは中高時代の就職志望者の仲間の進路。双子も大学後の就職を考えれば先送りしているだけかも。なかなか決まらない現状につい図書館で手にしてしまった一冊。
♪日本の未来は?秋田の未来は?どうなる?どうする?


「海辺のカフカ」上下
村上春樹 新潮社 各¥1600
「死国」「黄泉がえり」板東真砂子を思い出しつつ「春樹ワールド」に味付けされた作品。田村君とナカタさんがどこで交わってゆくのかな、と思いながら読んでいったら、違う形で解決。冒頭でナカタさんがナカタさんになっていった原因があまりよくわからないのが少し不満。でもこのホンが大ヒットなのはとても良くわかる。
カフカってチェコ語で「カラス」だったのね。最後のほうでやっと冒頭からの「カラス」の存在を納得。
カーネルサンダーズ(本文のとおり)おじさんのセリフが実はすごくユーモラスで、ホシノ青年が変わっていく様子がすごくいい!そしてホシノ君はいいやつです。
最後のほうのキーエワード、に「風の音を聞け」って「風の歌を聴け」につながるようでますます良かった。 

1月28日(火)

「京都現代建築ほめごろし」
洛中建築膝栗毛隊 洋泉社 ¥1600
京都駅のことも載っているはず、と思い借り。寺社でなくしないのさまざまな建物がわいわいと取り上げられており、これを見ながら京都見物というのも面白いかも。特にタイムズ。by安藤忠夫


「組織をだめにするリーダー、繁栄させるリーダー」
フランチェスコ・アルベローニ 草思社 ¥1500
さまざまなリーダーをあてはめながら興味深く読んでみた。
さて、日本の閉塞感を打破してくれるリーダーは何処に?
リーダーとしての資質(カリスマ性)は仲間に夢を見させ、徳性を備えていることは必須とか。それでいてカリスマ性の多くは生来のものであり、7歳の子供を見てもわかる、とは。それは元気、というだけではないそうで。元気なだけならジャイアンじゃん。by「トワイライト」
ちなみにカリスマ的リーダー性、という言葉はマックス・ウェーバーが始めて使ったらしい。


「ニューヨークからきた猫たち」
椎名誠 朝日新聞社 ¥1300
初出は’97なので今の椎名さんはわからないが、呼んでいて「これはいけないぞ」と危機感を持った一冊。変なたとえかたかもしれないが森瑶子の最後のエッセイを読んだときのような体調(ここでは心?)の悪さが文体から伝わってくる。
かつての皆でわっせわっせというおおらかさより孤独感のほうが気になる。
しかし「元旦の宴」だけは重松清「トワイライト」の世界だった。

1月20日(月)

「明日、月の上で」
平安寿子 徳間書店 ¥1800
恩田陸にはまった年もあった(今ももちろん好き。土曜6時には教育で「6番目の小夜子」再放送してますね)。YUKAさんとの、高橋克彦同好会!?もできた。
そして去年夏から「平安寿子さんを知ってよかった!」
リクエストをしてまで借りた一冊だったが、文体の勢いがやはり好きだ、とつくづく味わえた一冊。


「『したたかな女』でいいじゃない」
ケイト・ホワイト PHP ¥1550
不思議なのはアメリカ女性の書いたHOW TO本のほとんどが「仕事で知り合った○○」とか「友人の××」と身近な実例を出すこと。
これって日本人が同じ描き方をしたら「鈴木さんは・・・」とか「佐藤さんが・・・」と書いてるようなもの。はたしてこのような書き方をして読まれるかな?と思う。


「『長女』のための本」
多湖輝 新講社 ¥1300
まず珍しい出版社ね、と裏表紙を見て思う。
長女であることを損と思わない社会を作ろう、と作者がくれたエールに共感する長女は多いかも。
家は双子だがこれを呼んだ行くとやはり、「長女でもあり、次女でもある」二人だな、という印象だった。お得ね。

1月14日(火)

「すべての日本人は出身県で終わる」
矢野新一 角川書店 ¥1100
「もしかしたら他県に巣立ち、他県の人と結婚するかも(親ばか日誌?)」しれぬ娘を思い?!借りてみました現代の県民性の本。統計資料も多く駆使。
秋田県の県民性はさて?ま、自分のところは今さら学ぶことは無く・・・


「さくら日和」
さくらももこ 集英社 ¥1000
この本を読むと著者の父「ヒロシ」はまるちゃんの時代から今に至るまで「ヒロシ」してるのね、と思う描かれ方なのであった。
プライベートだが、と言いつつ、ちょうどこの本が出た頃「よかったね!おめでとう!」とまるで結婚式の祝い言葉のように言われる離婚をした著者、一体どんな相手と結婚したんだ?と勘ぐる。ま、両親と住んで保育園の送り迎えはやってもらってるみたいだし、うちで稼げる仕事だから(J・Kローリング風?)やはり「おめでとう」なのか?と思った。
タイトルのわりにハードな感想ね。


「おしゃれは大事よ」
大橋歩 マガジンハウス ¥1300
クロワッサン連載エッセイ
花盛りの女子高生のおしゃれへの力の入れようを見ているとたしかにおしゃれ=努力に通じるかも。
スカートもはきたい留美子です。


「男には男の家事がある」
沖しげる・沖幸子 プレジデント社 ¥1400
決して久しぶりの風邪で立っていられなかった時の夫の姿を思い出して借りたわけに非ず?!
フラオ・グルッペ(家事、掃除代行業の草分け)社長沖幸子さんの御主人だったのねぇ、という感じでちょっと覗き見的に読み進むが、理論武装しないと家事への重い腰は上がらないのがキャリア男性(50代で通産省を退官)なのだろうか?
そしてここでも語られている男女共同参画社会とは、さて?どうなることなんだろうね。

1月11日(土)

「ハッピーバースディ」
新井素子 角川書店 ¥1600
メロウメタルな装丁がまず良い。
偶然読んでみた本、聞いた音楽でも意味もなくぱーっと霧が晴れたように元気になる作品がある。最近では桑田さんのCDよりなぜかウィンズ、本ではこれ、だった。
祐司君とお母さんのやり取りをげらげら笑って読んでいたし、主人公の作家、茗ちゃんはどう収拾をつけるんだろう、と思ってはらはら読んでいったら、タイトル通りの結末で両者が救われ、ほっと安心。


「総門谷R 白骨編」
高橋克彦 講談社 ¥1400
白骨編も出たのねぇ、と勇んでリクエストして来た本。
「星封陣」「竜の柩」と構成パターンは似ているが、「超伝奇」と銘打つだけあって、日欧の歴史的人物が皆不思議パワーを持つ人ということにしてあり、こいつぁ春から(笑)豪華キャスト。


「アンティーク好きのイギリス・ノート」
小関由美 大和書房 ¥1800
「イギリス式ゆとりの教育」を呼んで大いに共感したため、また「イギリス」に反応した私の目。
外国に行きたければアンティークの仕事があるじゃないか!と思った楽しい本。ただ漫然と行くよりはね。
イギリスのB&Bはツーリストインフォメーションで探せるのね、でもバカンス滞在にはフラット(って日本におけるレオパレス?いやきっと違うに決まっている・・・)かぁ、などど行った気分の遠い目。
去年までフランスに行ってた従姉妹も一番違うと思ったのはお金持ちばかりじゃなくて普通の人も皆きちんとバカンスで家をかなりの聞かん離れること、とその受け入れ態勢と心構えが出来ていること、と言っていたっけ。

1月4日(土)

「トワイライト」
重松清 文藝春秋 ¥1714
新年の一冊がこれというのは嬉しい!(自慢)ドストエフスキーの人間類型的に見ればドラえもんの発想は面白い!
太陽の塔をキーワードにした70年代の子どもを語られたら同世代の男女は弱いだろう。読むだろう。
浩平の存在がやはりいいです、と思うのはそんな時代に生きていたからか?今の子どもたちに浩平はどうなんだろう?
余談ですがp306のL11の空港から直接出社したのは「徹夫」じゃなくて「克也」のような気がするが?読んだ方のお答えを問いたい。まさか重松さんからの答えはないだろうから・・・


「いつか記憶からこぼれおちるとしても」
江國香織 朝日新聞社 ¥1200
もしかして親子4人で過ごすクリスマスは今年で・・・と思い、気合を入れてプレゼントを選ぶ。(すでにサンタへの手紙の時代は終わり、働くようになった妻はクリスマスは自分の給料で何か送ることにしている)
「バーバリーのマフラー」の時代を経て今年は@遠赤外線スパッツ(って毛糸のパンツ?)Aアニエスの目覚し時計(好評でした)B私らしく双子に本の一冊がこれ。お母さんが本をくれた、という思い出にして欲しくて・・・
なのに娘B早速読んで「女子高生を馬鹿にすんな!」と激昂。「あたしは読んだ後で感動するような本がいいんだよ!」とまで。「冷静と・・・」があんなに若い女性に売れた(はず)の江國さんの新作なのに。
ショックを受けて読んでみました。
確かに「かつて女子高生だった」人には許されるけど「いまどき」のリアルさはないかも?ってのは家の双子が秋田っ子だから?
柚ちゃんみたいな娘が友達にいたら17の私はうらやましいと思ったけどね。


「きらきらひかる」
江國香織 新潮文庫 ¥400
「じゃあこっち読んでみたら?江國香織って結構いいんだよ」ともう一冊のプレゼント本に満足した娘Aが買ってきた文庫。
小田和正の「きらきら」が頭に流れるほど綺麗な一冊。TVとは内容が違うけど。でもたしかにこっちのほうが、ね。


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