京都散歩 1

(平成17年9月17日〜19日)

1 三十三間堂〜智積院
2 嵯峨野・嵐山(天竜寺〜常寂光寺〜渡月橋〜広隆寺)
3 二条城


 娘が今年度で短大を卒業し、就職する。このあと家族4人が揃って旅行する機会はめったにないと思い、娘の希望を取り入れ、妻の母も誘って家族で京都に旅行することにした。京都に家族で旅行するのは、子どもが3歳くらいのころ奈良シルクロード博に行ったとき以来だから、ほぼ20年ぶりことである。
 旅行初日の17日土曜日、あいにく娘は就職試験の面接にぶつかってしまい、夜にならないと京都に来られないという。残り4人は先に午前中の新幹線で京都に向かい、昼過ぎに京都駅に着いた。直ぐにタクシーに乗り、最初に向かったのは千体仏で有名な国宝「三十三間堂」である。


三十三間堂外観

 正式には蓮華王院という名をもつ「三十三間堂」。通称の由来は正面の柱間が33あることからきているが、建物の長さが33間だというふうに勘違いしている人が多い。実際の建物の長さは約120メートルあり、33間(約60メートル)よりもはるかに長いのだ。その長い建物の中に1001体の千手観音仏と風神・雷神や二十八部衆などの仏像が収容されている。建物の中に足を踏み入れた瞬間、千体の仏様が鎮座していることはわかっているのに、その圧倒的迫力に威圧されてしまう。とにかくすごいのだ。どこまでも続く仏様の行列。言葉を失うとは、まさにこのことを言う。


三十三間堂・千体の観音立像(リーフレットより)

 中央の巨像(中尊)を中心に左右に各500体、合計1001体の千手観音仏。千体仏は縦に10体ずつ100列並んでいて、それぞれに番号が振られている。よくみると、一つひとつの顔がそれぞれみな違う。思い思いに自分好みの仏様を探すのもまた一興かもしれない。
 また、観音像の前列と中尊の四方に観音像を守るように配置されているのが二十八部衆である。元はインドの神々だった様々な鬼神が両端に配置された風神・雷神像とともに千手観音の護法に当たっている。そのユーモラスな仏像もまた見ていてあきない。一つひとつの仏像を丹念に眺めているだけで時間があっという間に過ぎてしまう。それほど大きな寺院ではないが、拝観時間はゆっくりととった方がいい。


智積院庭園

 「三十三間堂」から七条通りを直進し東大路通りにぶつかった所にあるのが、真言宗智山派の総本山「智積院」である。「三十三間堂」からは歩いて数分の場所にある。観光の寺とは一線を画しているから、境内は訪れる人も少なくひっそりとした佇まいだが、全国に3千余りの末寺を擁する大寺で東山随一の規模を誇っている。ここは、長谷川等伯とその一門が描いた国宝の障壁画が有名である。宝物館に「楓図」や「桜図」など6点の絵画が展示されているが、今なお極彩色の色彩を放つ躍動的な筆致の絵画は必見の価値がある。なお、「楓図」と「桜図」の両図は本堂内に客殿とともにコンピュータグラフィックスによって再現され、訪れる人の目を楽しませてくれる。その客殿の目の前には、利休が好んだとされる国名勝指定の池泉式庭園が広がる。サツキの季節には色とりどりの花が咲き、特に美しいという。しばしの間、客殿の畳に腰をおろし、庭園を眺めるのも悪くない。


1 三十三間堂〜智積院
2 嵯峨野・嵐山(天竜寺〜常寂光寺〜渡月橋〜広隆寺)
3 二条城

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