ねぶた祭りと三内丸山遺跡

(平成11年8月2日〜8月4日)

 東北三大祭りといえば,青森のねぶた,秋田の竿燈,仙台の七夕のことだ。その中でも,最も勇壮で躍動的なのが青森のねぶた祭りだ。仙台の七夕が静の祭りの代表だとすれば,ねぶたは動の祭りの代表格。基本的には大きな山車を曳いて町を練り歩く祭りだが,練り歩く際に「ハネト」と称される踊り子たちが,「ラッセラー,ラッセラー」と囃し立てながら飛び跳ねる。その様が人々の心を踊らせる。

ねぶた祭り
 「ラッセラー,ラッセラー」の掛け声を聞いているうちに,ふと「ケ・セラ・セラ」の歌が思い浮かんできた。全く関係ない,音とリズムだけからの連想だが,なぜか「なるようになる」という歌詞と,ねぶた祭りのハネト踊りがぴったりとマッチングする気がしてならなかった。 

ねぶた祭り
 ねぶた祭りは8月2日から7日までの6日間に渡って開催される長丁場の祭りである。まともに跳ねていたら,次の日は筋肉痛で大変だという話を青森県庁の人から聞いた。県庁でもねぶた会なるものを作って,ねぶた祭りに参加しているらしいが,2,4,6の3日間だけの参加だと言っていた。
 今回は,初日の8月2日の見学だったためか,跳ねているひとの数が少ないような気がした。明日以降のことを考えてセーブしていたのだろうか。
ねぶた祭り

三内丸山遺跡
三内丸山遺跡翌日は,三内丸山遺跡を見学した。今から4〜5千年前の縄文中期の遺跡である。その規模,文明の高さから,世界の4大文明に並び称される,いやそれ以上の発見だと言われている。この発見によって,これまでの縄文文化の常識が大きく覆された。巨大建造物の跡から,栗の木の柱の断片が発見されているが,人骨などとうの昔に溶けてなくなっているのに,栗の木は,残って発見されている。その加工技術の高さ。巨大住居跡にしても,かなり大規模な集団が群れをなして生活していたことが窺える。
 しばし,暑さを忘れ,時空の旅を楽しんだ。

 今回は,北海道,北東北3県の政策担当者の交流会だったが,最近このような会議が少なく,日帰りの慌ただしい出張ばかりになってしまった。このように,各地の文化を知るのも大切なことだと思うのだがどうだろうか。
木村雅彦(平成11年8月17日)