平成25年度 第23回定例会
「田沢湖ラウンド」

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参考資料
開催日:平成25年12月21日(土)
場所:秋田県仙北市「温泉ゆぽぽ」
参加者名簿  
 今回のめぐみネットワークは総勢56人が参加するという、過去最多の参加人数のもとで開催された。今回の大きな特徴は、初めて中央から講師を呼んだこと、県職員だけではなく、市町村職員の参加者が多かったことが挙げられる。とくに市町村職員の参加については、人口減少が進む中、今後、県と市町村の連携を一層進めていかなければならないときだけに、今後のめぐみネットのあり方を考えるうえで、大きな一歩だったように思う。次回以降も多数の市町村職員の参加を希望する。
【報告】
「仙北市の宮城県女川町避難者受入と竹浦獅子振り」
  仙北市農山村体験デザイン室
           室長 泉谷 衆 氏


 泉谷さんは、東日本大震災直後に秋田県から仙北市に出向し、宮城県女川町から避難者の受入、支援に携わった。
 避難者は、ホテル暮らしで何もすることがない。みんなが沈みこむなか、女川町竹浦地区で正月に行われる神事「獅子振り」を行って、元気を取り戻そうという声があがった。しかし、肝心の獅子頭がない。そこで、ホテルの座布団や空き缶、風呂敷、スリッパを使って代用の獅子頭を作ったのである。見事、獅子振りの復活である。獅子振りは、地域の魂であり、地域の絆である。避難者の顔に笑顔が戻った瞬間である。
 さらに、泉谷さんは、地元農家との交流を企画した。避難してきた人たちは、漁業で生業をたてていたので、農業の経験はないが、農業体験を通じて、地元の人たちとの交流が広がっていった。それが、仙北市と女川町との交流につながり、今も住民同士が互いに行き来するようになったそうだ。
【講話】
「『地域力フォーラムinあきた』を開催して」
  秋田県立大学 教授 蒔田 明史 氏

 県立大学の蒔田先生からは、自らコーディネータを務められた「地域力フォーラムinあきた」の話をしていただいた。
 フォーラムでは、ゆずの加工品をブランド化して町の活性化を図った高知県馬路村の東谷さん、哲学者の内山節さんという集客力のある大物講師を迎える一方、秋田で頑張っている8人の若者に「秋田の未来はこう切り開く!」というテーマで話してもらうことを中心に据えた。これを蒔田先生は「饅頭のあんこ」に例えていたのが興味深かった。
 フォーラムのテーマを、"We create our future”としたのは、「未来を作ろう」と呼びかけるのではなく、「私たちが作るんだ」という強い意志を一人称で表現することでこだわったそうだ。また、副題を「なまはげ・こまちを超えて」としたのは、なまはげ・こまちを否定したのではなく、「しんかりした伝統・文化の良さを踏まえた上で次の一歩へ」ということを表現したのだそうだ。
 よく「秋田人は変わらなければならない」と言われる。でも、本当にそうなのだろうか。「私たちが大切にしなければならないこと」、「変えてはならないもの」を十分に認識することが大事なのではないか。秋田には魅力がいっぱいある。それをもっと意識して、地域を愛し、地域に誇りをもち、その魅力を活かすことによって幸せに暮らしていけるのだ。
 今年は200人の参加者がいたそうだが、フォーラムはこれからも続けて開催していくという。めぐみネットのメンバーも、是非フォーラムに参加してもらいたいと話を締めくくられていた。
【講話】
「活力ある地域社会を目指して 
 − 公務員よ さあ地域に飛び出そう −」
  前総務省自治財政局長・
  元地域力創造審議官   椎川 忍 氏
 

 椎川さんは秋田県出身とのことだが、生まれは北九州市で、出身校は三重県立四日市高校だという。実は椎川氏の祖先が、旧矢島藩主の生駒氏の家臣で、四国高松から秋田に移り住み、そのまま秋田県に本籍があったことによるのだそうだ。
 椎川氏は、現在、地域活性化センター常務理事を務める傍ら、内閣官房地域活性化伝道師、総務省地域力創造アドバイザーなど数々の要職を務め、毎週のように地方に出かけ、講演に歩いているそうだ。椎川氏は、定年まで1年残して総務省を勇退された。思い切りやりたいことをやって、悔いのない36年半の公務員生活だったと振り返る。30代では宮崎県財政課長として、消費税導入予算、「アイデア事業」を考案、40代では島根県総務部長として、「出前県庁」を企画・実施したり、島根県立大学を創設し学長をトップハンティング、50代では自治大学校の経営改革や「緑の分権改革」などを手掛けたことを例に挙げ、自分にしかできなかったと自負できる仕事をしようと呼びかける。
 また、「仕事以外にライフワークを持とう!」と強調される。それは、定年退職しても、広く世間づきあいができ仲間づくりができるようにするためであり、結局は自分が幸せな人生を送るためでもある。椎川氏自身もNPO法人大山王国の理事や地域に飛びだす公務員ネットワーク代表、やねだん故郷創世塾の常任講師など数多くの地域づくり活動を実践されている。
 椎川氏が最も強く主張されたのが、公務員は地域に飛びだして、地域づくりに自ら参加すること。公務員は、地域社会の一員として、また、時にはリーダーとして地域を経営する心構えが必要であるとのことであった。

【講話の内容】
・緑の分権改革(地域経済循環型創造事業)
 地域にあるものを活かして地域づくりを実践する活動(やねだん故郷創世塾、東近江の魅知普請の創寄りなど)

・「公務員参加型地域おこし」のススメ

 思いを共有し、住民感覚で、問題を一緒に解決、ランチェスター戦略(行商)に学ぶ、地域に飛びだし、広く世間と交わり、住民目線で活動、地域に飛びだす公務員ネットワーク、地域に飛びだす公務員を応援する首長連合

・イノベーションを起こす
 異分野・異業種の人との交流・ネットワークの拡大、既成概念にとらわれず、創意・工夫する、異文化との融合による新たな地域力の創造、ICTネットワークの活用(ブログ、SNSなど)

・高知県方式の地域づくりと産業おこし(ネオ内発的発展の例)

 地域担当職員、地域おこし協力隊、集落支援員の協力

(参考図書)
「緑の分権改革 〜あるものを生かす地域力創造」(学芸出版、椎川忍著)
「地域に飛び出す公務員ハンドブック」(今井書店、椎川忍著)
めぐみネットワーク名物の持ち寄り地酒の披露会。今回も美味しい地酒が集まった。 わらび座劇団員とともに、踊りに興ずるめぐみネットワークメンバー。
今回の参加者名簿
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