平成27年度 第27回定例会
「浅虫温泉ラウンド」

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開催日:平成27年12月19日(土)
場所:青森県浅虫温泉「辰巳館」
参加者名簿  

【事例発表1】
「高齢化影響の調査と持続可能な地域に関する研究」を振り返って
 青森県 菊池 康仁 氏

 「東青地域県民局地域づくり寺子屋」の一員として、今別町の高齢化と人口減少問題について研究した成果を発表してもらった。地域づくり寺子屋とは、青森県が取り組んでいる若手職員がグループ単位で県が抱える政策課題について研究する事業で、「職員の政策立案能力の向上」と「人財育成に向けた体制づくり」を目的としているそうだ。

 菊池さんたちのグループが研究テーマとして選んだのが、今別町の「高齢化影響の調査と持続可能な地域に関する研究」である。なぜ、今別町なのか。今別町は、前回のめぐみネットワーク定例会が行われた場所だが、高齢化率が県内一高い地域であり、平成52年には高齢化率が61.3%になると推計されていることにある。

 ここで彼らが全国の中で参考になる取組みがないか調べたところ、石川県羽咋市の取組みが面白そうということで、視察に行くことにした。羽咋市といえば、スーパー公務員としてつとに有名な高野誠鮮氏が勤務する自治体である。高野氏の取組は本人著の「ローマ法王に米を食べさせた男」(講談社+α新書)に詳しく記載されているので省略するとして、菊池さんが高野氏の言葉で印象に残ったのは、次の言葉だそうだ。

・過疎の集落に必要なのは、お客ではなく、一緒にに汗を流してくれる住民。
・地元に近い人ほど地元のことを過小評価し、反対に遠くから来た人は高く評価する。
・まずは自分達がやってみせること。そして、私心がないことを行動で示すこと。
・住民はクライアント(顧客)であり、何を望んでいるのかを考えることは民間企業と変わらない。
・気がついたらすぐにやってみること。可能性の無視は最大の悪策である。
・人の“役”に立ってこそ“役人”。

 彼らグループが今別町における取組み案として提案したのが次の取組みである。
1 「拠点」を繋ぐネットワーク整備事業
 ・町内に1か所「町の駅」を設け、そこに行政施設、教育施設、医療・介護施設、各種お店、レストラン等を集中させる
 ・町内の各地区に「郷の駅」を設置し、コミュニティバスで「町の駅」と結ぶ。
 ・「郷の駅」には住民が集う休憩所(談話室)としての機能を持たせ、「町の駅」にあるレストランから料理を配達する仕組みも整える。

2 今別発「だし」普及事業
 ・行政が中心となり、今別昆布等を原料とする“売れる「だし」商品”を開発し、県内外へPRする。
 ・開発した「だし」商品の製造・販売等は、民間法人に担ってもらうため、既存の海藻加工業者等を対象とした行政説明会を行う。
 ・「だし」商品はお土産品ではなく、県民に「親しまれる調味料」を目指し、PR等普及に努める。
 ・事業の収益は労働力である地域住民に還元し、地域の所得向上を図る。

3 空き農地でセカンドライフ事業
 ・今別町には多くの空き家と空き農地(耕作放棄地及び遊休農地)があるとされているため、それらをまとめて管理する「空き家・空き農地バンク」を設ける。
 ・空き家・空き農地・農業指導をセットにし、格安で貸し付けることで移住者の獲得を図る。
 ・空き農地の積極的利用を進めるため、地元住民に対する空き農地の貸し付けも行う。

4 農業インターンシップ受入事業
 ・農業に関心のある学生を、インターンシップという形で町に迎え入れ、数日間農家生活を体験してもらう。
 ・滞在中は、農作業から夕食までを農家とともに過ごし、宿泊は民宿等の宿泊施設を利用する。
 ・インターンシップ終了後に学生が育てた作物を収穫した際は、その一部を学生の元へ送り届ける。
 ・学生の受け入れに生きがいを感じる農家が現れたら、農家宅の改修を勧め、宿泊までを農家宅で行う「農家民宿」を実施してもらう。
【事例発表2】
「自治大学校派遣について」
 青森県 中川 博行 氏


 自治大学校政策専門課程に派遣された中川さんから、自治大学校の研修に積極的に参加してほしいという主旨で発表してもらった。

 中川さんが参加したのは、自治大学校の研修課程の中では最短の3週間ではあるが、東日本大震災における九州・沖縄からの応援、今も続く関西広域連合による支援(カウンターパート方式)、赤ちゃんポストや沖縄県の基地問題等、全国から派遣された研修生、特に西日本から派遣された研修生と連日語り合い、大いに刺激を受けたそうだ。

 自治大学校の良さは、一流の講師陣からの講義を受けられることはもちろんだが、研修に参加したモチベーションの高い全国の公務員仲間と出会えることが一番だと思う。そういう意味で、参加する機会に恵まれたら、積極的に手を挙げて参加すべきだと思う。その後の公務員生活の大きな糧になること請け合いである。
今回の参加者名簿
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