古都鎌倉を歩く
(平成14年1月19日)
■散歩1(北鎌倉駅〜円覚寺〜東慶寺)浄智寺楼門 |
東慶寺から、さらに歩いて5分ほどのところに浄智寺がある。浄智寺は、鎌倉五山第四位に列せられた禅刹だ。円覚寺の門外塔頭であるこの寺は、ひときわ侘びたたたずまいを見せてくれる。葛ケ岡ハイキングコースにも繋がる小道を入っていくと、小さな石橋があり石段へと続く。その石段を登りきったところにあるのが2階部分に梵鐘を下げた楼門である。さほど大きくはないが、何とも姿のいい楼門である。受付で、七福神巡りを問い合わせている若い女性の二人組みがいた。ここは、湘南七福神巡りのスタート地点にもなっているのであった。
浄智寺本堂と蝋梅 |
楼門をくぐり抜けると、本堂前に見事に咲き誇った蝋梅の木があった。周りを幾重にもカメラマンが取り囲む。これは格好のシャッターチャンスと思って、私も色々な方角から写真を撮って見たのだが、いかんせんシロートの悲しさか、見た目の半分も美しさを表現できない。蝋梅か、本堂の甍か、どちらかに焦点を絞り切れなかったことに原因があるのだろう。本堂内では、法事が執り行われていた。
建長寺三門 |
続いて、鎌倉五山第一位に列せられた建長寺に向かう。臨済宗建長寺派大本山のこの寺は、鎌倉幕府5代執権北条時頼が宋僧・蘭渓道隆を招き、我が国最初の禅宗専門道場として1253年(建長5年)に建立した。寺名の由来は建立時の年号による。
空に向かって威風堂々と聳え立つ三門には「建長興国禅寺」の文字が見える。かつてここには49もの伽藍・塔頭が建ち並び、最盛期には1000人もの僧侶らが集ったという。数多くの中国からの高僧が来朝した建長寺は、さぞや国際的な雰囲気の漂う寺だったに違いない。この日も、外国人のグループが大勢訪れていた。今も、建長寺は国際色溢れた寺なのである。
建長寺の蘭渓道隆お手植えの柏槙 |
円覚寺でもそうだったのだが、鎌倉の寺には柏槙の木が多く植えられている。この建長寺にも、仏殿前に蘭渓道隆お手植えと伝えられる柏槙が植えられていた。もし本当だとすれば700年以上の樹齢ということになる。まさに、建長寺の歴史の生き証人とも言える存在で、その枝ぶりは見事というほかない。
頼朝の墓入口 |
建長寺から鶴岡八幡宮を抜け、瑞泉寺に向かう。鶴岡八幡宮は、さすが鎌倉観光の中心地だけあって、多くの参拝客で溢れかえっていた。そんな雑踏の中を抜け、瑞泉寺に向かう途中に、鎌倉幕府を開闢した源頼朝の墓があった。小高い丘の中腹に建つ墓からは鎌倉市街が一望できた。この地に幕府があったのだという。今日の鎌倉は、冬の柔らかい陽射しを受け、キラキラと輝いて見えた。