2001年 |
「司馬遼太郎が行く」
村松友視他 プレジデント社 ¥1600
「知の巨人」と称せられる司馬さんを作品から,人柄から語った一冊。不勉強で読んでいない本もあるのでなじみがない章もあったが,p320「世に住む日々」(吉田松陰)の中で,『革命の初動期は詩人的な予言者が現れ(松陰のこと),中期には卓抜行動家が現れ(晋作,竜馬),それらの果実を採って先駆者の理想を容赦なく捨て,革命の世を作り,大いに栄達するのが処理家の仕事(伊藤博文)である』って織田・豊臣・徳川のようであり,小泉さんのこれからの日本になるかも・・・?司馬遼太郎記念館 東大阪市板小阪3−11−8 рO6−6726−3860
「タダで大学を卒業させる法」
吉本康永 三五舘 ¥1100
最近図書館ばかりではなく本を貸してくれる人が増えありがたいことである。Tさん,貸してくれてありがとう!学力はともかく,準備はね・・・来年以降の木村家はスリリング!
「建築家という生き方」
日経アーキテクチュア編 ¥2600
興味ある方には絶対お得な本。これだけたくさんの建築家の語りはなかなかまとめて読めない!樹海ドームも市立体育館も他県の人が設計してるんだものね・・・・
「がんばらない」
鎌田實 集英社 ¥1600
「営業に県庁に行ったら県職員の人に勧められて買った」という人から借りた県職員の妻でした・・・貸してくれたKさんに感謝!本のほうからすうっとこちらにきた感じで深く読めた。タイトルだけでは買ったり借りたりはしなかっただろうから。しかし,読めば,どっしりの終末医療と訪問看護の現場の熱い思いが淡々と語られている。p83,「神経免疫学的に言えば,祭りには民衆のエネルギーを高め,自然治癒力を高め,共同体で病を防いだり,癒したりするパワーがあると思う(中略)遊びは人間の本質,祭りは共同体が取り組む最高の遊び」というところは病める現代の本質を突く内容だと思う。
「3人の総理と一人の親友について語ろう」
竹村健一 太陽企画出版 ¥1500
中曽根氏と小泉氏の類似点とヤス(とここでは言うほうがあてはまる)の再評価。小渕さんに関しては人柄への共感。そして一人の親友である石原氏へのエール,身近な政治家と言う感じの竹村さんらしい描き方をした一冊。むしろあまりに平易すぎて,この構成では小泉さんのところだけ立ち読みされて買ってもらえないんじゃないか,と心配。
「勝つためのチームメイク」
堀越正巳 講談社 ¥1500
熊谷工,早稲田,神鋼,ジャパンとラグビーのエリートコースを歩み,秋工吉田義人との活躍と重なる部分を歩んだ著者が早々と自伝を出版。秋田でやった早明戦でも目にもとまらぬパス回しだった。ゲームメイクとチームメイクの違いを指導者として進みながら考えた一冊。
「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」
遥洋子 筑摩書房 ¥1400
「抱腹エッセイ」というコピーが新鮮で心地よい一冊。女性諸氏?で大いに回し読み(もちろん買っても)でもして,ケンカの勝ち方10か条に沿って闘いを挑もう。(誰に?)3ヶ月で10刷を数える密かな人気本。「横隔膜にどーんとくる感動」(p175)と言うのは本当にありかも。
「本棚からボタ餅」
岸本葉子 中央公論 ¥1400
いつ読んでも読みやすいこの人のエッセイ。タイトルの引かれて借りたがやはり面白かった。最近の世相は「本から学ぶ」より「事実は小説より奇なり」の出来事が多いけどね。
「マリカの永い夜 バリ夢日記」
吉本ばなな 幻冬舎 ¥1300
だいぶ前に出たこの本を今ごろ初めて読んですみません。でも今読んだからこそ「アテルイ」を思い出した(勝手なこじつけ)。バリでも神は山そのもの,というところ。これは日本でも古来の山岳信仰や,山がご神体,という考えに似ていると思った。いつもながら描かれている「バリの神性」が行ってみたいという気にさせる。「場の力」を考えさせられる一冊。
「他力」
五木寛之 講談社 ¥1500
実家にあったのを読。「大河の一滴」を読み,映画に行った母が影響されて購入か?じゃあ「千年の恋」を観に行く,と言ってたので「源氏物語を読むのか?肩の力の抜けた五木氏らしい一冊。彼が心の支えにしている@法然A親鸞B蓮如の三人は「仏教と言う当時(も今も)難解な世界を一般の民衆に@法然はやさしく,A親鸞は深く,B蓮如は広く教えてくれた人」という指摘は当時の仏教の隆盛の原動力なんだ,とこの年でわかった。ただ民衆の心が不安なだけじゃなかったのね・・・日本史の先生も人名や宗教の名前の丸暗記をさせるだけでなくこのように教えると平易で興味を持ってもらえると感心。高校の日本史の先生も名物熱血先生だったな,と思い出す。どんな出会いも吸収がなくては駄目だけどね。
「生きにくい」
中島義道 角川書店 ¥1000
モディリアニの表紙につられて借りたら,以前あまりの偏食(愛)ぶりに驚いた哲学者中島氏の本であった。今回も社会の騒音にも言及していたが,前半はミヒャエル・エンデの「モモ」のごとく,「時間」への考察を述べ『時間,という観念を人間が持ったから,死という未来への怯えも持ってしまった』(p42)というところは興味深く読めた。また,ふと考えれば,「そういえば!」と思い至る『なぜ女の哲学者はいないのか』(p122)もおもしろかった。
「草刈る人」
玉村豊男 新潮社 ¥1400
詩情あふれる田園エッセイ。雑誌のエッセイでも絵を描いたり,本を読みながら風景を見つつ,というのが多い作者だが,やはり農園の仕事はスタッフに任せていたのね。
「机上の宇宙」
出川直樹 平凡社 ¥2800
『一ヶ月頑張って働いたしるしに一つ陶器を買う』と言っていた友達が居る。『一枚の免許証は40か月分の陶器より重いか?』とこれを読み思う。縮み志向の日本人,という見方があるが,『扇子・ノートパソコンを考えた日本人は,縮み志向というよりむしろ,小さな物に大きな拡がりと可能性を持たせる拡がり志向と思う』という視点はユニーク。
「パーネ・アモーレ」
田丸公美子 文藝春秋 ¥1667
イタリア語通訳の著者の感じ,見たイタリア人と日本人,イタリア文化と日本文化。仕事柄のせいかとても読みやすい。
「ツチヤの軽はずみ」
土屋賢二 文春文庫 ¥448
『面白い』『共感する』『興味深い』・・・その他いろいろほめ言葉はあるけれど,『げらげら笑う』と書けるのはこの本!解説の中井貴恵の文章もとてもげらげら。日常は哲学である(留美子笑)この頃がははと笑ってますか?がや広でもお薦めしてしまったほどの好一冊
「この国で女であるということ」
島崎今日子 教育史料出版会 ¥1700
この会社って・・・?桃井かおりから田辺聖子まで個性的で刺激的な生き方と考えをもった女性達のインタビュー集。やはり出てくる人が面白いので価値あるお勧めの一冊。
「知の愉しみ知の力」
白川静・渡部昇一 致知出版社 ¥1400
知というものはお互いの違い・個性を認め,肯定して共存してゆくことという考えに貫かれた本。漢文の重要さも漢字好きの私としては共感。
今の世界情勢を考えると発言は慎重になるが,p197でヒラリー・クリントンが以前NATO軍と共にユーゴに行くアメリカ軍に対し,「ユーゴが乱れたのは,複数の民族・宗教のためだ。しかしアメリカも同じでありながらひとつにまとまっている。そこに価値がある」と言ったのは至言だと思う。
「日本人を冒険する」
呉善花 三交社 ¥1500
ともすれば諸外国で批判と冷笑にさらされる日本人の「あいまいさ」を上手に認めながら,中国・韓国・欧米との国民性,外交論を述べた一冊。秋田空港の韓国路線オープンを祝して?借りてみました。せっかくの路線,継続してを利用してゆくことの大切さ,「お得感(お値打ち感)」をいかにアピールできるかを見守っていきたい。
「連戦連敗」
安藤忠雄 東京大学出版社 ¥2400
コルビジェ,安藤忠雄に興味がある。コンクリートという素材を歴史とともに歩む祈りの場に大胆にも使う。京都・奈良の寺社と対極にあるようなこの姿勢に二人の思想を感じる。「建築は哲学に通じると思う」という安藤氏の言葉に納得。コンペへの取り組みを述べつつ,戦後の復興のため走りつづけた1950年代の持つ,「生きてゆく緊張感のあった時代の日本人の強さ」を捉えなおすことで現代のIT不況までも強烈に言及していると感じさせる一冊である。(p29の2段落)「お得感」で言えば¥2400でこの読みごたえは「お得」である。
「パン屋のお金とカジノのお金はどう違う?」
廣田裕之 オーエス出版 ¥1500
ミヒャエル・エンデの作品と考え方を参考にしながら,世界最大規模の地域通貨のあるアルゼンチンや日本,他の国々の地域通貨と経済の動きを考察した本。あの「地域振興券」って・・・と思い出す一冊。
「スラムダンクの勝利学」
辻秀一 集英社 ¥1050
本にも出会いの時があるのと同じように,アニメにもあると思う。大ヒットしたセーラームーンに夢中になった双子も,「スラムダンク」に燃えた双子が偶然小学校でバスケ部だったことも,思えばひとつの「タイムリーな出会い」だったと思う。感動する、と言う意味で。そんな双子が「買いたかったけど・・・」と言ってた一冊をついにゲット!よみがえる感動に読み返すコミック。「バガボンド」も好評で今車椅子の人が主人公のバスケ漫画を書いている井上さん。スラムダンク2が読みたい!と思うのは木村家だけではないはず。
「永六輔の芸人と遊ぶ」
永六輔 小学館 ¥1500
いろいろなジャンルの芸人達との対談で掘り下げる日本の心。p236,野坂明如の「芸人はカタギの世界の人とは全然違う尺度で生きている」というのが面白かった。「芸人は金を払う旦那衆がいないとやっていけないから,金のある人に気を遣うことはあっても,人の心の深いところから見ていて,金があろうと,仕事が出来ようと,勉強が出来ようと,性根の悪いやつがわかる」という部分に共感。
「エク!」
毛利衛と仲間たち 講談社 ¥1400
何人もの日本人が宇宙へ行っているが,相変わらず毛利さんは第一線である。宇宙体験後の彼が東日本放送のスタッフとアマゾン・アンデスの地エクアドルに行き,その地の人と自然に触れ,「一つの生命体」としての地球を語る本。
p30のバナナ尽くしの料理に対して,「エネルギー事情まで考えると,ことこと煮込む料理より,一粒で一日分のエネルギーが取れる薬があればいい」と考えて,「料理は愛」と言い張る奥様と対立してしまう,と言うところがいかにも研究熱心な現役という感じ。わたしも時間がたっぷり取れてカレーなど煮込んでいるとき,ふと「この材料費+下ごしらえを時給に換算+ガス代等」を考えるとインスタントの方がいいのでは,と思うことが多々あるので。
「ぼくは偏食人間」
中島義道 新潮社 ¥1200
それぞれの最後に「○○が嫌い(食べられない)理由」を述べているのだが,偏食より「ぼく」に執着している様が伺える。これだけあちこちにクレームつけててストレスたまらないかな?と思って読んだが,著者のストレス解消がクレームなのかも,と思い納得。哲学書なのだ,これ。
「和ガラスに抱かれて」
坂崎幸之助 平凡社 ¥1600
この著者名でおっ!と思う人は30代以上か?ご存知アルフィーの坂崎くんにこのような趣味があったとは。ウランガラスってなんか原子力発電所の核廃棄物みたいで,神秘的だがちょっと怖い。キューリー婦人のノートって現在も放射能を検出できるそうで。
「プラナリア」
山本文緒 文藝春秋 ¥1333
「働かないってそんなにいけないこと?」を帯に,現代の無職をめぐる5つの物語。勉強に行き詰まると決まって娘の言うせりふ「お母さんだって主婦やってんじゃん」に身の縮む思いの私の心にぴったりとハマって一気読み。自分的には3,4がぴったり,作品的に良かったのは5。
「海浜棒球始末記」
椎名誠 文藝春秋 ¥1381
「アド・バード」以来遠ざかっていたが久しぶりに手にとると相変わらずうらやましき大人たちがいた。秋田いぶりがっこ団はいかに?
「がんは切ればなおるのか」
近藤誠 新潮文庫 ¥400
ちょうど朝日新聞にコラムを寄せていてこれまたビンゴのうれしさ。この夏90歳ちかい夫の祖母は全身麻酔で内視鏡手術を受けた.友人のお母様は手術後口から食事をとれなくなったという。自分たちの加齢に併せてこの手の話が増える一方。逸見さんを例に,癌の摘出手術で受けるダメージと人間らしく生きることについて言及。あなたなら?自分なら?
「美しい庭のように老いる」
宮迫千鶴 筑摩書房 ¥1700
この一冊でクロワッサン常連の彼女のイメージがソフトに変わった。p10『老いの力は静かな湖水にさす光のようで,気がつかないとみすごしてしまうようにかすかな,しかし深々とした包容力なのである』p12『辛み走った婆さん(留美子註 苦みばしった,か?)よりスイートな老いを目指す』という始まりの文章に引かれて一気読みできる本。突っ走ってきてそろそろシフトチェンジを,と考えている人に強くお勧めの必読書,と思う。
「父 高田好胤」
高田都耶子 講談社 ¥1600
ちょうど双子も修学旅行で薬師寺に行って公開中の絵を見たと思えば母子「これぞご縁」の一冊。しかもその玄奘三蔵院建立の際には,S17当時の南京政府から埼玉県岩槻市の慈恩寺に送られた玄奘三蔵のご頂骨の一部を分骨してもらった(p181)と聞けば,またうちの親がありがたがりそうなネタではある。4人中3人が薬師寺を訪れたので夫も何やら計画しているようで。
「真夜中の太陽」
米原万理 中央公論 ¥1400
時事エッセイというジャンルの本は初めて聞いたが,ルポとも違い,社説よりは主観的に社会現象を取り上げてくれていて,私レベルにはとてもわかりやすく,親しみが持てたお勧めの一冊。
「交流する弥生人」
高倉洋彰 吉川弘文館 ¥1700
弥生時代を中国との交流・国際化で新生した生活という視点から描いたものだが,少し掘り下げの視点がぼやけている
「ノンパラ」
山本貴代 マガジンハウス ¥1300
ノンパラと聞いて,「パラサイトシングルではなく,独立して暮らすシングル女性」とわからないと読んでもちょっと面白くないかな?ブランドではなく,自信という自分の力で輝くノンパラ,という作者のまとめであった。パラサイト・シングルならぬ,パラダイス・シングルと考えられるかも。
「田中康夫 しなやかな革命」
文藝別冊 河出書房新社 ¥1143
夏の同期会に来ていた永の県庁勤務の友人が「考えてみると同じ年の奴が知事なんだぜ!」と言ったのであ,そうか,同年代が知事になる年になったんだ,と興味を覚えた一冊。康夫ちゃんは鳥取県の片山知事を注目しているらしい(p24)
「女は女が強くする」
井村雅代・宇都木妙子・五明みさ子 草思社 ¥1400
すでに一年前のことになってしまったのか!と感慨深いシドニーオリンピックのシンクロ,ソフト,新体操の監督によるリーダー論であり,日本代表選手論。思えばQちゃんも監督が注目されてたなあ・・・
「ガラスの天井に挑む女たち」
幸田シャーミン 扶桑社 ¥1800
女性の昇進に関して問題になるグラスシーリング(ガラスの天井)もともかく,ハーバードに学ぶ女性達のパワフルな頑張りが快い。
「アウトローを生きる」
梁石日・青木雄二 経済界 ¥1429
サラリーマンとは対極に生きる2人の熱い語り口だが,『これからは貧富の差はますます広がる』という弁には賛成したくなる昨今の現状である。
「常識の破産」
邱永漢 経済界 ¥1238
セミリタイヤして優雅な暮らしの大橋巨泉が参議院議員になった。お金の神様邱永漢氏の説く現代幸福論。日本には本当の意味で「市民の痛みのわかる強者(政治家・財界人)は存在するのか?
「節約生活12ケ月」
山崎えり子 大和書房 ¥1400
二人暮し220リットルの冷蔵庫より小さい冷蔵庫で部活動にボトル飲料持参の高校生2人の4人家族の木村家って一体・・・?
「消えた子供」
佐江衆一 福武書店 ¥1200
「黄落」で注目を集めた作者。秋田大学医学部に在籍していた。あれ?あれ?デジャブ感で読み進んでいくと,やはり,「マー先のばか」と壁に書いて自殺したオー君に捧げる本だった。
「菅江真澄みちのく漂流」
簾内敬司 岩波書店 ¥2300
本年度エッセイストクラブ賞受賞した秋田の簾内氏。(朝日新聞にもその旨掲載)「20世紀と21世紀との間には裂け目がのぞいている」という巻頭文が非常に印象的。これを読んで訪れてみたくなった場所。阿仁町根子,十三湖,恐山。最終部「帰らぬ故郷はいつも真澄のこころのうちに山や川や森のようにして在った」「故郷喪失者にしか本当の故郷はわかってないのだ」というところが,秋田で亡くなったといわれる真澄への追悼のようだった。最近秋田にはまっている夫も読んでいて,返却遅れてごめんなさい,の本・・・
「小泉純一郎革命」
緒方邦彦 イーストプレス ¥1400
偶然新刊コーナーにあったが,あまりにもタイムリーで借りてきてしまった小泉氏のプロフィールと政策。里帰りに持っていったらミーハーな母も読んでいた。「大河の一滴」にも妹と行くらしい・・・
「ジョカトーレ」
小松成美 文芸春秋 ¥1476
日本の中田が代表やセリエAでの活躍を通してジョカトーレ(サッカー選手)中田になるまでの軌跡。つくづくスポーツライターはうらやまし,の一冊。この本の始まりから終わりがちょうど私のサッカー熱中遍歴に重なる。
「燃えて尽きたし」
斎藤茂男 共同通信社 ¥1100
「妻たちの思秋期」に続くルポルタージュ日本の幸福の一冊。S59に書かれた老人の性と孤独。17年経った今も秋田で老人の自殺問題が提起されているということは,日本はやはり何も変わってないということか?それとも変わるか?小泉内閣。
「オンリー・ミー」
三谷幸喜 幻冬舎
あまりにも強い自己愛?が笑いを誘う一冊。後半の西村雅彦さま,梶原善ちゃん,阿南君のコーナーも良い。「誕生日の不思議な力」で同じ日生まれの有名人の共通項を探すのも面白い。ちなみに3月25日志茂田景樹,橋本治,エルトン・ジョンは派手な小父さんの揃い踏み,一転して3月27日は遠藤周作,金子信雄,高中正義のつるり顔。あはは・・・・・
「男の介護」
竹永睦男 法研 ¥1300
48歳で退職,親の介護に挑んだ著者の,介護行政との具体的な関わり,苦労が描かれている。読後感としては,やはり,「これでいい」と言う介護はないんだ,と思わせるさまざまな問題を孕んでいる
「建てて納得!」
片山かおる 文芸春秋 ¥1429
多分まだ自分の家を建ててないからこうして憧れを持ってあれこれ読んでしまうのだろう。建築家になりたい娘のように。持ってないからこその優雅な?戯れ。耳年増,とも言う。実例も設計図付きであるので,家を持ちたくて,具体的なイメージをつかみたい方におすすめの一冊
「ミステリアスな結婚」
久米麗子・宏 世界文化社 ¥1300
スタイリスト,キャスターとして活躍するナイスミドルカップルの対談集。二人の歴史は今までわかっているが,最終章のこれからの二人,の章で,p247久米宏さん側のせりふ『ほとんど同じ歳の夫婦だから,妻が若い感じでいてくれる,ということが自分の若さを保つ必須アイテム(抜粋)』というところが我が家も同年齢夫婦のため,がんば,って感じ・・・・
「家族だから介護なんかこわくない?」
久田恵 海竜社 ¥1500
家族には力がある,と言い切る家族論。介護は当事者にとってはこれまでの夫婦関係・親子関係の決算であり,介護する周囲の者にとっては親が身を投げ打ってする最期の教え(p132)という久田さんが読者に送る応援歌!子育て,介護を考える一冊。
「妻達の思秋期」
斎藤茂男編 共同通信社 ¥1100
斎藤茂男の追悼本を読んだので,19年前のこの本他2冊をリクエスト。TVドラマ化されたのでおなじみの一冊だが,現在読んでも共感できる部分がかなりあるってことは,斎藤さんが新しいのか?日本人の精神風土があまり進歩してないってことなのか?
「ごきげん!一人暮らしの本」
平野恵理子 講談社 ¥1500
前述した「私んちにくる?」のように,おしゃれでいながら賢く芯の通った暮らしを楽しむ本。どちらも詠めば必ず真似したい部分が見つかる。
「斎藤茂男 ジャーナリズムの可能性」
内橋克人ほか編 共同通信社 ¥2000
海外旅行を予定して検診を受けに行ってそのまま入院.2週間後に意識を失いその2週間後に永眠,というすさまじい最期とは知らなかったジャーナリスト斎藤茂男。それでも他の人に追悼文の各所に体調が悪そうなのを気遣う文があるところが,晩年の森瑶子のエッセイと重なる。「教育って何だ」「父よ母よ!」「妻たちの思秋期」など多くの話題作を残している。川名紀美氏の寄稿で,不登校・家庭内暴力・子を殺す親という最近の構図とからめてp230「学校へ行かないことは(子どもの自身の 木村注)命と引き換えにしなければならないほどの罪なのだろうか」という部分は是非ご一読を。
「父がいて母がいてきょうだいがいた」
宮本典子 星雲社 ¥1000
「風がゴーと走り,過ぎに高くからまった葛の葉が白い裏を見せて波うつ」という文を読んでイメージが鮮明に浮かぶ子は,これからどれくらいいるのだろう。失われつつある日本の情景が描かれていて懐かしい癒しの本。
「浦和が,なくなる日」
山中伊知郎 風産社 ¥1300
さいたま市の発生とともに消えた「浦和」。でももともとの浦和の歴史って本当に地味だったのね・・・・フレーフレー埼玉!まさか学校の名前も変わったりはしないよね。埼玉第一女子高校とか・・・
「シーズ ザ デイ」
鈴木光司 新潮社 ¥1800
「沈んだヨット。16年間呪縛しつづけた謎。狂気を孕んだ愛と憎しみ この運命はどこへ」という帯を読めば誰だって海→井戸→リングとおどろおどろしい連想で読んでしまうだろう。しかし,父と娘の奇妙な運命の符合の物語りであった。大富豪岡崎氏がいないと全編成り立たないので一般市民には「ずるい」と思われそうなハイソなお話であった。
「ドラマチックなひと波乱」
林真理子 文芸春秋 ¥1190
週間文春のエッセイ。着物好きだった真理子さん,お料理好きになったのね。美短でやった秋田文化デザイン会議のことも書かれてた。デビュー当時と変わった林さんの努力に脱帽!
「シンプルシック 暮らしのレシピ」
有元葉子 三笠書房 ¥1200
雑誌にして写真も見たい!と思わせるやはりおしゃれ生活。
「でも元気」
橘由子 中央公論社 ¥1500
同時代の作者に共感を持って何作か読んだが,46歳で脳梗塞になっていた!母娘関係を考えさせられるp61,子育てと働く母の実情p111はいつもながら共感。それでも元気なパワーがいいので,ちょっと落ち込みがちなママにはおもしろいかも,の一冊
「ネバーランド」
恩田陸 集英社 ¥1500
ライオンハートを読むまで,恩田陸の学園物はどれも恩田ワールドらしかった。あとがきで「トーマの心臓」にしたかった,とあり,改めて萩尾望都のすごさに共感した。
珍しく不思議の出ない青春物だった。会話のテンポと運びが秀逸。井上靖の青春物も彷彿させる。
p165 記録に対する絶対評価の陸上部と,相手を打ち負かして一つずつ上に進むテニス部についての寛司の考察が面白い。