RUMIKOの読書日記

2002年

12月31日(火)

「イギリス式ゆとりの教育」
宮北恵子 幻冬舎 ¥1400
どんなパンクな格好をしててもイギリスのきちんとした教育を受けた子どもはジェントルマンであり続けられる。そういわれるとベッカムの独特な雰囲気も納得。
子どもを留学させるなら、バンクーバーもいいけどイギリスもね、と思わせる一冊。日本の教育界の現場の方にも一考を促す一冊かも。


「スケバンのいた頃」
中場利一 講談社 ¥1650
テンポよい本を読みたいと思えば中場(チュンバ)さんの一冊。
ワルでもちょっとあったかい、ほろりの内容はいつものパターン。これまでは仲間うちの話風だったが、今回は先生と生徒の金八さん、GTO系の本である。本嫌いの少年にもおすすめ。


「唐沢家の四本の百合」
小池真理子 中央公論社 ¥1400
このタイトルと小池真理子、という名前で借りてみた一冊。ホラー作家というのは大変である。
このゴージャスな女たちの暮らしがいい、という人もいるだろうし、やはり、の結末じゃん、と思う人もいるだろう。


「きものが欲しい!」

群ようこ 世界文化社 ¥1400
林真理子にしても群ようこにしても、成功した女は着物に「はまる」ときがあるのだろう。
『使ったお金で家が建つ』と言い切られた日には、家もない、着物もない庶民はどうしたらいいの?一月一日にあいてるスーパーの為に働く人もいるんだよ!って感じ。
おっとしまった!でもこれ自らリクエストして借りたのだった・・・買わなくて良かった。自腹切ってたら腹立ってたかも。

12月24日(火)

「本田宗一郎と井深大」 
板谷敏宏 益田茂 朝日新聞社 ¥1400
江戸東京博物館10周年記念展のために上梓された「公式ガイドブック」である。
アシモとアイボ、どちらも先端技術を持った二社だが、創業者の本を読むと、戦後という時代が生んだお二人、という観もする。
専門家の持つ最高の技術をどう一般社会に生かすか、を考えながら仕事をしてきた二人はやはりスゴイ人たちなんだ、と思える一冊。


「いとしきものたち」
三浦哲郎 世界文化社 ¥2000
家庭画報エッセイ集といえばこの値段でいいのだろうか、なるほど納得のいわゆる癒し系の一冊。
八ヶ岳に山荘を持つ彼だが、じつは彼もまた(って高橋氏と、という意味の「また」)東北、南部の出身であった。
八ヶ岳の山荘で執筆なんてす・て・き!と思ったら岩木山頂で暮らすような標高だそうで。結構厳しいじゃん、と思ったわたし。


「家内安全」
夏石鈴子 マガジンハウス ¥1400
冒頭の「ゆっくり進む船が行く」は吉本ばなな風の文体で好感。以降は女の追求、という感じの作品が並ぶ。
面白いかも、と思ってリクエストした本が「当たり」で満足。

12月11日(水)

「お金じゃ買えない」
藤原和博 ちくま文庫 ¥580
p139「公園は僕らのディズニーランドだった」
p144「暗くて怖〜いマジカルミステリースポットがなければ,僕らの世界は空虚なホワイトカラーになってしまう」などど小説家じゃないのにすごいうまい!特に上の方はそのまま本のタイトルになりそう。そしてこのあたりはそのままRumikoバイブルの「ハリーと千尋世代の子供達」(読書日記2002,4,16)に通じていく。
それでいて,団塊世代より少し遅れた作者(1955生)の「早くしなさい,ちゃんとしなさい,いい子にしなさい」の親からの呪文は自分の子供時代にビンゴであった。「子どもにちゃんと,と言っても,ちゃんとって何かわからないでしょう」と言われて気付いたのは双子が幼稚園に入って先生に言われたからだも〜ん。一体私はなにを ちゃんと していたのかしらね。
そして文庫本なのに偶然図書館で手にして借りたいちばんのビンゴ!は何を隠そうこの著者は7,27日記で絶賛した「人生の教科書『よのなか』」の著者なのであった!HPも面白いです。


「妻の部屋」
古山高麗雄 文藝春秋 ¥2190
後半一部北朝鮮,ミャンマー旅行記があるが,他の部分を50代以上の夫たちが読んだら耐えられないだろうな,と思うような妻恋いの一冊。似た話が多いのでこの値段はやはり金銭に余裕のある層に向けての値段。
江藤淳の自殺にも驚いたが,古山さんも同じ道をたどってしまうのではないか,と考えてしまう心の情景。
今年3月に亡くなったばかりの古山さんの「孤独死」という巻末エッセイも妙に生々しい。合掌。


「河合隼雄のカウンセリング入門」
河合隼雄 創元社 ¥1400
こういう本はすらすら一気読みでき,もしかして私も(娘に負けず)理系?と思うひととき。実践的なカウンセリングと河合さんの意見で構成。しかしp257〜の「独立(自立)と家出」に関するあたりは小6〜高3の子どもをお持ちの方には非常に大切なことを言っていると思う。

12月2日(月)

「ドールズ 闇から招く声」
高橋克彦 角川書店 ¥1700
高橋氏が「一番愛着がある」と言っている泉目吉=玲ちゃんの物語。p420に誤植発見
か?!
この作品は面白いけど映像化は難しいとつくづく思う。だってあぐらかいて煙草ふかす8歳の玲ちゃん、誰がやれる?って感じ。貸してくれたYUKAさん、ありがとうございやす


「金儲け哲学」
糸山英太郎 かんき出版 ¥1600
「器量」という言葉があるが、20年同じ仕事をしていても変化しない男、たった一年でもその中から何かつかめる男、という差はあると思う。糸山氏はまちがいなく後者である。
そんな彼には「日比谷高校→東大(当時)」の必要はない。


「ベター・ハーフ」
唯川恵 集英社 ¥1700
ベストパートナーでなくベター・ハーフである。昨日は従兄弟の結婚式。どんな祝辞があったのやら。
夫婦とはそんなもの、実感ですねぇ。時代がかぶる。
高校生の娘は「肩ごしの恋人」のほうが面白い、と言ってた。TVでやるとして、ということか?


「『お買いもの』のいいわけ」
堀井和子 幻冬舎 ¥1400
主婦やOL、とにかく「お買物」をする女たちへの共感を得るであろう一冊。雑貨や服ばかりでなくミルクティーにあうこだわりの牛乳を隣の駅に買いに行く。ってあれ?秋田では泉在住の私が御所野に行くようなもの?車と電車では違う気がするけど。

11月25日(月)

「夢将軍 頼朝」
三田誠広 集英社 ¥1900
「僕って何」「いちご同盟」の三田さんである。
ひとときお受験パパものもあった。
しかし歴史ものとなると・・・?
西行の面白い一面を垣間見せてくれたり、文覚中心の視点の頼朝ものかと思ったが、ラストが尻すぼまりで残念。


「シュガーレス・ラブ」
山本文緒 集英社文庫 ¥457
おしゃれなタイトル。でも「恋は甘くない」のである。
女ならではのジレンマを病理として持った主人公達を描く短編集。
巻末の解説がすっごく良くて、そこも一読の価値あり!
その解説に曰く「(略)女性は我慢しちゃうからね。自分の悩みに自分でふたをしてしまうところがある。それが病理となって(略)」
本当に女性はハードボイルド?!
課してくれたHARUさん、いい本をありがとう!男性にも読んで欲しいな


「寄り道ビア・ホール」
篠田節子 講談社文庫 ¥419
これもHARUさんから借り。
ずっと朝日新聞の私には懐かしい家庭欄の一冊。
弔辞の名文句(p15)
「地上は一人の素晴らしい女性を失いましたが、天上はさぞにぎやかになったことでありましょう」これを80歳すぎで言われたい。
奇しくも「シュガーレス・ラブ」と同じ名文句(p29)「女張って生きてゆく」もある。
今読むと3歳年上の篠田さんの考えが自分にぴたりとくるのにびっくり。本にも出会いはあるのね。
p46渡辺淳一「反常識講座」(光文社)に「老人ホームは都会に作れ」に篠田さんと同様に共鳴します!ずっと前から思ってます、これ

11月20日(水)

「アトランティスのこころ」上下
 スティーブン・キング 新潮社  各¥2800

パソコンを開く暇もなくただひたすら忍耐力とキングへの期待をもって読破できた一冊。ポッターを読むより偉いと自分で自分を誉めたい?だって合計¥5600で中も2段組でお得?
でももし読んだ方でタイトルの意味がキチンとわかる方がいたら教えて欲しい。きっともう少し上の世代の方ならキングの世代の方ならわかるのね。恩田陸の「ライオンハート」のように意味深でいてしかも詩的。
本当に本当に本当に長く最初の少年時代のボビーとテッドはずっと消えたまま(ここがアトランティス?)結末まで行かないと出ないという根性のいる一冊


「悪霊」
中上 紀 朝日新聞社 ¥1429
ドストエフスキーと同じ書名だが、あこがれかつ禁断?のバリ島の本だけに吉本ばななも髣髴。
p89『島全土を満たす空気には、南国独特の金色の粒子が含まれている』という部分が秀逸。だが秋田の私には「麦踏み」in秋田の子どものように想像するしかない。東北、秋田の美しい一瞬もこのように描写したいものである。宮沢賢治のように。
行ったことのない国、今は読書で予習ということで・・・

11月6日(水)

「ほげらばり」 
小林聡美 扶桑社 ¥1100

奇妙なタイトル「ほげらばり」=Forget about it だそうで。(小林流の訳では、なぁんちゃって、とか いいのいいの 気にしないで)
「ラバーズビーチ」の章がとても「わはは」のメキシコ旅行記。
いつもながらクールで文章上手の三谷幸喜夫人。似たもの夫婦か?


「キャプテン 宮本恒靖が見た五輪代表」
佐藤俊 小学館 ¥1300
W杯で、怪我の森岡に代わり大活躍、ブラックマスクで一躍時の人となった宮本(CMに優香と共演してるのも一躍時の人戸田君ですが)がシドニーを振り返る。
TVで見る真面目で賢そうな人柄まんまの一冊。
同志社出身、と思ってみるせいか?表紙の宮本君は確かに第一志望だったドクターの白衣姿やスーツ姿もぴたりとはまりそう。この人が海外に行くならやはりイタリアやスペインでなくイングランドかな?


「ハリーポッターと炎のゴブレット」
J・Kローリング 静山社 上下巻で¥3800
予約しなくても、8時に並ばなくてもひょいと買えたぞ第4巻。大事なことはゲットすることでなく、買ったら読むことよね。早く買っても読まなくちゃね。でもこれなら孫達にも読ませられそう・・・と?
こんなに早く書いていいのか、と自問しつつ、これを過去にしてやらないと借りてるスティーブン・キングに行けないので。
パターンとしては3巻までと同じ。困難を克服しながら最後は勝利、ハリー自身も成長。ただし今までは映画化されても面白そうだったが、4巻は上下長いせいか、ハリーが大きくなってきたせいか、(なんたって「14歳」だもん)心情面とバイプレイヤーの描写もかなり重視しているので読み応えはある。
競い合う4人の意外な結末は読んでのお楽しみ!

10月28日(月)

「ヒディンク革命」
金華盛・李東R ダイヤモンド社 ¥1600
2002W杯、驚異の大躍進を遂げた韓国チーム。見ていてすごいと思ったのは、メンバーチェンジをすると微妙にポジションが変わっていて対戦チームが幻惑されていた点。
この本を読むと、ヒディンクサッカーは能代工業に似たソーンプレスから組み立てるサッカーなのね。
そしてそのどちらをも(バスケもサッカーも)満たせるのは選手の豊富な運動量=体力なのよね。
そしてCEOとしてのリーダ−シップも具えたヒディンク体制と経営を結びつけた一冊なのでR。(ヒディングじゃなくてクだったのね・・)


「夏雲あがれ」
宮本昌孝 集英社 ¥2200
この爽やかなタイトルで、晴天の夏空にもくもくとわく入道雲をイメージする人は子供時代いっぱい外で遊んだ人ね。
近頃の子ども達はどんな夏雲をイメージするのかしら?
ドラマスペシャルで好評だった「SABU」の藤原竜也君と妻夫木君をあてはめて読んでいました。太郎左と銀次を誰にするか、ですね。

10月14日(月)

文藝別冊 「中上健次」 河出書房 ¥1143
独特の存在感を持った故中上健次。亡くなってもう10年かぁ、46歳で亡くなってたのかぁ、などなどさまざまな感慨。
20年以上も前に読んだとき作品から漂っていた大江健三郎とはまた違った濃密な緑、雨の感じは、やはり、存在、志向の違いであったことが対談で納得。
危険度1だったのに、今回の爆弾テロで急に危険度があがりそうなバリに行く前に、熊野、かな?


「人生の錬金術」 荒俣宏 中谷彰宏 メディアワークス ¥1400
高橋克彦→横尾忠則→荒俣宏へと広がったことが面白い。
昨今の閉塞された日本人のこれからを帰るのは「文化力」である、とは先日読んだ中上論とはもしかしたら真っ向から対立なのも読書の面白さ。


「日日是好日」 森下典子 飛鳥新社 ¥1500
50歳でも60歳でも「手習い」ができる余裕ができたら是非浸りたい茶道の世界。
習う側から素直に書かれた世界が新鮮で好もしい一冊。

10月6日(日)

「蕎麦なぜなぜ草紙」
藤村和雄 ハート出版 ¥1300
「そば屋」のなぜに応える薀蓄の一冊。引越しだけでなく、棟上式、ひな祭りにも蕎麦って食べるんですね。葱は単なる輪切りにするんじゃなくて中をほぐすとふわっとするんですね。(見た目も量もボリュームアップになるし)


「過保護のススメ」
佐々木正美 小学館 ¥1300
同時に読んだ「「お父さんといっしょに子どもを大きく伸ばす本」よりはこちらをおすすめ。
過保護と過干渉は違うと多くの人が理解していればもう少し違った世の中になっていただろうか。
全編を流れるのは、人に依存する力を持ち、相手からも依存されるに足る力を持つ事が自立であって、「迷惑かけない代わりに何してもいい」ではないということ。


「ヨコオ論タダノリ」
荒俣宏 平凡社 ¥1900
最近読んだ高橋克彦氏「またふたたびの玉子魔人」(9月24日の読書日記)でも横尾様崇拝があったので借り。これはでも新刊です。
博学荒俣氏の解説は参考作品があっても、いやそれゆえにか相当難解です。
もちろん独特な色調の赤や青の横尾マンダラ的ワールドは好きですけれど。
何よりプライベートは「半パンで自転車」という姿に親しみ。

9月29日(日)

「日本にも夢はあるはず」
野口悠紀雄 ダイヤモンド社 ¥1400
帯の「夢をもてない社会に未来はない」折り返しに「人間は与えられた条件を努力によって克服しうる」とあっちゃあ借りてしまうじゃあ〜りませんか。でも私的には少々経済の話が難しくてすみません。
興味を引いたのは生々しい東京大空襲の描写。考えてみれば今の日本を作っているのは幸運にも戦火を免れて生き残った人とその子孫なのよね。


「駄菓子屋楽校」
松田道雄 新評論 ¥3500
ノスタルジック駄菓子屋の持つ力を探った一冊。見せ場のご老人の持っている老人力、店の持つ地域力を語る。
値段相応にとっても長いんだけど、p486の、IQ、EQに次ぐ「PQ」社会を営む力(将来への展望、計画、自分のの感情や行動のコントロール、他人の心を理解)を鍛える場、としたところは感心。
そして、お年寄りはラベンダー、子どもはミントとたとえたところもうまい。
こういう駄菓子屋やりたいもんだ。
これからの日本、3人のお年寄りで1人の子どもの保育を請け負う時代だそうで。p511
ヘルパーとして働いている今、「世話する老人から世話される高齢者」という言葉も考えさせられる。


「女流棋士」
高橋和 講談社 ¥1500
まだ25歳なのに自叙伝とお母さんの日記。
読み進むほどに将棋へのあふれる才能と集中力、そして勝負への意地を感じる。
対戦前の極度のストレスからくる自律神経失調症を抱えながらの一人暮らしは心配だが。

9月24日(火)

「男の服装 おしゃれの定番」
落合正勝 世界文化社 ¥1800
カジュアルデイが定着してきた我が家の夫もこの季節着るものが悩み。水曜にもスーツで行ったりする。半袖ポロ、トレーナーの季節なら対応できるらしい。それって女性でもブラウス一枚でOKの季節の短い秋田ならでは。
ちなみに男のカフス、カッコイイと思う。似合う人なら。
著者はイタリアでパンツも(ズボンに非ず)オーダーとか。さすがね。


「また再びの玉子魔人」
高橋克彦 中央公論 ¥1750
エッセイ集。これだけ玉子を食べる氏のすごさにもびっくり(一日平均4個!)
p174「なにもない原っぱに一人立って過ぎ去った時代を想う。頬を打つ風邪が目を瞑っている自分を古代へと誘う。それが陸奥の史跡との正しい接し方であると信じている」うーん、私も!これって最高の贅沢ですね!大湯でも大館でも唐松神社周辺でも、白岩焼き周辺でも、払田柵でも確かに感じるものがあるもの。
あと澁澤龍彦さんも非常に尊敬していてp212「小説にはまだまだ人を変えられるだけの魔力がある」というところ、p228宮崎アニメの空中感覚が好きな所も共感の一冊。

9月17日(月)

「説教するな。説得しろ!」
佐々木宏 東洋経済 ¥1200
「そうよねぇ・・・」と思ってしまうタイトル。
マーケティングプランナーでありながら対人関係、教育の現場等にも対応する「説得のすすめ」
各ページにはさまれた消しゴムカスは誰かがすごく参考に写したあとか?と想像しながら読むのも図書館本ならでは。


「グッドラックららばい」
平安寿子 講談社 ¥2000
「素晴らしい一日」(9月2日の読書日記ご参照のこと)でデビューしたと思ったらこのタイトル!に第一章は「新しい日々」なんてもう、安寿子さんたら!リクエストしちゃうじゃありませんか。
久しぶりにハイテンポ、明るくほろり、の作家が出てきた。21世紀は変わるのか?
内容としては「何も考え込まない」「人は一人で立つ」がこの本のキーワードか?でも現実にはないだろう、みたいな。特に積子ちゃん。
20年もの間家出していて(その間離婚はされず)戻ってきた鷹子母さんの「主婦は旅役者をおすすめ!」が面白い。ここは読まなきゃわからない。
現代では旅役者=ネット、と考えられるかな?


「仁左衛門恋し」
小松成美 世界文化社 ¥2000
小松さんといえば「中田」と思うけど片岡孝夫改め15代仁左衛門も「インタビューが小松さんなら」ということで初の対談本を引き受けたという実力の持主。
p171秋田の「幸」楽館という間違い(誤植?)は残念だったが、親子4人の座談会は個性的なきょうだいの様子が一読の価値あり。秋田にも襲名披露に来県。見に行きました、県民会館。もちろん満員でした。

9月9日(月)

「気ままわがままおしゃれ学」
原田武志 チャネラー ¥1800 
イギリスを中心とした旅とファッションの本。イギリスといってもイングランド、ノースアイルランド、スコットランド、ウェールズとそれぞれの自然やファッションの背景を語っている。
ワールドカップでもイングランドとアイルランドは別に出ていたし、ベッカムのチームはイギリスじゃなくてイングランド、ですね。


「秘密の友人」
アンドリュー・クラヴァン 角川文庫 ¥780
スピード感あふれるサイコサスペンス。これが面白かった人には「消えた少年」(ラストが切ない)「眠り姫」(ラストが似ている)もおすすめです。
冒頭の殺人シーンは村上龍の「イン・ザ・ミソスープ」に似ていると思った。
解決してゆくように見えたエリザベスの症状のその後もだが、誘拐されたジェシカのその後が気になる。


「ケア父さんと太陽母さん」
住吉克明 評言社 ¥1400
平塚らいてうの「原始女性は太陽であった」を思わせる(実際文中でも引用)タイトルと内容。
でもこのタイトルに一瞬、在宅ケアを選んだ夫婦の話かしら?と思ったが、親としての子への関わり方、育て方がその後に影響するというかなり根源的な話である。
男の子だけキレるわけ、反抗期と言わず、混乱期と呼ぼう、女の子の持つ一体不安など興味深く読める。
本来太陽であった女の子を萎縮させてしまうのは、「女の子は○○でなければならない」というような育て方、思春期にキレてしまう男の子は、赤ちゃんのとき「生きてゆく不安が強い」のでよく泣くが、その不安に親が右往左往せずにどーんと構えてやる、ことなど、いい時期に読めば参考になる一冊。

9月2日(月)

「忙即閑を生きる」
大岡信 日経新聞社 ¥1400
10年前の本。図書館の良いところは、家の書棚で10年前なら片隅に忘れ去られてしまう本もきちんと整理されていて読む気にさせるところ。
さてこの書名、「忙中閑あり」という言葉に対する大岡氏の造語であ〜る。
最初のほうで(p13)「読書というものは余裕があってするものではないと思う」には身を持って?同感!
言葉の持つ社会性に関しても(p116)子供にきちんとした日本語を身につけさせるには、の問いに対し、「挨拶がきちんとできるようにすること」と一番に述べ、次いで、「終わりまできちんと言うようにさせる」こと、これができないと子供は相手に判断をまかす甘えた態度を取り、いつまでも大人になれず対人関係も成熟しないって慧眼ですね。


「素晴らしい一日」
平安寿子 文芸春秋 ¥1333
一昨年のオール読み物新人賞受賞作品。
安寿子さんの呼び方は「やすこ」さんかと思ったら「あずこ」さんだった!もし兄弟がいたら「ずしお」くん?
どの作品もさすがに良く出来た一冊。なにか読もうかな、と思ったらおすすめ。個人的には最後の「商店街のかぐや姫」が良かった。


「トーキョー国盗り物語」
林真理子 集英社 ¥1200
これまた10年前の本。でも小説は10年たつと時代の景色が変わってしまうからこれまた懐かしいような本。でも、めげたりしつつも女性が生き生きしているところは、「素晴らしい一日」に通じる時代の流れか?


「フロー型発想のススメ」
辰巳渚 ジャパンタイムズ社 ¥1400
「『捨てる!』技術」の著者である。他に「『暮らす』技術」、「常識を捨てると世の中が変わる」等。
泉生協、グランマート、ついにヤマキの隣にジョイマルエー(噂)に囲まれて暮らす我が家ではかなりフロー型かも。パブリックストックとしての図書館から本も借りるし・・・

8月27日(火)

「京都スタイル」
濱田由利 毎日新聞社 ¥1500
始末な暮らし、フスマも壁も古いままがいい、という母の暮らしは年のせいか、と思っていたが「京都スタイル」だったのね!と強引に?納得?するに至った興味深い一冊。
もちろん作者は京都で何代・・・という人にあらず。京都人の暮らしと心を描いていて2度読みするほどお薦め。
若者のしゃがみ文化に眉をひそめる大人の皆さん、40年前の農村は皆しゃがんでお昼を食べていたのさ、と書いた一面も斬新。


「小澤征爾と子供たちへのまなざし」
石井清司 NECメディアプロダクツ ¥1400
タイトルが国語学的には「?」と思ったが久しぶりに行ったクラシックつながりでマエストロオザワの本借り。
彼がこれほど「子供たちにクラシックの芽を」と考え実行している姿、長野五輪の五大陸第九の実現に奔走するスタッフ、企業メセナなど、彼のオーラで動くものがたくさんあることを思い知らされた一冊。
恩田陸が唯一実名で作品にエピソードという形で登場させているのも納得。


「看とりの愛」
日野原重明 春秋社 ¥1619
ターミナルケア、老いに関して昨今ブームが続いている。ナースの最高峰(と、某大学病院の看護婦さんは言っていた)聖路加国際病院名誉院長で、91歳にして現役医師の日野原氏の読みやすい一冊。
娘の夏休みの課題図書ってとこです。

8月19日(月)

「江分利満氏の酒食生活」 
山口瞳 角川春樹事務所 ¥1000
95年に亡くなった時は,まだ若いよな、と残念に思ったが、今頃になって借りたのは@帰省の車中にベストサイズ,A中身も休暇にピッタリ、と思ったから。
ベストサイズというのは97年にランティエ叢書として発刊されたシリーズ。
どれも面白そうなタイトルが並んでいる。ランティエとは高等遊民、若いときは仕事に身を砕き、中年以降は旅、登山等を楽しむ人のこと。日本人では西行,利休を指す、とのこと。これから教育費がピークになるであろう木村夫婦がランティエになるのはいつ?


「夢よぶ啄木 野を行く賢治」
山本玲子 牧野立雄 洋々社 ¥1600
岩手といえば啄木、賢治。あと10年啄木が生きて賢治と交流ができたら・・・とか今までとは違った視点でも読ませてくれる。
けっこうこれで啄木に新境地の留美子。今までは賢治作品派だったけど。ただ最近は高橋克彦氏の本でちょっと違ってきていた賢治ではあるが。
夏休みにはすがすがしい一冊だった。


「見よう,聞こう、書こう」
重松清 KTC出版 ¥1400
しゃべり場、プロジェクトXと同じく好きなNHKの「課外授業 ようこそ先輩」の重松版である。
こんな作文授業を見ちゃう(読んじゃう)と、本当に「お手本」という感じ。
「作文宿題」と言われるけど、これだけ丁寧に完成を掘り起こすことは授業時間のなかでは難しいだろう。
でもそこはそれ、「ゆとり教育」で変わるかも?日本!乞うご期待、でしょうか?
作文指導の為に、今時の子どもの感性のためにもご一読の一冊。しかし偶然これまた相手が小学5年生なんだな。ハリーや千みたいに。いかにこの年代が大事か、ということの証明かしら。あと転校についても重松さんらしい見方をしているので転校予定や転校宿命の親にも読んでおいたら、の一冊。

8月10日(土)

「お金とモノから解放されるイギリスの知恵」
井方慶子 大和書房 ¥1500
読んでいるとイギリス的な生活って好きかお、とおもう。p188「つまりイギリス人は、どんな設定の中でもどこかでふざけている。笑い飛ばすことですべてを乗り切ろうとするんだ。そのふてぶてしさこそイギリス人の力の素」とは意外な感じだけど。


「イチレツランパン破裂して」
高島俊男 文芸春秋 ¥1762 
週刊文春「お言葉ですが」シリーズの6巻。そうそう、このお手玉歌,母や叔母、おばあちゃんがやってみせるとき(初孫なので皆が相手をする状態だった)、ここだけ意味不明だったの!で借りてみました(p92に答えあり)
そしたら「荒城の月」の歌詞の件で,大学の恩師岡先生の昭和女子大時代の文献が引用されていて(p247)、なつかしさと、嬉しさ、というかなり個人的な一冊。秋田の人も「イチレツランパン」って歌ってた?


「小説の秘密をめぐる12章」
河野多恵子 文芸春秋 ¥1714
「話題沸騰の・・・」に惹かれリクエスト。図書館に行くと案の定「早く返して」コール。
12章それぞれがある意味作品論風な展開なのが人気の秘密と思われた。
河野さんは谷崎作品がお好みのようだ。


「開高健のいる風景」
菊谷匡祐 集英社 ¥1600
大江か開高か、と思うほど二人の作品に浸った時期があった。作品的にはノーベル文学賞を取るなら「大江か遠藤周作」と言っていたが、狐狸庵つながりで人間的には開高氏にもかなり親しみを持っていた。
氏の身近にいた人の描く開高像と、「オーパ!」周辺、とても興味の持てる一冊。

8月4日(日)

「クマのプーさん心のなぞなぞ」
ジョン・T・ウィリアムス 河出書房新社 ¥1600
日本人のディズニ−キャラクターの人気第一位が今年プーさんになったそうである。アメリカでは以前からミッキーよりプーさんだったとか。
やはり潜在的に癒しを求めるのか?とこの本を読むと思う。鍵になりそうな一冊。


「転職先は私の会社」
中谷彰宏 サンクチュアリ出版 ¥1500
上の一冊とほぼ同じ値段だがすぐ読めてしまう一冊。
軽やかに起業してゆく女性達の潔さが、かえってこんな世の中には心地よいほど。
p150 しゃべることはリスクを伴う、p153 小さく産んで(起業規模のことです)大きく育てればいい、p166 涼しげに仕事をしたい、p196 70点で合格なら100点とる労力は無駄かも、p232 サービス業は仕切ってナンボなどうんうん頷きながら彼女達のくぐってきた修羅場を思う。

7月27日(土)

「月心寺での料理」
村瀬明道尼 文化出版局 ¥2600
NHK朝のTV小説「ほんまもん」で発揮されたごま豆腐他の精進料理を季節の文章と共に掲載した一冊。思わずそのいくつかを料理メモに書き写す。一見質素に見えるこんな生活が現代では本当の贅沢なのかもしれないね。
だから「♪タ・カヤナギ(グランマートも)♪」の地産地消も秋田にいるからこその贅沢ね


「シンプルで優雅なニッポンの暮らし」
造事務所 角川書店 ¥1400
ポリシーを持った来日ミセスたちのシンプル論の展開は読んでいて嬉しい一冊。
麻布の「BLUE & WHITE」にも行ってみたいもんだ。


「東京夜ふかし案内
大人の時間シリーズ 交通新聞社 ¥1429
夜のない町東京の個性的なそぞろ歩きに立ち寄りたい店々の本。今回の私的掘り出しもんは渋谷区桜丘、かな。時すでに若者たちの興味も代官山から中目黒に移っているようで、となると、ますます渋谷区がんばれ!


「人生の教科書『よのなか』」
藤原和博 宮台真司 筑摩書房 ¥1500
でも¥1500払うなら絶対にこの一冊!すっごくよくて中高生の社会・総合学習・進路を具体的に説明している(ということは「夢を持て!」的な理想論でなく、シビアに、ということ)こういう教科書もおもしろいよなぁ、と久しぶりに「読んでみて、みて!」といえる一冊である。特に「ハリーと千尋」世代を卒業して人生や進路などちょっと大人になってる子供たちの親へ。なかなかこんなこと諭せないよ、というものがある。

7月20日(土)

「ハルビン・カフェ」
打海文三 角川書店 ¥1800
裏切り、嫉妬、権力への欲望・・・早くも今年ベスト1!の声、に惹かれてリクエスト。でもリクエスト3冊一気読み、のはずが先述の2冊より○○○○すぎる・・・!登場人斑一人一人を交互に一章づつあてているし、その人物が多すぎるので深みが今一つ。もしこの本を読んだ人は是非感想をお願いしたい。
1000枚読む時間と労力があるならやっぱ松岡洋祐もの、だな。


「奄美、もっと知りたい」
神谷裕司 南方新社 ¥1800
元ちとせは奄美の神の声、と絶賛されているが、ありました!p116に元さんの高校時代の歌っている写真と実績が!歌は心という言葉がぴったりの「ワダツミの木」の独特な歌声。
やってみたいマングローブのカヌーツアー。


「虚妄の東北王朝」
安本美典 毎日新聞社 ¥1400
サブタイトルは「歴史を贋造する人たち」である。
徹底して東日流外三郡誌」を否定しぬく様子にびっくりしてしまう。「きわものっぽいな」と思っているのと、「贋作、贋作」と言って一冊本を書いてしまうのでは大違い(笑)
1993年ごろこんな論争があったのね・・・と高橋克彦氏を思い出す。

7月7日(日)

「青いクレヨン」
川本三郎 
タイトルに惹かれて借りたショートショート集(短編よりはもっと短いのだが、コラムに非ず)。短い一文、現在形の多い文末。日本の各地、自然、心情の機微が切り取られた一冊。
ストーリー的に面白いのは「燃える林」
不勉強で、永井荷風の「断腸亭日乗」の断腸(花)が『しゅうかいどう』の花のこと、とはここで知った。(p41)


「うさぎのミミリー」
庄野潤三 新潮社 ¥1400
今は亡き遠藤周作、吉行淳之介を覚えた頃に遠藤氏の本で知った作家。もともと穏かな作品を書く人だったが、これもまた多くの子供や孫との往来や日常身辺を描いたもの。介護を学んだりすると、こんな老後は羨ましいな、とおもう濃やかさ。
孫がきちんと礼状をくれる姿は見習わせたい伝統だと思う。


「文体とパスの精度」
村上龍 中田英寿 集英社 ¥1600
対談形式、メール交換形式のこの本は、前回のフランスワールドカップの世界選抜の一員として欧州選抜と戦った中田の感想からスタート。その時点ですでに中だが2002W杯で日本がやってたチームの選手とシステムの技術、戦術を語っているから進んでいる。すごい。


「あかんべえ」
宮部みゆき PHP研究所 ¥1800
前作の「あやし」よりずっとこなれて面白く読めた一冊。昔版「リング」と言えば読んだ人にはわかるか?一気読みすると涙してしまうかも、のラスト。

7月1日(月)

「毎日がコメ騒動」
あんばいこう 平凡社 ¥1500
農業(米作り)が好き、と思わなければ続けられない現状。でも、日本の秋田の基であってほしい稲作。だって今頃こまちで通る仙北平野辺りの水田と緑深い山々はやはり宝だと思う美しさだもの。うちの米の消費量毎月20キロ。


「男の運命は『女』で決まる!」
桜井秀勲 三笠書房 ¥1300
なんか「利家とまつ」みたい、と思いつつ借り。内容は面白かったので、独身だったら読んで、みればぁ〜?という一冊。だって結婚している人には遅?いえいえしっかり離婚も勧めています(恐)
著者の持論は35歳までだったらチャレンジ精神が旺盛だから、生き方の賽は35歳までに投げよ、だそうだ。


「岸和田少年愚連隊 完結編」
中場利一 本の雑誌社 ¥1800
あれ?なんでまた出てるの?と思いつつ借り。「ケンカして街を流して、いつも突っ走っていた。さらば少年」の帯が泣かすぜ。椎名誠を髣髴。いやもっとバトルか。

6月23日(日)

「彼らの神」
金子達仁 文芸春秋 ¥1190
この著者、この表紙、と思えば手にしてしまうでしょう。(っていうかぁ、『日本が勝つために』とタイムリーな新聞広告に図書館リクエストしたのは私・・・)
でもサッカーだけではなく、スポーツ全般と経済効果、勝つための設備投資など硬派な内容。
彼の主張する『スポーツは文化』今回のW杯でサッカーが文化になってゆくか?
第六章、青学出身、イングランドサラセンズにいるラガー、岩渕健輔の言葉。「あるスポーツだけの為に努力しているだけでは世界で戦えず、語学が必要なのはもちろん、引退したあとの人生未来図を描けることが可能性を信じる力になる」という部分は至言だと思った。


「神かくし」
南木佳士 文芸春秋 ¥1333
秋大医学部卒、現長野県佐久総合病院勤務。これも老いを見つめた短編集。「火映」の中でp90『前もって故意に力を抜いてから階段を下ってゆくような文章』と登場人物に言わせているが、この辺が人生を半分以上生きてきた人たちに共感を呼ぶのかも。


「おじさん的思考」
内田樹 晶文社 ¥1900
帯が良い。『こつこつ働き、家庭を大事にし、正義を信じ、民主主義を守る(中略)いまや風前の灯と化した』おじさん像を描いた一冊。
第四章の漱石が明治以降の大人(おじさんのロールモデル)を作ろうと立ち上がった、という分析がうまい!中学以来の「虞美人草」ほかを読み返そうかと思ったほど。
でもとっても「がはは」なのはp162、p168のまことちゃんのページ!わかる、わかるって!

6月16日(日)

「誕生日の子どもたち」
トルーマン・カポーティ 村上春樹訳 文芸春秋 ¥1619
カポーティという懐かしい名前、しかも訳がカポーティ好きと昔から言っていた村上氏とあれば、手にとってしまうじゃありませんか!もちろん内容は題名どおり、カポーティ本人と重なる部分も多々あるかと思われる「郷愁のアメリカ」の子供たちが描かれている短編集


「ふぐママ」
室井滋 講談社 ¥1280
昔から滋ちゃんは好きだったが、あるときから突然女を出して来たなあ,と思ったらどうもふぐママの事務所に入ってかららしい。(映画「居酒屋ゆうれい」あたりから着物の似合う女になってきたよね)2人してO型で、p143「小心にして大胆」「繊細なくせにどんぶり勘定」「クヨクヨ悩んだ末に能天気」と自ら頷いているが、それよりp196「O型の人だけピロリ菌への免疫力が無いから胃がんになりやすい」と言ってたのでご注意。逸見さんはO型だっけ?


「果てしない宇宙の中で思う未来のこと」
毛利衛 数研出版 ¥1280
2回目の宇宙行きで確かに毛利さん変わった、と感じていた。その秘密が本書に。
日本科学未来館にも行って見なくっちゃ。最近の中学生は修学旅行でコースになったりしてるのかしら?
自転車好きで筑波宇宙センターもママチャリで疾走、というのに好感。ヘルパー講習にいらしてくれた秋田大学心理学の御大S・怜名誉教授もチャリでした!

6月6日(木)

「年収100万円で生活する本」
実藤秀志 経済界 ¥1143
こんなタイトルの本がおいてあったらつい借りてしまうじゃありませんか。しかし著者は独身。そのためか生活面の具体策は『主婦向けの本を読んで』という形で逃げられているのは仕方ないか。
サラリーマン諸氏にとっては資格取るなら一番は税理士,社労士,司法書士だそうで。もっとやる気のある人はこれらすべての資格に登録OKのロースクールに挑戦!とのこと。いやはや。


「神の肉体 清水宏保」
吉井妙子 新潮社 ¥
スケーター清水の肉体とパワーの極限まで鍛えられる日常は「解放」という言葉がぴったり。
確かに人間の能力は3割しか使われていないとか、潜在能力とかいうが、脳死に近くなるまで心拍数を上げると(220まで)、視床下部にかけていた使われていないパワーの鍵が開かれる、というすごい話である。しかもアイルトン・セナなど他のスポーツ選手も同様の体験をしているとか。うーん・・・


「泣くより怒れ」
佐高信 毎日新聞社 ¥1500
今の日本たしかに泣いてる人は多いはず。
前半は読書日記風の書きかた。無明舎のあんばいさんの作品をとてもかっている。人柄の方を評価しているのか。
後半の書簡風エッセイ政経外科が骨太でおもしろい。学商竹中平蔵氏への再三の批判、長嶋批判、ラストの織田信長への手紙など政治的背景などもふんだんに入れてくれ興味をひく。

5月27日(月)

「チェンジ!」
舛添要一 ダイヤモンド社 ¥1400
今の日本の閉塞性を何故?と思う主婦にわかりやすくて、私的には支持したい意見満載の本で、是非おすすめ。偶然自分が漠然と考えていることが文章化されていたので2度も読み返してしまったのかな?わかりやすさ、と言う点で買うならこれ。


「家づくり7軒とことん奮戦記」
愛川欽也 講談社 ¥1500
家は3度建てないと満足するものは建てられない,と聞くが7度とは!どうやって見習うねん!
でも役に立つ実例も随所に。
未だにアパート暮らしの我が家は子育てや食費に家7軒分使ってるってことか?(愛川家には子ども無し)冷蔵庫は小さいんだけどね


「和楽」 小学館5月号
これは書店で扱わない雑誌。最近無駄な返本を防ぐためか?購読予約と言うパターンが増えている。たしかベネッセでも「CROSS?(クロスと片仮名か?)」という旅の雑誌を創刊してなかったっけ?
読書日記に載せていいの?雑誌じゃん、と言われそうだが¥1000前後の婦人雑誌は写真や広告も多いが結構アップグレードな記事も充実。貸してくれたMさんに感謝。
特に今回は「島全体がアートスペース 直島」特集に注目。ミュージアムの設計も安藤忠雄だし。がや広韓国もいいけど直島もね。是非他の方もHPご覧下さい。
http://www.naoshima-is.co.jp


「あやし」
宮部みゆき 角川文庫 ¥1300
岩井志麻子の土俗性ほどはおどろおどろしくないが、「悪いものがみえてしまう」主人公と市井の人の江戸時代の怪談話。
なぜ彼女がこの作品集?と思う独特の作品集。


「諸葛孔明を愛した女」
芦澤直美 文芸社 ¥1600
タイトルにひかれて借りてみた。
あとがきで作者が「近年三国志ファンになり、このストーリーを思いついた」と種明かししており,まったくの虚構である。(だからちょっとがっかり)
ただ偶然描かれている孔明のいる蜀という国について。p53『地味が肥え、鉱山資源、木材資源に恵まれた<天府の僻地>』という国の様子はわが秋田のようじゃありませんか。頑張れ秋田!出でよ諸葛孔明。


5月20日(月)

「布が織りなす暮らし」 
西村玲子 NHK出版 ¥1400
おしゃれと布が大好きなイラストレーター、エッセイスト西村さんの本。少々昔の本だが、布と言う点が加えられて楽しく読める。


「不便なことは素敵なこと」
桐谷エリザベス マガジンハウス ¥1500
ファストフード一辺倒からスローフードも、という姿勢も出てきた日本を見直そうという本。
先日読んでいたオグ・マンディーノの一連の作品でも感じたことだが、ここでも「アメリカの精神やものの考え方が日本人の精神風土に受け入れられるか」ということを再考させられる一冊。
作者のエリザベスさんは「日本人の心性は保守的だが,家の新築、新しい店への好奇心など、物への変化は好むらしい。アメリカ人の場合、日本人ほど歴史がない国なので、家などは古いものに価値を置くが、ハウツー本の人気は、良い方向へのチャレンジ精神が旺盛なのでよりよい自分になりたがる」という指摘をしている。


「センセイの鞄」
川上弘美 平凡社 ¥1400
去年大人気になった(がおそらく地味目の主題なのでTV化はされないだろう)一冊。
高校時代の老教師と、ツキ子さん37歳の淡々とした恋の話。
ツキ子さんの日々の送り方は37歳でも独身ならではのペース。子持ち,さらに仕事もちの37歳にはおそらくこういう時の流れ方はないと思う。毎日が慌しくて。
結局ラストで一緒になった先生は亡くなってしまうのだが、このセンセイ最初から既にこの世の者ではないような枯れ方である。


「銀座ママが教える『できる男』『できない男』の見分け方」
ますいさくら PHP研究所 ¥1200
こう言うの読むところがミーハ-チックとつくづく思う。
銀座の会員制クラブ「ふたご屋」を経営する若き双子のママの語る男性論。
カラオケで歌うなら盛り上げと締めにはこんな歌など具体的な部分もあり。「花の名前を知っている男はできるやつ」というところはちょうど今画像投稿ページの為に花の名前修行中の夫を思い出しくすり。しかし「読むもんかこんな本!」と言ってたくせに読んだ夫はすごく怒っていた、という一冊。

5月13日(月)

「それでも『人と会おう!』」
横沢彪 新講社 ¥1238
おおらかに人と会おう、自分の嬉しさをお届けしよう,旬な出会いをした友との思い出は宝物になる。
あなたと話が合うのは論理的な人?感覚的な人?初対面の人の目をみてわかる。左目の大きな人は感覚的な人,右目の大きな人は論理的な人(p120)など、多くの人との出会いを生業とする横沢さんらしいアプローチをしていて面白く読める。


「新・竜の柩」上下 
高橋克彦 祥伝社 各¥1300
YUKAさんから借りた「竜の柩」で敵だった鹿角とともにノアの方舟(UFO)に乗り、イアユタルの導きでシュメール文明に行ってしまった九鬼たちが、日本の古事記(創世記の神の世界)にも関与してゆく。
縄文時代に一人残ることを決意する鹿角の影響が強くなっていく「霊の柩」までをつなぐ作品。
この三部作を通して生き生きと現実(と言ってもタイムトラベルしているのだが)に立ち向かっていく登場人物東の姿は、井上靖描く「しろばんば」以降の青春作品の主人公洪作に似ていて結構好きだった。
夫はやはり、主人公の九鬼虹人さんが好き、だそうで。


「白神山地・四季のかがやき」
根深誠 JTB ¥1700
この季節だもん、新緑の白神!と思って借りた。
美しい写真に感動できるが、秋田に住んでいるならやはり行ってこそ、だなあ、と思いながらページをめくっていくと、山の幸料理に気を惹かれている食い気のまさった私なのであった・・・

5月8日(水)

「熱球」
重松清 徳間書店 ¥1600
新刊すぐで借りられてラッキー!野球本だし,郷愁感てとこがつい前クールまでTVでやってた木更津キャッツアイを髣髴(結構好きで見ていたの)
「どのチームも負けるのは一度だけ」というさだまさしの歌詞を借りて(この歌を聞いた時は目からうろこ!),ザワ爺の葬儀で静かに語る「負けの美学」が中年族の心をくすぐるに違いない。
「ナイフ」「エイジ」「ビタミンF」と読むといつも感動できる青春の一冊


「肩ごしの恋人」
唯川恵 マガジンハウス ¥1400
直木賞受賞作。へえこれが受賞作?と思うほど「こぎれい」にまとめられた切ない世界。なんたってるりこの潔さが心地よい。
新しい恋愛小説,と帯にはあったが,内容に不自然さは感じないほどにすでに現実は小説よりもスリリング!


「言葉の魔術師からの贈り物」
オグ・マンディーノ KKベストセラーズ ¥1200
「12番目の天使」にあまりにも感動した娘が自費で購入。珍しや。著者の最後の作品で,ラストで主人公がこれから売り出そうとする最高,最上の講演者(オグ氏の本業もそうである)が急死してしまうところが暗示的。
それにしても全体がいかにも「熱狂的でタフな」アメリカらしい。「自己啓発」がはやっているところも。
日本のIT不況を例にしても,アメリカの技術を日本に普及することはできても,日本の精神風土や感性に受け入れられるかは別のような気がする。

5月1日(水)

「竜の柩」上下 
高橋克彦 祥伝社 各¥1300
YUKAさんより借り。牛と竜の伝説を日本,世界を舞台にダイナミックに描いた作品。対決の動機があまり強く感じられず,ラストで九鬼の敵の鹿角も一緒にノアの方舟にに乗ってしまうところもすこしあいまいさが残る。しかしスケールの大きいエンターテインメントで,長い休みに一気読みしたい2冊。続きの「霊の柩」も面白く読める。横尾忠則の表紙がイメージにぴったり。


「霊の柩」
 高橋克彦 祥伝社 ¥2500 
これもまたよくこんなSFチックな大作が出来たなあ,と感心しながら618ページを一気読み。このホンでついに神話の世界を離れタイムトラベル,パラレルワールドが語られる。でも確かに宮沢賢治,江戸川乱歩の生きていた大正時代のタイムトラベルなら興味津々なのはわたしだけ?


「東京圏 これから伸びる街」
増田悦佐 講談社 ¥1800
「生きの悪い街」に家や職場を求めると損。以前面白く読んだ加門七海の「大江戸魔方陣」他の著書も参考に「街の持つ力」を考えていく本。「生きのいい街」は回遊性を持たせた両性具有街(渋谷周辺・下北沢・吉祥寺など)次の人気は「おんな街(銀座・青山)」ラスト「おとこ街(新宿・池袋)」だとか。これって女性や学生に人気のある町に重なる。秋田市は「おとこ街」?「おんな街」?「両性具有街」?駅前商店街の解決に一石となる一冊か?

4月16日(火)

「ハリーと千尋世代の子どもたち」
山中康裕 朝日出版社 ¥1300
手元に置きたい価値ある一冊。
子どもの小学校時代の講演会で「子どもがべたべた甘えてくるのは9歳ぐらいまで。そのあとは親より友だちに惹かれてゆくのだからそのとききちんと手が離せるよう,面倒でも9歳までの甘えは受け止めてあげよう」と言われ,今になれば我が家もまさにその頃が親離れ第一期だったようである。
10歳の千尋と11歳のハリー,「前思春期」というくくりにして,この年代こそ「高速道路で200キロでぶっとばしているような(危険な),それでいて人間の到達する最深部もしくは最高部に達してしまう時期」(P54〜)としている。
これはまた,高橋克彦の「ドールズ」でも展開しているように,魂(前世)がその存在を示すのは10歳まで,というのにも似ている。
また,人間は0〜3歳までに「人間としての関係性」を体験し,名前を呼んでくれる人がいて初めてその子は「自分という存在(名前)」を知る(p112〜)など,本を読んだ人,映画を見た人,子育て中の人にお薦めの一冊!


「サイモン・セッズ おしゃべりな目玉焼」
柴門ふみ 小学館 ¥1200
10年前のエッセイである。「30代(柴門さん当時)は女の華よ,頑張って」と言われ,こう書いている・・・
「おそらくロングヘアーが許されるのも30代までだろうし,安っぽいTシャツにジーンズ姿がかろうじて許されるのも30代まで。10人並みの女は40過ぎたらジーンズはやめたほうが無難である」
10年たった私は・・・本日「姉VERY」創刊。


「ハツエザウルスは今日も笑う」
工藤美代子 新潮社 ¥1300
NHKの朝ドラの原作になった一冊。大工さんになるやつ。「ひらり」じゃなくて「あすか」じゃなくて,「オードリー」じゃなくて・・・かくしゃくとしたパワフルな作者の母上を恐竜に見立てた一冊。身内の物語だがこうなりたいよ老後。

4月9日(火)

「現場者」
大杉漣 マガジンハウス ¥1300
「生涯一教師」みたいなタイトルね。ご存知映画,TVで大活躍?(うちの母娘にだけか?)の「漣ちゃん」の自叙伝風エッセイである。渋くてお茶目,渋チャメを目指す「漣ちゃん」の活躍,バイタリティはますますめざましい。


「実学と虚学」
保阪正康 プレジデント ¥1500
大学生(高校生以下も?)の学力低下が叫ばれて久しい。子どもの教科書をのぞくと明らかに自分の頃より難しそうで,情報の絶対量も増えているはずなのになぜだろう?
この本も正規入学者より通信制(社会人)大学生の方がはるかに学ぶ力がある,と具体的に述べている。もっとも昔も今も15歳や18歳に具体的な将来の目標は決めにくいと思うが。


「司馬遼太郎考」
小林竜雄 中央公論 ¥1900
価値ある一冊。図書館さん買ってくれてありがとう,という充実した本。
哀しいのは,幻となった「小説ノモンハン」。
準備段階で取材者から掲載禁止を求められた直接のきっかけとなったであろうS氏との対談。司馬さんは平成6年に亡くなったが,S氏はその後もかくしゃくとして戦前以上に日本の命運を握る大きな存在となっていること。
空海からオウム真理教への言及も興味深い。


「男の子ってどうしてこうなの?」
スティーブ ビダラフ 草思社 ¥1400
女の子二人の親だが昨今の女子の強さ,翻って男子のやさしさを考えようとリクエストしてみた。男女雇用均等法とか,ワークシェアとか,パート主婦でも社員並みの仕事って女性を頑張らせてくれるのは必要な人には結構なことかもしれないが,それで男性がふがいなくなっていくとしたら,種の保存的には違った方向に向かっているかも。たとえ「立派な人のクローン」ができてもね。


「暗鬼」
乃南アサ 文春文庫 ¥476
カルト宗教の迷走に翻弄された90年代に書かれたこの本は,「家族とは宗教である」というコンセプトを貫き,恐ろしいが,でも本当にそんなところがあると思うし,人はどちらかにすがるというのもわかるし,という意味で面白かった。


「千里眼の瞳」
松岡圭祐 徳間書店 ¥1900
映画化された「催眠」の稲垣吾郎,「千里眼」の水野美紀はぴったり,と思ったが,今回の登場人物,李秀卿をたとえるなら,きりっと視線のケリー・チャンだな,とイメージしながら553ページを読んでいった。
2001年12月31日初版なので,田中真紀子元外相,ニューヨークテロ,そして最近の北朝鮮による日本人拉致問題がリアルタイムで書き込まれていて緊張感を持って読める作品。ラストのTDLのアトラクション,イッツ ア スモールワールドのところが涙を誘う。

3月27日(水)

「伝説」「漂泊」
金子達仁 文藝春秋 各¥1600
スポーツエッセイを売れ筋にした第一人者。’98W杯前後の「ナンバー」のサッカーエッセイは珠玉。いよいよ2002、だからね。「中田語録」「鼓動」の作者小松成美(サッカーファンとしては羨ましい限り)さんとの対談はそれぞれの視点が感じられて面白かった。増島さんもいるよね。


「書斎からの空飛ぶ円盤」
高橋克彦 マガジンハウス ¥1200
NHK大河ドラマ「炎立つ」を書いていた頃雑誌「ダ・カーポ」に連載。「星封陣」で物部氏を、「竜の柩」で牛と龍の神などに少し接してないとUFOの話なども興味は持てないかも。自分としてはストーンサークル、クロマンタ、新郷村と興味は尽きなかったが。


「ぼっけえ、きょうてえ」
岩井志麻子 角川書店 ¥1400
夫が借りてきたH氏推奨の一冊。出てすぐ借りたが読書日記にはアップしてないので再読。独特のタイトルと民話調、方言どっぷりの内容。そのせいかどれも昔何処かで・・・と懐かしい感じ。「依って件のごとし」のタイトルって、大正、昭和初期の小説(内田百閧ゥ芥川?違うか?)か中国のことわざ、古語?とにかく出典が気になる。「件」という小説を読んだと思う。気になりながら読んだ。

3月18日(月)

「綺麗の法則」
藤原美智子 三笠書房 ¥1300
メイクというとTVで注目は、かづきれいこさんだが、NYのRUMIKO、秋田出身の著者も有名。しかも本人は秋田美人であるからますます説得力がある。自分自身をプロデュース、という意識の持ち方って大事ね。


「ほどよく長生き 死ぬまで元気 遺産そこそこ 遺書はしっかり」
鈴木輝一郎
とは主人公の父親が言ったせりふだが、最長不倒?のタイトルである。タイトルどおりほんの短期間に病人、老人を抱え、奔走する長男の奮闘振りをコメディタッチで描いている、と思うのは長男の方々には酷か?携帯が鳴ると、「今度はなにがあった!?」とテンション高く出てしまう姿がリアル。また、子どもが入院して付き添っている妻に、「とりあえず俺は何すればいい?」と聞いて、「うちをよごさないで!」という妻の一言もリアル。また、高齢のために身体はきかないのに、息子である著者の父親(70過ぎ)を案じて「代わってやれないもんかねえ」と何度も言う祖母がユーモラスである。(著者は、自分に代わってやれ、と言われたようでいつも「代われねえよ!」と心で言い返すところも爆笑を誘う)


「紅一点主義」
林真理子 文藝春秋 ¥1190
女にとっての理想の状況、それはライバルなし、ひとり勝ちの男性たくさん、紅一点というやつである、と言い切るいつものおもしろエッセイ。一転ハードな「この国の子どもたち」は良い。


「『秋田物部文書』伝承」
進藤孝一 無明舎 ¥1854
ついに唐松神社に関する本まで借りてしまった。学生時代授業で取った「古事記」、日本書紀とは別の天孫降臨神話がここにはある。比べてみると大和物部氏(旧事本紀)に良く似ている。守屋×馬子・・・と思っていたら奇しくも3月15日朝日新聞によると石舞台古墳(蘇我馬子の墓と言われる)級の巨大石室を持つ古墳が奈良県で発見されたと言う。まとめでは、大陸文化は東北地方にもあったということ、一族が中央志向・中央政界志向を持ったときに戦いが起こり犠牲者が出るというあたりは物部氏の歴史の悲哀を感じる。訪れた唐松神社では愛子様ご誕生祝賀の新しい幟が印象的だった。

3月11日(月)

「フランスの田舎町」
吉村葉子 「旅名人」編集局 日経BP社 ¥1500
フランスにワインのファームステイに行った従姉妹。一年で帰国の予定が6月に延び、8月に延長し・・・アルザス、ナルボンヌ、ディジョンと居を替えるたびに近況メールをくれるのだが、、ワインのことも土地柄も悲しいことにちんぷんかんぷん。ついに美しい写真のこの一冊を図書館新刊コーナーで見つけてお勉強。ディジョンは語学学校があるためか日本人が多いらしい。


「知的〈手仕事〉の達人たち」
鶴見俊輔他 トランスアート ¥1900
ちょうどNHKの朝ドラ「ほんまもん」で渋い山伏のおじいちゃん役が似合ってる佐藤慶さん、実はすごいガリ版の達人。(作品も掲載)あの「模倣犯」のヒットで知られる宮部みゆきさん速記の仕事が作家へのよい勉強になったとか。コンピューターワークになる部分も多かったけど、一番面白かったのは、アルファベットを漢字の表記体系にした中国の徐冰さん。全く新しい(もちろん読めない)漢字を作っている人。例えばp178 SQUARE WORDを漢字2語に表記したやり方はなんとなく理解。この書きかただけでも立ち読み?されたし。この英単語が漢字2文字になってるんだから。


「自助論」
スマイルズ 三笠書房 ¥1143
スマイルズの「自助論」、『天は自ら助くる者を助く』、1858(明治4年)中村正直「西国立志編」。近代史や日本文学史で暗記したような本が、竹内均氏の現代文になり、1998に登場。なぜ今頃この本がうちにあるのか?と思いながら読む。p167「面白半分の乱読は(中略)人を無気力におとしいれる」等々、「本物の知性からは程遠い」等々・・・・つらい・・・


「物部長穂」
川村公一 無明舎出版 ¥2500
エミシ、アテルイ、高橋克彦からどんどん離れ、(でも「星封陣」で興味を持ったの)今度は物部文書と思い郷土資料のコーナーに行ったらこれが!私に読んでというごとく。唐松神社に縁のある人で、現代日本の道路・治水・河川・ダム工事の礎を築いた巨星がいたとは!行ってみた、唐松神社。ちょっとマニアック?

3月4日(月)

「星封陣」
高橋克彦 大陸書房 ¥1500

日本版「ロード オブ リング」と言ってよいだろう。
物部氏の宝を巡る蘇我氏との闘い。もちろん子孫と言うことで姓は変わっている。
これをまた高橋氏得意の東北を舞台にスピーディな展開で読ませてくれる。
個人的にとても好きな大湯ストーンサークルをはじめ、戸来(ヘライ)村、横手市、唐松神社など、秋田、岩手、青森の嬉しい地名がたくさん出ていて、しかも秋田は訪れたことがある地形が目に浮かび、マニアックにおもしろかった!
その後の氏の作品「アテルイ」「九戸政実」などは心を燃やしながらも物量作戦で国家権力に敗れてしまうが、珍しくこれは政治家になった蘇我氏末裔に物部氏が不思議な力で勝つ(主人公が死なない)のも特徴的。
日本ではスケールが大きすぎて映画化できないだろうけど、やったら北東北活性化?唐松神社物部文書も学べばいいのかしら?教えてくれたYUKAさんに感謝!!


「テーブルの上のしあわせ」
大橋歩 集英社 ¥1500
ゆったりした時間が流れる食と住のエッセイ。写真や大橋さんのイラストでいっぱい。


「時の肖像 小説中上健次」」
辻章 新潮社 ¥1700
芥川受賞作の「岬」以来骨太な文章と繊細な感性の作者として独自のポジションを感じていたが、彼が亡くなった時は「ああ、長生きはしなかったろうな」と妙に納得した作家。その短さはやはり短命に思われた開口健を無頼派にしたように感じた作家だった。
p135の辻氏との会話「文豪らしい文豪は?」で谷崎潤一郎、という結論に達し、その理由として@思想性の無いことA私小説作家ではないことというところ、そして辻氏が「中上自身は太宰的」というところに共感した。


「TOKYOランドマーク」
別冊宝島 宝島社 ¥1143
以前読んだ一流アーキテクチャーてんこもりの「建築家という生き方」に出てきた人々の作品たちがごろごろ写真で紹介されているランドマークな一冊。

2月25日(月)

日記に書くほどではない本を2冊読んでいた。「千年の恋」の脚本をベースにしている早坂暁の「恐ろしや源氏物語」、横森美奈子さんのファッション関係の本である。そうしているうちに2月13日付けで読んだ高橋克彦氏の「眠らない少女」の中の短編であり、ドールズの一作の「紙の蜻蛉」につながっている「ドールズ 闇から来た少女(1987)」「ドールズ 闇から覗く顔(1989)」2冊とYUKAさんお薦めの「星封陣」がリクエストによって集まって来た・・・・


「When I’m 64」
 三木卓 小学館 ¥1500
雑誌やサライ等に掲載されたエッセイ。
子どもや若者の前に壁となる強烈な印象を残す年配者であれ、という姿勢にはエールを送りたい。
おすすめの一冊。


「ドールズ 闇から来た少女」
高橋克彦 中央公論社 ¥700
出版が1987となっているので、初期のドールズか?2月13日付の読書日記で上げた短編集「眠らない少女」のなかの「紙の蜻蛉」の怜ちゃんこと泉目吉が誕生?転生?するまで。


「闇から覗く顔 ドールズ」
高橋克彦 中央公論社 ¥1200
1989,1990と婦人公論に連載。「紙の蜻蛉」「お化け蝋燭」「鬼火」「だまし絵」の4つの短編では、7歳の少女怜ちゃんに転生した江戸時代の天才人形師泉目吉が完全に怜ちゃんと共生?しながら事件を解決と言う形を取っている。転生というテーマについては遠藤周作の本でもかなり昔に読んでいた。それより、「ドールズ」というタイトルは怜ちゃんちの喫茶店の名前でもあるし、人形師目吉にも通じるのだろうが、「老いの現在進行形」にもあった吉本隆明氏たちの言葉ではないが、人間の身体や能力は遺伝することがあっても魂は別物(吉本氏たちの本では、だから親たちは子どもの将来をあれこれきめつけるな云々、というテーマだったのだが)、というところにも通じてゆく気がする。魂が入って人間になる、みたいな。

2月18日(月)

「まほろばの疾風」
熊谷達也 集英社 ¥2200
アテルイ同好会?の仲間YUKAさんが貸してくれたこの本。お互い去年から「北の耀星アテルイ」にはまっている。このタイトルがなんとロマンじゃありませんか!
結婚して秋田に住み、晴天に湯沢からはるかに浮かぶ鳥海山、古代の香りする大館と南と北に住んで、かつては「まほろば」と言えば奈良だったが、東北もそうだったんだ!と心から畏敬の念を持つに至った。
これは完全に小説で、アテルイの少年時代にもかなり枚数を割いている。一緒に処刑されたモレを女性にしたところが今までとは違う視点。うーん,これをドラマ化するならモレは常盤貴子ちゃんか?強さをアピール江角マキ子か?YUKAさんなら誰?


催眠とお湯の心理学」
針生亨 針生亨退官記念事業会 
図書館にて古代史関係の本棚をあさっていたら「読んで・・・」というかのごとく置いてあったので手にとってしまった。
何を隠そう(って隠すほどのことでないって!),双子を出産するとき入院していた大学病院で取り上げてくれた先生の一人(双子は必ず二人で担当、と言う話だそうだ)の御主人様だったのであーる!そう今は手形方面に開業した針生クリニックですね!(個人的)
退官記念文集ということだが、ザ・ブーン初め身近な温泉の話題や以前はまった松岡圭祐の「催眠」に関する話題なので不思議な縁を感じつつ読んだ。秋田市に転勤で来た人は温泉に感動するけど、以前いた大館も町に14箇所の温泉、入り応えがあったぞ。


「〈老い〉の現在進行形」
吉本隆明・三好春樹 春秋社 ¥1600
介護の現場の三好氏と老いの中にいる吉本氏の対談本。
吉本氏も溺れてからどっと老いたらしい。興味深かったのは、老いは足腰の衰えでなくバランス感覚の衰えだという三好氏の現場からの指摘。
教育問題・親子問題なども語り、「罪と罰」を引きながら、当時の酒鬼薔薇事件・切れる17歳への言及、加えてP150〜p152女の子の中に「罪と罰」のソーニャ的な子がいればこのような事件は起こらないこと、あらゆる女の子の中にあるソーニャ性によって女の子は今の閉塞性を乗り越えている、というところはうちでも同じ話を双子としているので共感。
p24「老人ホームと保育園を同じ場所に」は以前から私も考えていたのでますます同感。

2月13日(水)

「古代東北 まつろわぬ者の系譜」
武光誠 毎日新聞社 ¥1400
‘まつろわぬ者’と言われても、ITやTVのない時代、突然‘朝廷’の人間が来て「税金払いな」と言っても理不尽ちゃう?と思うのは当たり前の話だろう。
読み進むうちにp203「国司の支配を確立するために朝廷は俘囚系豪族と一度は矛を交えなければならなかった」というのが東北古代史上における蝦夷と朝廷の争いの系譜なのだろう。アメリカと中東のようである、と言ってしまえば極論だろうか?
秋田城が舞台となった元慶の乱(878年)も、じりじりと租税を上げながら、北海道の海賊(渡島)から住民を守ってくれない国司良岑近著に対し地元の豪族が怒った,と見ると今の国政にだって通じそうである。
この本で再び光があてられるアテルイと田村麻呂。軍事力と言うよりは政治力と教化策で蝦夷に養蚕・農業指導などを教え、富ませることで朝廷との共存を図ろうとする田村麻呂と、慕われ長に祭り上げられながら次第に協力者の減ってゆくアテルイの姿は豊かなアメリカに屈服してゆく第二次世界大戦下の日本のようだ。侮れず古代史。


「美女入門」
林真理子 マガジンハウス ¥1200
いけない,いけない,と思いながらも、読みはまってゆくミーハ−な私。いつもの内容にダイエットが加わり、地位もお金も美も手に入れてゆく林さんのタフネスさが爽快。身体だけはこわさないで欲しいわ。


「眠らない少女」
高橋克彦 角川書店 ¥2200
しつこく借りてる高橋氏はいかにも盛岡(=岩手=東北)出身の作家だと思う。この本は1992年出版らしいが、p204「なぜかわたしは星に魅せられている。満天の星々とか銀河という言葉が好きで,大抵の長編に一度や二度は使っている」とあり、同郷の宮沢賢治や「北の耀星 アテルイ」を髣髴させる。
星の美しい季節は冬,と思う関東出身の私だが、東北の冷たい空気とまたたく星はぴったり!と思うようになった。どの短編もおもしろいわ・・・・怖くて!!そしてまたまたこの関連本2冊の「ドールズ」借りているのであった・・・


「私はおっかなババァ」
室井滋 文藝春秋 ¥1238
ご存知ムロイのすっぴん魂4.がんばれムロイ!と思わずエールを送りたくなる「当たり前の怒り」の本。図書館で騒いだ少年達を叱って殺されたホームレスの人を考える

2月7日(木)

「身辺怪記」
坂東真砂子 朝日新聞社 ¥1236
これを読むために「狗神」を予習?した。阿仁マタギツアーに参加したり,古代史好きという作者に親近感を覚えるエッセイ集。


「骨董市で家を買う」
服部真澄 中央公論 ¥1400
美しい写真に惹かれて借りた本書は「龍の契り」でデビューした作家の一冊だった。どっと入った印税で東京に古民家を移築っていう豪気なお話。でも最後に「とても満足はしているけれど、広々とした景色の中にあってこその民家の品格」と白状しているところが本音だろう。


「模倣犯」(上下)
宮部みゆき 小学館 ¥1900×2
幸運なことに借りて読むことが出来た。shizuko様に感謝!
この分厚さながら夫婦で一気読み。ドラマ化したら面白そうな構成(ピースは藤木直人クンか?)宮部さんの本は「蒲生邸・・・」「クロスファイア」のTV・映画化がある。
大橋歩の表紙も久しぶりに見ると秀逸。
もちろん評判どおりの面白さで,去年は掲示板でも友人とのメールでもこの本とハリーの一年だった。
タイトル通り、この本の模倣犯が出ないこと,いないことを望む。現代は小説よりもスリリング、だから。

1月31日(木)

「蝦夷の末裔」
高橋崇 中公新書 ¥620
前九年・後三年に焦点をあてた書。ここまで続けて蝦夷関連の本を借りているが、秋田側の史料は少なく残念。秋田城という朝廷側と、在住民の確執などありそうなものだが・・・秋田の人って温厚なのね。恩荷のその後も知りたいものである。鉱物資源・農業などの点で東北では豊かな秋田、と言われるが(その故に総理大臣も出ないとか?)、稲作が始まった時代はむしろ大変だったことはわかる。


「この世で一番の奇跡」
オグ・マンディーノ PHP ¥1200
「12番目の天使」は泣くほどの感動、と言った娘が借りてきたが(じゃあ何故読ませてくれないの?と聞いたら友達の間で引っぱりだこだから速攻で返却、とのこと)、宗教観のない娘にこの本は今一つのようだった。さて「この世で一番の奇跡」はなんでしょう?読むと納得。その先へ進むかどうかはその人次第。


「四十雀の恋」
柴門ふみ 角川書店 ¥1200
同年代と言うこともあるが、なんていいネーミングなんでしょう!「40からの恋」とは!しかも偶然44歳にしてホームヘルパー2級の資格を取るとは!(文から察するにN学館であろう。受講料は8割バック、だろうな)つくづく自分にぴったりの感性、と共感するのだが、学生時代の友人にもっと似てる人がいる。面白い内容でおすすめはもちろんだけど、エピソード中心の前半から後半にいくと、p140「40代は失ってゆくことになれなくてはいけない」とか、p151「女は44歳から47歳までが一番つらい」p153「専業主婦のプロって水商売のプロに似ている」等々感心することしきり。予約者多くすぐ返して、もうなづける。


「狗神」

坂東真砂子 角川書店 ¥1400
今頃読んでごめんなさい。同著者のエッセイ「身辺怪記」も借りたのでまず作品と思って読みました。「坂東真砂子をマークせよ!宮部みゆき、高村薫に続く第3の女性はこの作家だ」と帯にあったが、当時ならやはり「マークスの山」だったね。「死国」に続き、出身地四国を舞台にしたホラー。日本人らしい感覚で描かれた世界は岩井志麻子に通じる。でもこの人の経歴って面白くて、建築を専門に学び、児童書も書いてるんだよね。

1月25日(金)

「山崎えり子の28時間設計」
山崎えり子 家の光協会 ¥1300
一時間(60分)を50分で一区切りにして28時間として考えて4時間(と言っていいのだろうか)分のゆとりを作ろう、と言う本。ハウツー物、というよりは時間への心構えを説いている。リクエスト本だったが、次の予約者あり、と言われダッシュで読んだ人気本。


「日高見の時代 古代東北のエミシたち」
河北新報社 ¥1300
去年アテルイ関係の小説を読み、わらび座にアテルイを見に行き、払田の柵に行かなければこんなにみちのくの古代史に
はまることはなかったなあ、と思う。いつも考えることだが考えることだが、つくづく「場の持つ(魅)力」について思いを馳せる。
奇しくも併せて借りたのが秋大の新野直吉氏の「古代史上の秋田」だが、先に「日高見・・・」を読んだ方が東北のアウトラインをつかめるし、新野氏談と言う形で登場しているので興味が湧く。

なかなか本文中に秋田が出て来ず、出ても横手周辺か県北が主体。だが、秋田城、八橋油田の天然アスファルトが出てきてちょっとうれし。
p215和賀在住で民俗学者・作家の菊池敬一さんが「東北の水を飲み、空気を吸えば、だれもが、‘エミシ’になるのではないでしょうか」と言ってた文がなんか郷土愛を感じて嬉しい。
秋田に古くからある由緒ある姓・藤原経清の「大負の道にかけて不負の道に至る」考え方・巻末余話三題として、@横手市金沢の厨川の固めにカジカ(伊藤金之助氏談)
A大館市二井田の錦神社平沢良致氏談)B中尊寺のアテルイの刀にも興味津々。


「古代史上の秋田」
新野直吉 秋田魁新報社 ¥927
先に読んだ「日高見の時代」を秋田史という観点から言及。朝廷の機関であった秋田城、秋田古代史上に登場する諸将の姿、大陸との交流や山岳信仰などが平易に書いてあってとてもわかりやすい一冊。

1月19日(土)

「檀流きものみち」 
檀ふみ 世界文化社 ¥2500
友人のMさんが、
「この間母親と着物ショーなるものに行ったんだけど、‘今のあたしぐらいの歳のとき紬とか持ってたよね’と訊いたら‘2枚ぐらいあった’と母親が言ってた。思い出すと母親達って結構着物買ってたよね」と言った。(ここでの母親は60代〜70代です)
 言われて私も同じ事に気づきあ然とした。
 そういえばあの頃の親って専業主婦だったから、やりくり?へそくり?上手?
 今の私たちって国民的には皆中流とか言われて豊かになってるはずなのに,どこにお金を・・・?あこがれている着物に世界が自分のものになる日はいつ?



「崖っプチだよ,人生は!」
中村うさぎ 文藝春秋 ¥1238
芥川賞が発表されったって言うのにこんな本読んでて・・・!と言うのが図書館利用者の悲しいところ・・・
ご存知週刊文春連載エッセイ、ショッピングの女王シリーズの3である。
景気雇用低迷の時代、タイノーセイリマンこと港区役所滞納整理課とのバトルも壮絶?ながら、数々のブランド品を購入しながらも、なんとかゲットに繋がるカード支払い能力(これを能力と言っていいのか?)が、ここまでくると小気味よい。
そういえば1月18日付の朝日新聞で、東京文藝倶楽部代表理事なる人が投稿してて、「我が国の一億中流意識は、所得や資産というステイタスでなく、何を持っているか,買ったかという消費によって支えられてきた」と書いていたが、今この世の中で本当に中流意識は維持できているのかな?


「あの店で料理を習う」
平凡社 ¥1600
良質の特集で読ませる「別冊太陽」大人の学校シリーズの6。他に@やきものA染めと織りB書C染め織りD京都で伝統工芸をそれぞれ習ったり,楽しんだりするシリーズが既刊(AとCの違いは何?)
殆どの店が東京で、つくづくお金があれば東京は楽しい,と思う。デパ地下も充実してるしね。
でもテレ朝のJチャンの激安ショップ見てると,秋田以上に生活費ってかからない気もする。この東京の持つ落差って一体・・・

1月12日(土)

「家の匂い 町の音」
久世光彦 主婦の友社 ¥1600
サブタイトルの「昔卓袱台があった頃」にふさわしい、‘時間ですよ’‘小石川の家’につながる久世さんらしい名文


「田中康夫が訊く どう食べるか どう楽しむか」
田中康夫 光文社 ¥1500
蕎麦、おでん、寿司ほかの日本料理、イタリアン、フレンチ、中華に韓国、ワイン、ホテル、旅館、お茶屋等々での一流プロに教わる至福の時の過ごし方。3度くらいは繰り返して読みたい。


「神様のボート」
江國香織 新潮社 ¥1400
うしろの「新刊本」を見ると、「6番目の小夜子」があった。「リング」「らせん」の鈴木光司の「光射す海」があった。昨年辻仁成と共?競作した「冷静と情熱の間」のヒットでも知られる江國さんの一冊。子どもの自立に伴って揺れてゆく母親のこれまで(の人生)が読ませる。奇しくも男という木を支えに生きる葉子と、たくましくなってゆく草子という名前がぴったり。ただし結末は安易、というか膨らみに欠けるかも。


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