RUMIKOの読書日記

2006年
カウンター設置 2003/02/11

 

12月25日(月)

「High and dry(はつ恋)」
よしもとばなな 文芸春秋 ¥1200
山田詠美様「風味絶佳」も映画タイトルは「シュガーアンドスパイス」ばななさんは初恋を「ハイアンドドライ」どちらも内容に合ってるのよね。文中でも重要キャラとなる妖精さんのイラストが随所に、そして絵本風に。14歳にしては大人びてる主人公に濃いが訪れる瞬間を「景色が金粉をまいたように輝いている」という描写が秀逸。確かに時代として空気が輝いている年代があると思うから。


「夢について」
よしもとばなな 幻冬舎文庫 ¥457
この本は前にも日記に書いたような気がする。2冊続いてのばななさんである。夢についてのエッセイだが完成度の点では内田百閧フほうが良く出来ているかも。も前に書いているはず。ここで紹介したいのは文庫本の裏表紙「夢は美しく生きるためのもうひとつの予感」というステキなフレーズ。

12月15日(金)

「天使のナイフ」
薬丸岳 講談社 ¥1600
昨年の江戸川乱歩賞。増えている少年犯罪を扱ったタイムリーな一冊。なんてもっともらしいコメントをしなくても3日で詠み終えるということはまぎれもなく面白い、ということなのだ。しかも主人公は蓮田に住んで仕事場が大宮、という埼玉人にはますます親近感なわけで・・・ラストの主人公の娘が今後どう育ってゆくのかにまで考えを馳せたりして・・・

12月11日(月)

一冊で書くのは不本意なのだが今までかかった、ということで書かずにいられず。
「御開帳綺譚」
玄有宗久 文芸春秋 ¥1238
この人の作品は対談の方が面白いかも。2編入っているが本題のほうは時間の流れと主人公の思いが交錯して人間関係が分りにくいまま話が終わってしまった。禅的にはそれでいいのかもね。それでも難儀して読み通し、2編目に進んだのは腎臓移植の話でタイムリーだったから。

11月26日(日)

「こころの休憩室」
大原健士郎 亜紀書房 ¥1600
日経新聞に掲載された「ちょっと気ままに」というエッセイ。読み通すと「気ままに」生きてきた著者が奥さんに先立たれたことが一番ショックで後悔している様子が描かれほほえましい。まさに後悔先に立たず、の見本。


「きれいな色とことば」
おーなり由子 大和書房 ¥1300
表紙がいわさきちひろの色使いと筆遣いなので借り。色にまつわるエッセイ集でこころほんのり。p36「プールの水色」で「水の中から水面を見上げると。外の世界とガラスの板で仕切られているみたい」ってまんま2世紀美術館の作品そのものの世界。

11月20日(月)

「絲的メイソウ」
絲山秋子 講談社 ¥1300
「沖で待つ」も文体の爽快感を感じたが、エッセイでも人柄がにじみ出ている感じ。営業職としての仕事ぶりが目に浮かぶような書きっぷりを味わえる一冊。
「東京キライ、群馬人になっちゃう!」と言い切っているとこ「東京者には負けたくない」と言い切ってた青森出身、「デスノート」で注目の松山ケンイチ君みたい。


「おそうじ、料理がニガテでも家事がもっと好きになる」
岩里祐穂 集英社be文庫 ¥700
読んでいるうちに著者よりご主人の家事のやり方に個人的に共感する部分が多々あるが、それは性格と言うことで二人で折り合いをつけながら暮らしていく様子をゆっくりと味わえる一冊。いまどきの夫婦はこんな感じで自然に家事を分担していくのかなぁ、と思いつつ読み。

11月10日(金)

「本物時代が幕をあけた」
船井幸雄 ビジネス社 ¥1500
1、噛み合わせこそが健康の根本、という治療法と、「むらつゴールド」という義歯素材
2、マイナスイオンこそ健康の源ということでフンザの水をヒントにした「マグスティック」
3、エコロジカル、シックハウス、ローコストが信念のアンビエックス代表相根さんのエコビレッジ構想の日野プロジェクト
4、倒産予知のアラーム分析手法伊藤さんの「あらかんソフト」どれも初めて聞いたが面白いものばかり。4以外はこれからは健康ってことで。

11月6日(月)

「みちのく職人衆」
野添憲治 社会評論社 ¥2500
みちのく、秋田の職人たちへのインタビュー集。樺細工、鋳物、能代凧から百姓、という職人としての肩書きで玄北秋田市の金さんも登場。
先日見たTVで芸能人のMGさんと現地ガイドの人で白神山地を登る、というのをやっていたが現地ガイドの人の表情の方が格段にいい顔だった。地に足のついた生活、自分の仕事に誇りを持つ尊さが描かれた一冊。

11月1日(水)

「平成おとぎ話」
河合隼雄 潮出版社 ¥1400
実は2000年ごろ読んでます。今回は10月21日、22日に行った娘の大学の親の会のあとでつい図書館にあったのでまた借り。以前国際フォーラムを行っ時の本をもらっていたが、そこに出席してくれていたのが河合さんで、ご自身がこのおとぎ話で「感性と工学」というタイトルでそれについて書いていたので。平易なエッセイ集で人気の一冊。


「中年の達人」
高橋祥友 講談社 ¥1500
中年になるのは誰でも生きていればできるが「達人」まで極めるのは難しい・・・そんなシフトダウンの生き方を教えてくれる読み安い一冊。重い内容をとっつきやすく、という点では是非ご一読を、と言いたい本。
わたしもつくづく考えていることを後押ししてくれる文章p60「時折、私は親の世代の方がよほど豊かな生活をしていたのではないかとさえ考えてしまうほどである。」

10月23日(月)

「江戸に学ぶ『おとな』の条件」
神崎宣武 講談社 ¥1600
確かに江戸時代、いや昭和初期だって50歳といやぁ立派に世間にむねはってる大人だった。夏目漱石のお札を見よ、渋いじゃありませんか。一億総若作りの今、かえってそれぞれの年齢をきちんと生き切ることの難しさなど考えながら読了。
すごく良かった一言。p207「文化とは、それを共有するものにとっては『ぬくもり』のようなものである。」じんとくる名言。


「古代を考える」
青木和夫 岡田茂夫 吉川弘文館 ¥3000
多賀城から考える東北の歴史と蝦夷。奥州藤原氏の栄華を待つまでもなく独自の文化を育んでいた東北大陸の懐の深さを味わえる一冊。しかも土崎の介護先ではリアルに佐竹氏以前の道の歴史を教えてもらうし・・・しかも今月のこまちの中の雑誌の特集もちょうど蝦夷支配に関してだったし。


「スプートニクの恋人」
村上春樹 講談社文庫 ¥571
なぜ今この本か。その1、この本を読んだ頃には日記やってませんでした。その2、画像投稿したいほどおしゃれなブックカバーをくれた友人が本も貸してくれたから。きっとこのカバー、皆さんも見たら感心するはず。
たいとるは全体に関係あるとは思えないが、愛=地球の周りをぐるぐる回りながら決して戻ってこられない犬(主人公のたとえか?ソ連が打ち上げた人工衛星スプートニクには犬が乗ったまま回収されていない)が窓から?じっと静かな目で地球を見ている姿が浮かんでくるラブストーリー。
どの人物も自分を探しつつ今なら解離性人格障害になったかと思われる虐待を受けた被害者のようなミュウと25歳教師でありつつ生徒の母親と関係を持つ「わたし」って衝撃。

10月15日(日)

「エンジェル」
石田衣良 集英社 ¥1600
「池袋ウェストゲートパーク」は世に出たが「14」はまだ、といった頃の作品。
死者が自分を殺した犯人を追いつつ父子関係の深い溝に迫る作品。いつもながらのスピード感は魅力である。
映画「ゴースト」でも主人公が苦しむところだが、「愛するもの、憎むものに触れることが出来ない」という点がやはり流れの重要ポイント。さてでは彼はどのように真相を探り復讐若しくは次の犯罪を阻止するのか、は読んでのお楽しみ。


「贅沢貧乏のマリア」
群ようこ 角川書店 ¥1400
ようこさん本人の暮らし方や考え方を森鴎外の娘茉莉さんの暮らしと比較して描いた面白い視点のエッセイ。少女時代の茉莉さんをうらやましいけどついていけない、と評しつつp217「晩年の彼女の部屋はすごかった」、p228「ひとりぐらしは本当に嫌」というのを知って愕然としつつ、中年の自分は将来「ひとりぐらしが嫌だと思うような生活はしたくない」と結んでいるのが印象的でなんとなく同感。ヘルパーとして茉莉さんのアパートに行ったら○○屋敷なんだろうなぁ、と想像する。だって本当に多いんだもの、現役は立派な肩書き、でも今は○○屋敷。

10月5日(木)

「1ポンドの幸せづくり」
井形慶子 青山書籍 ¥1300
最初の2冊「古くて豊かなイギリスの家 便利で貧しい日本の家」「お金とモノから解放されるイギリスの知恵」の方が新鮮で良かったかなぁ、と言う感想。しかし今回も上質なエッセイとして味わうことは出来る。


「トクする女」
わかぎゑふ 中央公論社 ¥1450
うーん、確かに結婚も(婿養子、しかも年下イケメンのようだ)仕事も家も確実に手に入れている、という点ではかなりお得してるかも。タイトル通り伸びやかに生きて、結果得な人生になってる、という感じの力の抜けたエッセイ集。独特な目をしたイラストはいつもどおり。

9月24日(月)

「三度目の正直玉子魔人」
高橋克彦 中央公論 ¥1750
さすがに玉子魔人も三度目となると大家の趣で作品魯にゃ自分史的な思い入れが強くなっているが、興味ある人の作品のため面白く一気読み。


「ジーコスタイル」
中小路徹 朝日新聞社 ¥1500
ジーコというカリスマを代表監督と仰ぎながらNAKATAの引退で幕を閉じた2006W杯。まだ6月のことなのに遠く感じられるのはわたしだけ?本選までの経過と分析を読みつつ「一人反省」の一冊。というのももちろんこの本が結果が分かる前に出版されたからで・・・

9月16日(土)

「人間的な」
石津謙介 三五館
先ごろなくなったVANの創設者石津氏のエッセイ集。彼もまた阿部牧郎「それぞれの終楽章」のように人生を4期に分けている。そして奇しくも自分の今後に向けて書いた文はすべて遺言という文章が今となってはリアルすぎ・・・


「どうもいたしません」
檀ふみ 幻冬舎 ¥1400
南伸坊さんの描いた表紙があまりにも檀さんの雰囲気で好感なので借り。檀さんなら表題のような言葉遣いをしそう、と納得できるほど檀さんの日常の言葉使いは美しい。心安らぐエッセイ集。

9月3日(日)

「誰でもSYARAKU」
保倉勝美 文芸社 ¥952
秋田では考えられないだろうが三時間の通勤列車のなかで描き始めたスケッチから個展を開くようになり、この本まで上梓、という幸せな一冊。埼玉在住のようね〜、東京まで遠いわよね〜、混むのよね〜と自分も渋谷通い組なのでしみじみとそっちにも共感。タイトルが「誰でもピカソ」に似てる、と思いきやどちらも画家だもんね。


「美しいテーブルマナー」
松本繁美監修 日本文芸社 ¥1300
この年になってなぜ、と思ったが発作的に借りてしまう。読みやすそうだったから。そしたら意外「娘に買ってあげよう」と思うほど実用的でコストパフォーマンスもいい。「SYARAKU」とどっち、といわれたら主婦はこっちを買うわね。即発注。

8月29日(火)

帰省で会った友人たち、去年までは親の介護の話題でしたが今年から親もだけど自分の健康が話題に。脳も鍛えなくっちゃ!と偶然友人の死を取り扱った作品を2冊。

「それぞれの終楽章」
阿部牧郎 講談社 ¥1200
s62の直木賞受賞作。新聞で薦められて借り。北秋が舞台。登場人物まであの店の人か?などと思いながら読み。でもおそらくこれが出版された20〜30代に読んでも主人公たちの気持ちには添えないのではないだろうか、と思うと年を重ねるのも悪くない、ということか・・・似た感じの「沖で待つ」も次に読むし。50代までを人生のシンフォニーの第3楽章、そして残りの人生を終楽章、としているところがロマンチックでもあり、きつくもあり・・・


「沖で待つ」
絲山秋子 文芸春秋社 ¥952
今回のではないが芥川賞受賞作。同期とは恋人以上の戦友になれる、というところがいまどき多くの共感を呼ぶところであろう。事故死した同期の男性太っちゃんが実は詩を書いていて、そこに「沖で待つ」というフレーズがある、というのが表題だが、この言葉が恩田陸様「ネクロポリス」の「アナザーヒル」や彼岸、という感じで象徴的でいい。

8月25日(金)

「新世界のおばあちゃんの知恵袋」
株式会社イーメディア
この年になると日本のおばあちゃんの知恵袋はいまさらって感じだが(はっ、もしかしてすでにおばあちゃんの知恵を出す年齢ってことかも)他の国々の知恵比べの薀蓄がおもしろいかも、という一冊。


「木村家の人びと」
谷俊彦 新潮社 ¥1500
もちろん題名によって借りたのは言うまでもない。そして3編皆結構爆笑できたからすごい。初めての作家だったがさすが東大卒の作家(って作家に関してはほめ言葉というのだろうか?)じーん、よりストーリーの面白さで勝負ってことね。そう割り切って読めばいーわー、木村家のたくましさ、親もだけど小学生の娘!

8月7日(月)

「○○○○」
新潮社 ¥1800
あまり大作家なので書名と作家名は書きません。『5年の歳月を費やして』『新しい小説の形』と帯にあり、上下揃っていたのでラッキーと思って借りましたが、短編なら読み終わってしまう127ページを超えても登場人物の輪郭がはっきりせず、背景ばかりが立派に描写されているのでため息を付いていたら夫、「そうまでして読むことない」。そうです、限りある?読書生活を苦役で浪費?できない、ということで断念。これを思えば「ダヴィンチ・コード」だって読めるって。


「ほとけさま」
白洲正子 ワイアンドエフ ¥2300
昨年辺りから夫白洲次郎氏ブームである。先日も関連本が出版されていたようだ。良質の文章というのは時を経ても不変である、とつくづく思うコストパフォーマンスの高い一冊。特にp30「魅力ある老人、特にきれいなお婆さんは少なくなったように思う」は高齢化の進む現在もますます考えたいフレーズ。「巧く」年を取る、ことと、いつまでも若々しいといわれる「万年少女」への言及も鋭い。

7月31日(月)

「舞台裏おもて」
山田庄一、吉田蓑助 マール社 ¥1800
歌舞伎、浄瑠璃、能、狂言と日本の伝統芸能の舞台裏(支える人々や道具立てなど)を味わうことが出来る写真多数の贅沢な一冊。入門としてはとりつきやすい。


「恋はさじ加減」
平安寿子 新潮社 ¥1300
向田邦子になれそうな料理小説(というジャンルがあるだろうか?)別に作り方のうんちくが傾けられているわけでは決してないが。そう思うのは男女の機微がクールに描かれているところが向田さんかと。
裏扉に搬入?購入年月日が押印してないほどの新刊ぶりに感激!って借りて大丈夫だったのか?

7月28日(金)

「証」
山中忍 文芸春秋 ¥1238
いやはや内容はわかっているんだけど、W杯ご祝儀?で買ってしまった川口本。GKの選手生命は長い、とはいうものの、オシム監督の心はいかに?少なくともドイツのGKは歳が近いから全トッカエ、ということもありかも。個人的には結構西川いい。いやはやこんな個人的な感想なのでお勧めとか貸しますと言っても借りる人は・・・でもありがとう、結婚してしまってファインセーブだったよ、今回。


「好かれる女性の『ものの言い方』」
赤羽建美 日本文芸社 ¥1200
金八先生恒例のらすとでの一人ひとりへの呼びかけで、ある女の子に「感じのいい人になりなさい」というシーンがあったがまさにその通り、とつくづく感じる一冊。何か言われたとき一度すとんと心に落として素直に謝れること、感謝できること=オープンマインド、ということかも。最近はガードが固すぎて倍がえしで言い訳するが増えているかも。周囲にも口げんか王のように言い返すやり取りを見ているとそれだけで「この人の育ってきた環境って・・・」と思うほど。私たちが皇族の女性たちに清々しさを感じるのもそういった穏やかな空気があるからかも。

7月21日(金)

「イルカ」
よしもとばなな 文芸春秋 ¥1267
最新作。今までわりと若くて独身だったヒロインがついに妊娠、出産してしまう展開。そしてそこに現れるのが妊婦にありがちな「別の命がある」ことの影響のような第六感。その新しい別の命をはぐくむ、というより驚く、というところをえぐった一冊。


「風味絶佳」
山田詠美 文芸春秋 ¥1229
本当に森永キャラメルなら書いてあるであろう「滋養豊富 風味絶佳」の文字。なんか見たような気もするし。そこから小説を書いちまう、というところが作家はスゴイ。デビューから20年を過ぎてこんな風味の恋愛小説が出来ました、という一冊。
私には「PAY DAY!」以来の佳き短編集。もちろん珠玉は表題作。
痛快なのはp22「自分のいる場所が世界の中心」若い頃なら胸キュンワードp110「たったひとりにだけ、いやといいは同じ意味になるんだよ」・・・うまい!

7月13日(木)

「北斎の罪」
高橋克彦 大陸書房 ¥1200
いくら出版が1990年とはいえ、しかも既に読んだかもしれないような気がするとはいえ面白すぎるミステリーである。こんな安くして大丈夫か大陸書房。名著「竜の柩」とそのあとのシリーズの始まりを思わせる短編もあり高橋氏らしさの薫る一冊。ここで出た龍に関する考察を読んで最近行った五嶋「龍」の才能を思ってしまうのもまた楽し。


「たまりませんな」
伊集院静 双葉社 ¥1500
やはり伊集院静は小説で(いい意味)人をだましてほしい。どうも夏目雅子の夫=好きだった人、というイメージがまだあるので理恵ネェ(イラスト西原理恵子さん)とのコラボとギャンブルネタではそれこそ「たまりませんな」そしてそこが面白いんだろうけど。

7月9日(日)

「忘れえぬ人」
山口瞳 河出書房新社 ¥1500
何で今頃新刊でと思いつつ借り。既に山口さんが忘れえぬ人なってしまっているじゃん。なつかしい作家たちとの交友エッセイ。山口さんの芯は「いやしいか、いやしくないか」でできているようだ。そしてそれは大切なこと。その具体例はp112、陶芸家辻清明さんの章で厳しく書いている。あまり厳しくてここで書けないほど。


「出羽の落日」
土居輝雄 東洋書院 ¥2000
タイトルが落日だから、というわけではないが名家安東家の一代記。歴史的に薄幸の感がぬぐえぬ安東氏を地元の作家が光を当てている。思えばちょうど今やっているNHK大河の「功名ケ辻」と少し時代が重なる。佐竹氏と入れ替わりに常陸へと国替えとなる様子が家臣八郎太と共に描かれてゆく。そして八郎太と娘は・・・

6月30日(金)

「きよしこ」
重松清 新潮社 ¥1300
出版された時気になっていた本。帯が良い「大切なことをいえなかったすべての人に捧げる」そしてぴったりの孤独感を漂わせた少年の横顔の表紙のブルー。重松さんの真骨頂。
p37では、昔子供が小さかった頃「ゴマちゃん(本当のタイトルは少年アシベなんです)」を実ながら「苦手な友達には博愛がためだぁ〜」と指導?していたのを思い出す。


「食べる日本語」
早川文代 毎日新聞社 ¥952
著者の専門は調理学、官能評価学。でも日本語に関してこんなアプローチもあるのね〜と面白く読んでしまった一冊。食感表現や食べるときの音(オノマトペともいう)などを文献を引用しつつ解説。

6月26日(月)

「まじめな生活」
大橋歩 大和書房 ¥1400
書き下ろしと「チルチンびと」からの掲載文ということもあり、今という時代をまじめに生きようと提言する本。そんな内容だからあたりまえだけどモンペ風パンツをはいた大橋さんの自画像やイラストが沢山。団塊には受けるのか?やはり。


「仁部治身の美しい暮らし12ヶ月」
仁部治身 マガジンハウス ¥2000
「まじめ」に続いて「美しい」である。いったいどんなうちに住んでいるんだろう?と思われそうな読書の展開。身近なもので身近な暮らしを美しく、がてテーマのこれは写真入りの本。アフリカの自然の過酷さに10キロやせ・・・という部分もあり。仁部さんも今はちょっと体調悪いのだろうか?心配。


「ニッポンの食卓」
石毛直道 平凡社 ¥1300
貸してくれたOさんはおそらく平野恵理子さんのイラストと表紙にも惹かれてご購入なされたのであろう。いつもありがとう。民俗学者にして食の第一人者の石毛氏が食材から台所用具まで知識を繰り広げる面白い一冊。

6月17日(日)

「あやまりたいの、あなたに」
内館牧子 幻冬舎 ¥1300
ここ数週間の読書のタイトルを見る血「愛しても届かない」「聖家族のランチ」「地上8階の海」そしてこの「あやまりたいの、あなたに」となんかおしゃれなタイトルの女性著者の本が続いています。
東北大学大学院に進学して世間をあっと言わせた内館さんの最近の様子が描かれたエッセイ。
p180「美人を育てる秋田米」の章で学者の気質、創作者の気質について述べているところが面白い。
ちょうど教育実習を終えた娘が子供たちからいろいろな心をもらっていたようだがp200「子供の力」でNHKの課外授業「ようこそ先輩」のことに触れているところもスゴクいい。


「ひなのころ」
粕谷知世 中央公論新社 ¥1500
3月生まれだから手に取ったというわけではないけれど、子供の心ってゆっくりゆっくり育ってゆくのよね〜、となつかしい気持ちにさせてくれる一冊。
主人公が4歳の頃、あまりにも昔風なスタートだったのに出てくる家が水洗だったから、あら、そんなに昔じゃなかったのね、と2度びっくりの一冊。

6月15日(木)

「聖家族のランチ」
林真理子 角川書店 ¥1500
ちょっとドラマ化しにくい「OUT」だと思ってください。出てくる人物がおしゃれな料理研究家、というところがいかにも今風な人が浮かんできそうなミステリー。殺人が起こるまでの部分も面白く読めた一冊。


「地上8階の海」
角田光代 新潮社 ¥1500
え〜、角田さんてこういう作品書く人なんだ?とちょっと驚きの一冊。多分2作品とも主人公の輪郭や流れが混沌としているからかも。きっと熱烈な愛読者なら違った感想になるのだろうけど。求めてはいけないんだろうけど混沌の中に救いのない小説。

6月11日(日)

「普通の人がこうして億万長者になった」
本田健 講談社 ¥1500
サクセスストーリーかと思いきや、皆様意外と地道で誠実、でも凡人との違いはおそらく発想力とゴールへの集中力かも、という感想。


「簡単に断れない」
土屋憲二 文芸春秋 ¥1300
いつもの難解笑える哲学本。沢山のがははの中で圧巻はp125恋愛必勝法序説。そのはなばなしい勘違いがおかしすぎ。

6月5日(月)

「愛しても届かない」
唯川恵 集英社 ¥1200
若いってタフネス、なぜならp220ラストで「このままでは引き下がれない」と言うセリフをはけちゃうところ。いいぞ〜って感じの一冊。主人公には共感できないんだけどね。恋をするのは素敵、だけど醜い自分が姿を現す、というところも40代の今ならわかるわ〜・・・


「バカモン!」
永井一郎 新潮社 ¥1500
アニメ「サザエさん」の波平パパの声優さんが今の日本を一刀両断。ただし2002年の本のため現在では良くも悪くも変わってきている部分もあり。そう、前回ワールドカップのことなど書いてあるのです。しかし時代が変わっても不変のものはきちんと叱ってあげることの大事さ。p163本人も「プロとは専門の技術や能力を駆使して収入を得る人のこと」と思っていたが「プロとは責任をもって仕事を全うする人のこと」と認識したところは共感。

5月28日(日)

おかげさまで10000!姑息に恩田陸でひっぱってしまいました。その間読み返した「光の帝国」のあとがき。で既に「MAZE」「ラストゲーム」「蒲公英草紙」へとつながることをご本人が言ってました。やはり侮れず「光の帝国」です。

「日本の椅子」
島崎信 誠文堂新光社 ¥2500
どれも知ったデザインの名品たち。豊口克平(毛馬内出身)の椅子も確かに今も秋田県庁第一応接室にある、とのMK氏の証言あり。それにしても疑問再び。なぜ剣持勇は自分が手がけた京王プラザホテルオープニングパーティーの夜に自殺してしまったのだろう?


「容疑者Xの献身」
東野圭吾 文芸春秋 ¥1600
遅くなってすみません。恩田陸と直木賞を争った作品。夫はその決定が出る直前に買っているので「直木賞受賞作!」との帯はなし。
帯では「命がけの純愛が生んだ犯罪」とあるが「生きている意味がない(とXが思った者)を殺す権利」について言及するとき「罪と罰」を思わせる。しかしそこにあるのは純愛のみで煩悶がない、というのが現代ということか?
ラスト近くの感動フレーズ p345『人(ヒロインに向けている)は時に、健気に生きているだけで、誰か(Xのこと)を救っていることがある』は「白夜行」も髣髴させて一気読みの一冊。


「思い出トランプ」
向田邦子 新潮文庫 ¥360
脚本家としてすでに一時代を築いていた向田さんがこの作品集の何作かで直木賞を取って一年後には飛行機事故で亡くなってしまうから人生はすごい。
「トランプ」という題は13の短編、ということらしい。出版された頃に読んでいたら(私はたぶん20代ね)主人公を中年夫婦、と思って読んでいただろうがいまや追い越しつつある作品もあって微妙・・・
あとがきの中で水上勉がこれらの作品を「芸」という言葉で『たった三時間ぐらいのありふれた夕刻の日常に人の生も死も塗りこめようとする力がある』と喝破したところが作品論のすべてになっているのではないだろうか?


「せっちゃんのごちそう」
辛淑玉 NHK出版 ¥1400
「せっちゃん」とは辛さんの日本名だそうである。読むと子供の頃からの必死の激走を経て今穏やかに暮らし始めた近況がほっとさせられた一冊。「とにかく生き延びる為に生きる」姿がけなげに熱い一冊。


「頑張りのつぼ」
兵藤ゆき対談集 角川書店 ¥1100
ニューヨークで大活躍する日本人とゆき姐との対談集。個性的な面々と飄々とした対談で軽く読める一冊。

5月11日(木)

恩田陸続けて2冊読了。ここらで10000?・・・かなぁ?

「上と外」
恩田陸  双葉社 ¥1500
「深田恭子ちゃん、長澤まさみちゃん、上戸彩ちゃん」では上戸ちゃんが好き,といったのは私の夫です(笑)byロッテのCM。
2段組310ページをまさか読み通してしまえる恩田陸の筆力のすごさ。今回は超能力より天才がひっぱる。しかし2003年作のここでも遺伝子の方向性、未来性を入れながら全体を進めているのは恩田さんのテーマかも。テンポとしては「ドミノ」(2005.5.17の日記参照)を思い出す。また「オセロゲーム」も出ている。
p49「感謝が人間を強くするのよ。逆に言うと、強い人だけが感謝できるのよ」と娘に言って聞かせる千鶴子ママの迫力こそが長い目で見た社会に巣立たせる子育てとして重要なところと思って読む。仕事柄是って子供だけじゃないよな、と思いつつ。


「MAZE」
恩田陸 双葉社 ¥1500
2001年の作品である。読んですぐ「めいず」とは「迷図」「冥途(めいど、だけどめいずと読んで)」のことかな、と思った。そして昔住んでいた飯島地区から秋田市に向う道にあった「とうふ岩」のことも何となく。あれはいったいどうなったのかしら?
ここには「光の帝国」の一編「達磨山への道」や後の「クレオパトラの夢」や「禁じられた楽園」へと通じるキャラや設定がちりばめられている。『禍禍しい』という言葉も出てるし。他の本を読んだ上で読み解くと面白い一冊かも。

5月6日(土)

ここらで10000になるか?今読んでる恩田陸2冊はたぶん長くかかると思うので・・・

「近代日本の作家たち」
黒田智子 学芸出版社 ¥2400
このタイトルだと近代文学史?と思って借りるのは文学部出身者。サブタイトルに「建築をめぐる空間表現」とあり。前半の建築家もだが、他に剣持勇(ヤクルトの容器デザインの人よ)。魯山人とあったので借り。各章表紙のモノクロ写真のなかで白井晟一がカッコいい。p59、独学で建築を修め、哲学、書にも明るい総合的な美術家、というところもなんか素敵ね。ちなみに稲住温泉オーナーとの地縁で1949秋の宮村役場、1955雄勝町役場設計してます。(写真あり)
p74、遠藤新も得意科目に偏りがなく文章も絵も得意だったからそれらすべてを生かそうと建築家を志す、というところがいい。


「昭和ギタン」
大鶴義丹 バジリコ株式会社 ¥1500
出版社が変わっていますね。自分より年下の著者がこんな本を書くと私たちは古き昭和のかなたへ追いやられる感じ。そして特別な環境で育った大鶴君の子供時代はそれを差し引いてもかなり危険児。だがその苦労のおかげですごくいいことも言ってくれている。
p60 事故で死んでも文句が言えないようなことも山ほどしたが(と潔く言い切るところもいいです)、あの時代は、子供が危ないことをすることはあっても、子供に対して危ない攻撃を仕向けてくる大人の存在はなかった。
p212 孤独とは人を凶暴にさせるものである。
p241 家族というものを再生する居版手っ取り早い方法は、自分で家族を一から作り直すこと

5月2日(火)

「3時間睡眠で、なんでもできる!」
奥薗壽子 サンマーク出版 ¥1300
いやー、それでもこれじゃ身体壊すだろう、と心配してしまう著者の走りっぷり。そんな多忙な日々でも好きなことを仕事にしているから頑張れるの!と言い切れる充実の一冊。マネはできないけど。


「九十一歳の人生論」
日野原重明 瀬島龍三 扶桑社 ¥1333
切り口を変えればこんな話題もするんだ〜と思いながら読み。ともに戦時中、戦後を生きてきた2人が熱く語る日本への思い。
2003年の本だが、先頃亡くなった元NHKアナウンサーの絵門ゆう子さんも聖路加に入院していたのでp174「命は長さじゃない、深さだ」という章はすごくリアル。
社会人になった娘にかけてあげたい言葉(医者ではないが)p194「医師にとってもっとも大切なのは平成を保つこと」(これって平常心ということですよね)。ここまでは日野原さんの言葉だが瀬島さんは
p216「新しいテーマを与えられたとき『できる』か『できない』かで判断せず『やってみる』ことが大切」ってのもさすがポジティブですね。

4月29日(日)

「わたしの嫌いな10の人びと」
中島義道 新潮社 ¥1200
Oさん、いつもタイムリーな本をありがとう。「うるさい日本の私」(新潮社)の著者であり、哲学者中島氏の本、これは安すぎ!結構日本人が目標にしている人間性を全否定、もっと過激に生きてみろ!と言わんばかりの一冊。そうなんだよ、私たちの親ってこんな風に子供を育ててたよな〜、と冷静に思い出す。
お題目のように聞かされた「人の一生は重荷を負うて・・・」だの。『路傍の石』の「艱難汝を玉にす」だの。昔は苦労に耐えれば成功があったけどあれからずっと我慢のし通しだよ、今の日本も、という感じ。
p122「お前が情けない」というセリフへの反論p123「そんな暇があったら自分の日常を逐一反省してみろ!自分が何を『考えているか』全部言語化してみろ!」なんて子供が言えたら逆ギレ殺人も減るかも。
一番のがはははp188映画「東京タワー」。つまらなかったけど黒木瞳より岡田君が好きって言ったところ。わかる、わかる。


「いい言葉はいい人生をつくる」
齊藤茂太 成美文庫 ¥524
「本を友を呼ぶ」?のかついに利用者さんまでこの本よかった、と・・・図書館の本も恩田陸札を含めて7冊あるのに。ダッシュで読んで次回訪問の折に感想を言わなくちゃ。
はさんであったしおりに「J子からのプレゼント 心から感謝、感謝!」とあるのがほほえましい。4月18日日記の北杜夫さんの娘齊藤由香さんとのつながりもあったのか・・・?お兄様の北さん評を読むと心配するほどでもないと安心(p138)
p182 プロジェクトXのソニーの人の話より「仕事はつらいと思ったらつらくなる。これをゲームだと思えばいい。なんとかしてこのゲームに勝とうと思えばつらくなくなる。」
p220 初代カンタベリー大司教の言葉「習慣は変えようとしなければすぐに悪習となる。」齊藤さん曰く「小さな手間を省かないことが大きなイライラを防ぐコツ」

4月23日(日)

「着飾る自分、質素な自分」
鷲田清一 中央出版 ¥1400
ファッションから哲学、というテーマの「ようこそ先輩」シリーズの一冊である。京都が舞台なので4班が警察官、デザイン学校の生徒、舞妓さん、僧侶それぞれにインタビューのあとにまとめ発表。
1年のほとんどを質素な自分で暮らしているがおしゃれいっぱいOLさんとか制服素敵なキャビンアテンダントとかも憧れちゃうわ。
p185「自分って何だろう」と考えること「人はどう思うか」という他人にとっての自分を考えることはともにしんどいのでTPOやその日の気分で服を選ぶときのように柔軟に両方を選んでいこう、というのはこれから思春期を迎える子供たちには深いぞ。


「千円贅沢」
中野翠 講談社 ¥1500
なんともうれしい庶民の楽しみ。質素な自分。そうそう、1000円でも贅沢をした気分のときってあるのよねぇ・・・と共感を持って読む。たとえば会費1000円で久しぶりに会う友人の子供たちの成長を楽しめた今日のお花見とか。ファミマで買ったゴムつき無印手帳¥300に双子に送るレシピ組み合わせを書こうとか。p27〜私も大好き銀座まつや7F。そして出ました中島義道、p37 著者の嫌いなもの、カラオケ、パチンコ、携帯電話。理由はうるさいから。ここで「うるさい日本の私」の著者中島氏が引用されている。さて偶然手元に来たので?これから読みます。中島さんの新作「私の嫌いな人々」

4月18日(火)

「窓際OL、トホホな朝、ウフフの夜」
斉藤由香 新潮社 ¥1300
「窓際OL」という面白い枕詞を考え出さなければ本当に「親の七光り本」になってしまう。斉藤由香さんって誰?と思ったのは私だけ・・・?
また、自分の仕事上から見たら今の年齢で躁鬱病の北杜夫パパは要介護状態かと心配。そして要介護状態の家族を抱えて本当だ〜・・・と思うのはp147「氷原では野菜がないのでアザラシの生肉と血からビタミン補給をするという、というところ。たしかに日本人のおばあさんは昼に夜にマグロの赤身の刺身を食べている。
更にかわいそうな北さんのセリフp199「歳を取るのがこんなにつらいものだとは思わなかった・・・」これまた毎日聞いてます。


「夢について」
吉本ばなな 幻冬舎文庫 ¥457
読んだことのないばななさんの本があった!というだけで借り。夢についてのあれこれ不思議を描いたばななワールド。
たとえ夢でも名セリフ、p150 死ぬときに「私の夢をあなたたちに残してゆくよ」ってかっこよくない?

4月13日(木)

「北京の自転車おじさん」
沢野ひとし 本の雑誌社 ¥1800
沢野さんといえば椎名誠さんのイラスト、と思っていたら本人が本を!豪快に世界を股にかけ、でないところがしんみりと良い。
p86、京都のコーヒー屋は朝が早い、というのは本当に行ってみて思うこと。街にゆとりがあるのかな?


「図説 団塊マーケット」
日本経済研究センター 日本経済新聞社 ¥1900
2007、団塊は巨大消費集団となるか?結局それはこれからの日本の景気動向次第ということらしい。なんだ。膨大な額の退職金をぱーっと使うも財テクで守るも景気の流れ次第ってあたりまえのことじゃん。
p176、境屋太一の「団塊の世代」(1976)と「エクスペリエンツ7」(2005、並びに読書日記にも同年12月29日に掲載)が対比して述べられているのが象徴的。

4月11日(火)

「自分を消したいこの国の子どもたち」
町沢静夫 PHP研究所 ¥1300
たぶんわたしは町沢先生の本に共感を持って過去に読んだことがある。のに2000年バスジャック事件の少年を入院させたのが町沢さんで、しかもそれに対するバッシングもすごかった、というのはとても驚きをもって今回読んだ。現在の子どもの抱える(そして親も抱える)危機がひしひしと伝わる一冊。この国に生まれてきてタイトルが悲しすぎじゃありませんか・・・


「女の仕事じまん」
酒井順子 角川文庫 ¥495
驚き、笑えることに、「女子小学生」〜「女子大生」も仕事の一つとして上げられている。その中でやはり、職業として水物なのは(旬が大切、という意味です)女子高生ね、やっぱり。でも「6年も勤め上げる」という意味ではたしかに小学生も大変な仕事だ。
女を生かせる各種の仕事や、主婦・嫁・姑と読み進めながら「おばあさん」という仕事で全編が終了。たしかに「正しいおばーさん」を演じるのも未来育てよね。解説にあるとおり女性のための「想像上の転職」ガイドとして面白い一冊。

4月2日(日)

新年度が動き始めました。働き始めた人も退職した人もそれぞれの今年の春をかみしめてください、の2冊って感じ。

「センチメンタル・サバイバル」
平安寿子 マガジンハウス ¥1400
リクエストしなくちゃ、と書いたカードを握りしめて図書館に行ったら新刊コーナーにあったので即借り。「えっ?これ誰も借りなくていいの?」とまわりをきょろきょろしてしまった私はほとんど不審人物・・・だからこれは平さんの最新刊。
ゆっくりと自分を生きる、がキーワードか。
ラストの「歩き出さないとどこにもいけない」もすごくいい言葉。
今回も20代のヒロインと中年元気おばのからみが面白いんだけどp227「もうすぐ五十よ。五十代を四十代と同じようにすごせると思うのが間違いだわ。」以下はお読みくださって・・・
p241はここですら書けないほど、小説でなければ言えないほど過激なおばさまのひとこと。


「定年ちいぱっぱ」
小川有里 毎日新聞社 ¥1400
仕事で訪問するのは圧倒的に女性の一人暮らしが多い。要介護で調子が悪いはずだが皆口をそろえて言うのは「でももし自分がこの状態で父さんを看てたらとっくに自分がダウンしていた(言外に一人になってよかった、寂しいけど父さんが先に逝ってくれて私は命拾いよ)」と言う。
そしてこれを念頭にして読むと大爆笑はp78「ちょっと出かけてくる」という定年夫に「どうぞ。3年くらい行って来てもいいわよ。防人でも遠洋漁船に乗っても。」女が元気ならでは言えるこのセリフ。
その他の笑える名セリフp29「ボケた本人はわからんから困らん。困るのはそっちや。」これは実際問題事実ですから。
p44定年後の夫が子供だとすればいったい何歳だろうか。「幼稚園児。なぜなら世話されるだけで、私と向き合おうという努力をしない。なんでもまかせるから、と逃げる」うーん・・・ここまで思うのかい。

もう一冊ある平らさんのは最新作。ここらあたりで10000なるか?

3月25日(土)

「くうねるところ すむところ」
平安寿子 文芸春秋 ¥1667
出版会社OLが故意の為に一念発起、建設業に飛び込んで・・・というストーリーだが、平さんが描くと元気をもらうウーマンストーリーになるから嬉しい。
平さんの本が3冊もうちに来た、ということは「元気あげます」という天からのプレゼントなのかな?
いつもどこかにある一言名セリフp118「ああ、誰か替わって。自分を辞めたい。」(これも自殺願望のリセットセリフではなく、自分が別の自分になりたい、という感じのセリフ)
p202「わたし、ハッとしたな。そうか、家って思い出の容れ物なんだって」(ごめんね、双子、と思った瞬間)の反面、自宅改築に踏み切った社員の一人の土地を更地にすることに悲しくないか?と問うヒロインに、ここに新しいものが建つことに対して「わくわくする」と言い切る社員の建設屋心理も描かれている。


「Bランクの恋人」
平安寿子 実業之日本社 ¥1500
タイトルにもある通り、ナンバー1ではないけれど、という人生を描いた短編集。最後のほうは介護の話にもなっていったから平らさんも少しそのことを考えてる年になってきたのかしら?ちなみにこれは年齢ということでなく、環境という意味で。3冊もある平らさんの本、さすがに帰省中の娘も手に取っていました。若いヒロインはどれも女優として好きなMEGUMIさんに演じてほしいなぁ・・・と思いながら読み。NHKあたりでこのドラマ作らないかしら?

3月16日(木)

火曜埼玉に行って水曜に帰ってきました。のでこまちで読書。

「口切茶事のこころみ」
淡交社編集局編 淡交社 ¥2476
表紙の挽茶の美しさにふらふらと手に取ってしまったのはまだお雛様と和菓子の余韻が残っているのか・・・?そしたらびっくり、茶事の演出者のコーナーに秋田市の方々が載っているでは・・・!天鷺亭とは天鷺城に縁か・・・?郷土の菓子、漆器も嬉しく。


「武士道」
(昔英語で)新渡戸稲造著 奈良本辰也訳 三笠書房 ¥495
なんだか夫が出張先で購入。Oさんから「国家の品格」を借りてきたら「それも買おうかと思ってたんだ!」といたく感激され。どうやらペアで読むべき話題らしい。「知ることは変わること」。この本を読んだ夫は同変わったのか今後をお楽しみね。ご存知の方少数かもの前の5000円札の絵の方の作。これが鎖国で神秘的な国日本から出版されれば当事の外国人こぞって読むわな。「義」「勇」「仁」「礼」「誠」「名誉」「忠義」など里見八犬伝のようなタイトルで武士の心構えを解説。p139の勝海舟が爽快。


「国家の品格」
藤原正彦 新潮社 ¥680
タイムリーにOさんから借り。どこの本屋でも一等席に平積みの一冊。タイトルもすごくて「国の前に自分はどうよ!」と突っ込みたくなるようなタイトルだけど帯もすごすぎ。「すべての日本人に誇りと自信を与える画期的日本論」
文体がセルジオ越後さんなのが個人的に気になり(・・・だと思うでなく・・・と思う、というところ)。
経済の発達では国は尊敬されない(ってかなりアメリカに挑発的な気が・・・)。真のエリートは、文学、哲学、歴史、芸術、科学といった何の役にも立たないような教養(ここもこの分野の人に挑発的?)をたっぷり身につけ、国家、国民のために喜んで命を捨てられる人。武士道精神を復活して日本の繊細さも大切にしてゆこう、というのが主旨のようだ。読書についても取り上げてくれており(p147)ちょっと嬉しいが。
また、p177、数学や文学や芸術活動を見れば国力もわかる、という展開も面白い。p138、21世紀はローカリズムの時代、というところにも共感を持つ人は多いだろう。これを読んだ人がどれだけ地方に戻るか?


「人生の教科書『家づくり』」
藤原和博 ちくま文庫 ¥840
久しぶりの藤原さん。家作り検討中の人には¥840は安い!という一冊。読みやすいし。「ネオジャパニスク」という現代工法のよさと日本建築の良さを融合させた家作りの実技本。解説が今をときめく隅研吾さん。『家を買うのと家を作るのは違う』と言い切るところがさすが。

3月10日(金)

「シンプルに暮らす整理術」
クニエダヤスエ 大和書房 ¥1400
今朝日新聞でも似た特集が組まれていますよね。引越しシーズンだからでしょうね。エピローグ「整理したあとの戸棚は気持ちよい。頭がスッキリして晴れ晴れとした空のようです。暮らし方は生き方だと思います。」がクニエダさんのすべてを表しているかも。シンプルだけど心豊か、の一冊。


「素敵」
大道珠貴 光文社 ¥1500
2003「しょっぱいドライブ」で直木賞。(日記には2004.10.19にアップ)この本もそうだが「それでも」変わらない現実、というところがこの人の持ち味。短編集だが最初でいきなりうちの双子の名前が登場しちゃうと(しかも中年になってる!)ダブらせて読まずにいられない!タイトルの作品はさらに高齢な夫婦の物語。意外よ。


「対幻想」
吉本隆明 芹沢俊介 春秋社 ¥1800
世相や流行を哲学的に?分析的に?考察した対談集。本書は1994年ものなのでその当時に読めば違った感じかたをするかも。この当時二人は上野千鶴子さんと浅田彰さんを批判しまくり。12年後の今、二人の評価は・・・?

2月28日(火)

今回はちょっとマニアックな本2冊かも。興味ない方には全然・・・

「エコール・ド・パリの日本人野郎」
玉川信明 社会評論社 ¥3200
大正、昭和に生きた日本のアウトローたちを読み解く(と帯にありました)作品集5巻のうちの1巻。一冊の値段がどれも高額でびっくりしてます。これはリクエストした方図書館様々でしょうね。
この一冊はパリ在住だったジャーナリスト松尾邦之助の交遊録。秋田県になじみの藤田嗣治ももちろん出てます。親友だそうで。当時のパリ在住の日本人との広い交流と彼の面倒見のよさを伝えつつ、日本人の心性と比較してフランス個人主義についても書かれている。


「唐招提寺 匠が挑む」
玉城妙子 
図書館から「リクエストしていた・・・」電話ありあわてて返しに行ったため発行、値段をチェックし忘れ・・・でも月末で図書館は休みでした。また明日行かなければ・・・
匠という題に惹かれて借りてしまいました。「天平の甍」の解体修理の様子が順を追って詳細に書かれている。創建以来初めての修理に携われる匠たちの誇りと工夫が生き生きと描かれている。大変なのに楽しいって最高!いや大変だけど楽しめるのが匠たるゆえんなのかも。

2月20日(月)

「前川國男 賊軍の将」
宮内義久 晶文社 ¥1800
なぜこの人が今新刊で?と思いつつ借り。それでも日本の建築界の巨匠といわれる人の様子がわかり興味深かった。当然全国に作品があるが秋田にも一作あるらしい(写真も情報もこの本には掲載されておらず)。近い?ところでは弘前斎場というのが意外だが結構重要らしい。もちろん上野の諸建物、埼玉会館もチェックね!


「十二支の四字熟語」
諏訪原研 大修館書店 ¥1300
読み終えて日記の下書き(一応この読書日記下書きあります・・・)しようと書店名を書いたら、ん?この書店・・・なんか学生のころの教科書か辞書の会社じゃ・・・目にしたことある・・・そのせいか親しみやすい動物のポップな表紙のわりに中国の故事など紹介しつつ難しい内容もあり、でうんちく知識が増えるかも。


「県庁の星」
桂望美 小学館 ¥1300
おなじ¥1300ならこちらのほうが売れるわね、きっと。ご存知織田裕二君主演の映画化で話題の本。こんなニュースな本を貸してくれるのはもちろんOさん。おかげで夫も読んで、「人口に対して公務員の数が・・・」とか言ってました。わたしは息子がヘルパーという設定が難しいかも、と思った。結構男子は施設で働くから。映画は見てないけど本のなかの子持ち、中年でも実力派パートのおばちゃん(「ブラザービート」の田中美佐子さんのようですね)のところを若返らせて、でも頑なな感じを生かして(「オレンジデイズ」か「メゾン・ド・ヒミコ」)柴咲コウちゃんがやっているのでしょうか?呼んだOさんも貸してくれたとき「ちょっとなぁ・・・」と言ってたのが感想のすべてかも。我が県にもこのような制度があったはずだが?渡し的にはこれもエンターテインメントとして映画にもなりそうだが「エキスペリエンツ7」のほうが面白いかもと思ったのは自分がそちらに歳が近いからかも。だって織田君の映画ってすごく流行るものね。

2月13日(月)

昨日まで埼玉の実家に行ってました。こまちの車内で読書が進み・・・

「安らぐ家は『間取り』で決まる」
上田康允 成美堂出版 ¥1200
えっ?この情報で¥1200だったの?性懲りもなく、と思われてもあきらめ悪く?借り。本人設計の35坪の家が本書の詳細を具体化したものということで掲載。「財産になる家」という発想は面白い。もちろんこれは住んで宝、ということではなく「売るときに」を想定。


「アナ・トレントの鞄」
クラフト・エヴィング商会 新潮社 ¥1700
大人の絵本も2005.5.2「a piece of cake」以上にシュールになってきています。この赤の感じがよくてOさんは買ったのかも。感想を聞きたい。


「博士の愛した数式」
小川洋子 新潮文庫 ¥438
ラストで博士が施設に入所してしまうところが介護職の自分から見れば「在宅の限界」のようだった。一見(一読)「先生の鞄」を彷彿するような年の差男女の淡い思慕かと思いきや、そこに子供が加わることで彼の成長記になることで「命のリレー」への希望がつながる一冊。博士は60代だが、私には希望に燃えて就職した20台に同じように交通事故で身体は回復したが脳に似た障害を負った知り合いがいる。若い彼女はどれだけつらかっただろう、と思いをはせた一冊。

2月5日(日)

さぁ、本日も2時間の除雪。これから駅まで主人の叔母さんの送り。車出せるでしょうか・・・昨夜10時は土崎まで豪快に?ドライブ

「おいしいおみやげずかん」
平野恵理子 kkベストセラーズ ¥1500
これもOさんに借り。彼女を思うとこの人の本が好きなのがわかる。各地のお土産がイラスト入りで紹介されており、どれも興味が尽きない。お取り寄せもいいけどやっぱりその地を訪れて、その街の空気や風を感じたり、店の人と話したりしながら買って、が醍醐味ね。


「ネクロポリス」上下
恩田陸 朝日新聞社 ¥1800
感想が長くなりますので嫌な方は読まないでね。
前回直木賞ノミネート「ユージニア」今回ノミネート「蒲公英草紙」ともに残念だが直木賞というジャンルからはちょっと違う気もしますよね。
ラストを読んでおっ、これは続きができるかも、と思う文章が・・・「常野物語」のなかの「オセロゲーム」の続き(たしか「ラストゲーム」?)も年末の本屋さんに山積みされてたし・・・
この作品も「禁じられた楽園」、Mさんに借りの「月の裏側」のように「場の力」をテーマに、日本版ファンタジー映画ができそうな(そうね、映像の感じは常盤貴子ちゃんの「漂流教室」)映像力に満ちた読み応えのある2冊。なぜか「アナザー・ヒル」という言葉や双子の場面が萩尾望都の初期の作品とシンクロするのはイギリス周辺というこれまた「場」の力?それほど恩田さんや私たち世代に萩尾さんのもたらした影響力は大きいということなのかも。
p51神社の鳥居(あの地図上のマークを想像してください)には「TORII」の文字が全部入っている、というところが斬新。「トリ」という言葉は3をあらわしてもいるのでキリスト教の三位一体の概念も込められているという強引?な展開もすごすぎ。
p101では鏡にかんしてルイスキャロルを持ち出しているところもファンタジーホラー。「鏡って見えないものを見るものなのよね」「後ろが見えるのが怖いよね、鏡は。」・・・ほらほら、ざわっとするでしょ。

1月23日(月)

「新年あけまして・・・」がすっかり遠く、でも今年もよろしくです。

「魂萌え!」
桐野夏生 毎日新聞社 ¥1700
「萌え〜」という流行りアキバ言葉を思いますがこれ60歳前後の主婦が主人公。Mさんより借り。ふーむ、60前後で未亡人になるとこんな感じかぁ・・・とこれまた団塊エキスペリエンツを想像しつつ読了。タフでもうひとはな、と思っている女たち。ただこれを書いたのが桐野、と考えるとちょっと残念。?と思う人は読んでみてください。


「ダヴィンチ・コード」上下
ダン・ブラウン 角川書店 ¥1800
今頃これ書いてすみません。話題になってから長いこと待ってました。そして読むのに長く時間がかかりました。「魂萌え!」と一緒に年末年始に実家に連れて行っても読み終わらずやっと今。話題の本でしたが積ん読の人もまだいるかも・・・貸してくれたOさんありがとう。そして今年もよろしくね。聖杯のありかを巡る殺人事件からのスタート。評判にたがわず面白かった謎解きの2冊。キリスト教の歴史と現代建築まで幅広く楽しめる。本当はフランスやイギリスに行ったことがあればもっとリアルに楽しめるんだろうけど・・・今頃従姉妹はパリに行ったか・・・?前回は乾燥ポルチーニ茸のお土産ありがとう。p30「歴史は常に勝者によって記される」は世界中同じ認識なのね。


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