RUMIKOの読書日記

2012年
カウンター設置 2003/02/11

 

11月27日(火)

埼玉こまちまで読書が進みませんでした。それはリメイク子供服にはまっていたから。ちょうど今のサイズがリメイクしやすいんですよ!もう手が止まりません!

「宇宙エンジン」 中島京子 角川文庫 ¥629 
今年度発掘のベスト入りするかと思われる中島さんの得意とする家族を巡る物語だが、奇しくも先日夫と見た高村薫の「黄金を抱いて翔べ」も学生運動の爆弾の話が出ていて本作とビンゴ!自分史の空白を埋めたい、と思う主人公ミライの年齢がおそらく私の娘ぐらいかも、と想像すると、アルツになった母礼子さんの年齢だって・・・とちょっと哀しくなるが、「エンジン」がミライさんの父であるかは結局憶測の積み重ねになっているのが少し消化不良かな?


「主よ、永遠の休息を」 誉田哲也 実業之日本社 ¥648
文庫化されるとすぐ買ってしまう誉田作品だが、これはまさしく一気読み。多分登場人物も少ないからわかりやすく読めるのでしょう。警察官ものだと同僚の人間関係の把握も必要だけど新聞記者だと一匹狼っぽくも描けるものね。鶴田のキャラは狼、という感じではないところもまた一興だけど。記憶を封印or抹殺してきたヒロインだが、身体のほうが覚えていて反応してしまい、次第にその過去を思い出すとともに悲劇的な結末を迎える。帯の「本当に悪いのは誰ですか?」が哀しい。


「袋小路の男」 絲山秋子 講談社文庫 ¥400
現実的な私にはこのような恋は出来ないわー、と思いつつ、でも自立した女性ならこれもありか、とも思いながら静かに読了。禁忌を描いてはいないが作品の中の空気は桜庭作品「私の男」と似ている。こういうささやかな日常だからこその評価、ともおもえる3つの短編集である。

11月2日(金)

「私の男」 桜庭一樹 文春文庫 ¥648
何度か手に取ってはみたものの、主人公の名前がちょっと気に入らなくて今まで。でもこの名前でいいのよ、と読後。圧倒される物語性だが、この前年に「赤朽葉家の伝説」が出ている、と解説にあったのを読むと、よくまぁこんなにボリュームのあるものを立て続けにだせたな、と改めて感心。絶対タブーを題材にしているので結婚の後はどういう形で収束させるのか?と花の夫を気遣ってしまうが、表現の仕方としてはまず現在、そして過去に、というかたちが自然でいいかも、と思う。個人的には前年の赤朽葉家のほうが好きだが、どちらも難しいながら映像にしたら結構俳優さんが具体的にイメージできる。それにしてもたまたま今年読んだが、花が一人になってしまった理由が奥尻島の津波、という史実であったことが今となっては哀しい。


「おとな養成所」 槇村さとる 光文社文庫 ¥533
高校生の頃好きだった漫画家トップ3は萩尾望都、くらもちふさこ、槇村さん、であった。後年恩田陸さんが萩尾さんに影響を受けた、というのをどこかで読んで、そうそう、でもあの時代に読んだからこそだよねぇ、とご本人に言いたくなるほど。ちなみにくらもちさんはストーリーの落としどころが、槇村さんは絵が好きだったの。槇村さんは同じ少年少女の恋とかでも結構エキセントリックな印象で、トップ3ほどではないけど後半好きになった大島弓子さんの名作「綿の国星」や「いちご物語」のほわっとした読後感とは対極の世界だったような気がする。が今回エッセイを読んで、帯にもある、「アンチエイジングよりハッピーエイジング」には大賛成。私達も漫画家の方とともに年を重ねてきたのね・・・頑張ったね、みんな・・・という感じ。この年になるとハッピーの維持がいかに大変かわかってくるから。奇しくもここでも父と娘の衝撃的な内容もあって桜庭一樹を引きずってしまうが、他の部分はきっと同世代ならではの共感を持って読める一冊。

10月23日(火)

「日本の医療 この人を見よ」 海堂尊 PH新書 ¥740
12名のゲストの中に、奇しくも以前利用者さんが白内障手術の為に息子さんが予約してくれた、とわざわざ東京に行って手術してきた、と言っていた名医もいらして、ひとりひとりの個性や人柄を味わえた貴重な一冊。映画化もされた海堂氏の名作「ジェネラル・ルージュの凱旋」のモデルと考えてもいいような堤氏も出ており、彼のおかげで故郷埼玉の救命向上、他にもドクターヘリ、震災後の2名のゲストのお話も興味深く読めた。たしかに同じ状況におかれてもPTSDになる人とならない人がいるものね。混迷する政治の方向も、だけどこつこつと熱く自分の使命に燃えることが将来の地域を日本を支える、ということにもなるんですよね。


「ハング」 誉田哲也 中公文庫 ¥686
これもまた警察・経済・政治の歪んだ犯罪を追うドキハラ(ドキドキ、ハラハラの意味です)の名作。「ハング」を生業にしてしまった馳の哀しみのシーンはちょっと伊坂作品の登場人物「鯨」に似ていますが、誉田さんは警察官を登場させて解決に向かう。堀田班のメンバーが一人欠け、二人欠けしてゆき、最後に残るのは・・・・を追いながら一気読み。そしてもしかしたら続編もあり?かな?彼は登場人物をつないでいくことがうまいから楽しみ。警察現場だけでなくほかでもそうかもな、と思ったいい表現(p57,58)「自分のためより先に、他の誰かのためを思う。(中略)そういう人間は、強い。自分のために発揮できる力というのは、意外と限界があるものだ。もういいんじゃないか、と思った瞬間に、人の足は止まる。だが誰かのため、とりわけ血を分けた人間や大切な人のためとなると、もういいやでは止まれない。」これって以前長生きの秘訣は周りの人のためにまめに動くこと、って言ってた人がいたのに似ている。

10月14日(日)

たった10日のご無沙汰でしたがすごいぞ4冊。埼玉往復こまちがやはり冊数を稼げますね。

「アクセス」 誉田哲也 新潮文庫 ¥670
こちらはどうなる、どうなるとわくわくしながら一気読み。解説ではないが現代版「リング」であり「ガーリッシュ」小説である。雪乃が死んでしまったのがとても残念であり、喜多川が逃亡中、ということはパート2があるのか?と期待したい一冊。


「6月の夜と昼のあわいに」 恩田陸 朝日文庫 ¥480
もうここまで来ると理解不能。絵、序詞から作品を立ち上げた安打さんの短編集。少しでも理解したくてもう一度,もう一度と読み返すとしたらある意味薄い割りに重い一冊になっているかも。あ、土曜日夜9時のドラマ「悪夢ちゃん」を見たらラストテロップで恩田さんの名前があったような・・・・原作か?ということで来週も見なくちゃ・・・


「なぜ子供のままの大人が増えたのか」 曽野綾子 大和書房 ¥648
初出は2003年前後で曽野酸の海外体験から語る日本人の幼さを描いた一冊である。何故今頃文庫化?と思ったが20、5月が初版なので震災を機に文庫化した様子。災難を災難として受け止めた上でそこから学び、立ち直ることを期して発行されたと思われる。国際社会の中で生きる、ということは自分の国を語れることだ、など、大きく飛ぶ為に必要な小さな一歩の大切さを描いている。子供のままの大人=繊細でキャパが小さいことだとすれば本書相田みつをのように「みんなちがってみんないい」を表しているようだ。ちなみに私も震災後も暮らし方(震災への対応や暮らしの注意点、という意味で)が変わらない、という人は信頼できない、厳しいけど。


「ブレイズメス1990」 海堂尊 講談社 ¥648
たしかに解説の西尾さんではないが、改めて年代順に読み直すか登場人物相関図を作りたいほど久しぶりの文庫、しかも1990を1990年としたらバブル真っ盛りで、こういうお金の使い方もあり?と思わせる作品。それになんたって黄金地球儀だし。華やかな天城さんてこのあとどうなるんだっけ?今頃「夢見る黄金地球儀」を読み直せばいいわけ?花房、猫田N’sは他でも出ているが世良君はこの後どうなったっけ?などなどついつい考えながら面白く一気読み。西尾さんもP384で書いている通り「好きな作家が多作である。はっきり言って、本読みにとってこんなに嬉しいことはないです」がまんま私の感想です。

10月4日(水)

あぁ、お盆の後に彼岸も過ぎてしまいました・・・が10月なのに何故?日中は25度超え・・・それでも朝晩随分涼しくなりました。

「インビジブルレイン」 誉田哲也 光文社文庫 ¥743
誉田テイスト全開の警察小説、しかも「姫川玲子シリーズ」しかも映画化はこちらのほうで行ったらしい。姫川こと竹内結子ちゃんが心動かす牧田役が大沢たかおというのは本を読んだ身としてはちょっと線が細そうだけど新しい牧田になったことだろう。警察の不祥事や柳井健斗の哀しさを立体的に描いて飽きさせない一冊。


「マダムだもの」 小林聡美 幻冬舎文庫 ¥457
画像で見ても淡々とか肩の力抜けて、という言葉がぴったりの小林マダムの日常をそれこそほのぼのとつづった一冊。ご主人である三谷幸喜さんが、自分が妻に勝てる唯一の特技(ピアノ)を奪われたくないからピアノは習わないで、と言ったところがかわゆい。


「ニッポン硬貨の謎」 北村薫 創元推理文庫 ¥740
そうだ、作者は北村薫だった、と改めて見直すほど、最近の私は忙しすぎて、かなり日程を要してしまった。最後の謎解きはクイーンらしく(エラリークイーンが出てます)、天体の話などもうまく加えて興味深い一冊。

8月19日(日)

約一ヶ月のご無沙汰のうちに下記の「疾風ガール」も読むことが出来ました。お盆の埼玉のこまちの車中で冊数を稼ぎましたが、孫のつぶし食とおりく膳の準備を同時進行でしていると新旧交代、世代交代という言葉がふつふつ。

「ブルースカイ」 桜庭一樹 文春文庫 ¥629
桜庭一樹が女性と知ったのは今年の朝日新聞。そう知ってから読むと違和感なく読める文体。そしてこれは桜庭版「時をかける少女」である。2007年の鹿児島からソラちゃんが飛んでいったドイツの女性マリーがその後どんな女性になって行ったのか知りたい。わくわくしながら読み進むラストの空の青はきっと透明に哀しい青だ。


「天地明察」上下 冲方丁 角川文庫 ¥562
歴史の教科書では、安井算哲、渋川春海、関孝和と名前の羅列だけでさらっと掲載されていた(少なくとも私の時代は)男達が成し遂げた偉業を学べる一冊。ほんとはすごいことやったんじゃん!描き方は違うが歴史の中の思いがけない人にスポットをあてる、という意味で「のぼうの城」に似てわくわくと読める。ちょうど映画化、ということで岡田准一君や宮崎あおいちゃん達を頭の中で動かしながら読んだが、おそらく本のほうがいいかも。水戸光圀がとても良く描かれていて以前よりも好感。酒井、保科も同。でも帯の役者さんの名前を見て関孝和と水戸光圀は誰がやるのか興味あるところである。多分映画もヒットするであろう。


「疾風ガール」 誉田哲也 光文社文庫 ¥648
前回アップの「ガール・ミーツ・ガール」の前作。主人公夏美が発掘される物語で登場人物の死もあって少し謎とき風。きらきら輝くスターの原石がページ一杯にはじけて一気に読める、それこそ疾風の一冊。ここでは他の登場人物も渋く夏美を支えていてそこも読んでいて楽しい。スターもだが、少年少女の成長に必要なのは親ばかりではないなぁ、とつくづく思う。いろいろな場面が与えられることこそ成長剤なのかもね。


「無理」上下 奥田英朗 文春文庫 ¥581 
最近奥田さんか誉田さんの本を交互に読んでいる気がするほど二人にはまっている。これは初期に奥田さんが書いていた「最悪」「邪魔」からつながる二文字若者言葉シリーズ(と勝手に名付けてしまいました)。そしてこれらは大抵群像劇風な作り。今回も玉突き衝突事故の原因を逆に探ってみたら・・・みたいな書き方で(って最後にわかったんだけど)、それぞれの事故の瞬間までを一章ごとに時系列で書いている。帯にも「この物語には夢も希望もありません」とあるが舞台になった北の地方都市ゆめの市は東北ならたしかにありそうな・・・・そして安易な生保支給も・・・・と思うとシリアスな物語だ。

7月22日(日)

「ガール・ミーツ・ガール」 誉田哲也 光文社文庫 ¥629
しまった!「疾風ガール」から読むべきであった〜!警察小説でも新しい作風で独特の筆遣いが冴える誉田さんのもう一つの上質ジャンル青春小説。武士道ガールシリーズと似たキャラ立てで、気が強いけど繊細夏美とほんわかお嬢様風キャラルイという主人公達が織り成すドラマが面白くないはずがない。


「ヒトリシズカ」 誉田哲也 双葉文庫 ¥619
そしてこちらは警察小説。粘り強い捜査や勘が冴えるという定番のパターンでなく、群像劇仕立てで話をまとめ、犯人の悲哀も伝えてくれるから「うまい」としか言いようがない。こまち車中で一気読み。


「ぬるい男と浮いてる女」 平安寿子 文春文庫 ¥533
帯にある文が「いるいる、こういう人」という私も使っていそうな推薦文だが、「こういう人」を書くと平さんはうまい。独身で退職まで勤め上げたがカルチャースクールでは「孫のいる優雅なマダム」(どうせカルチャーの時間だけの付き合いだからばれない?)を演じているとか、草食系なの?と今さら言われてしまう受身形男子とか・・・・これらすべての短編の主人公が個人だけでこのままのペースで生きていければ幸せだけどね。でも人生はきっと個人だけではない色々なしがらみで生きている人もいっぱいいいる、というのがというのが私見ですけど。

7月19日(木)

「学校のセンセイ」 飛鳥井千砂 
娘から教えてもらった飛鳥井さん、読み終わってすぐ娘に貸してしまいました。「タニハピ」で日常を切り取る巧みさを味わわせてくれた飛鳥井さん描く「センセイ」像。そこにはもちろん武田鉄矢もトシちゃんも岸谷さんもいません。もちろんヤンクミも。
p97、「ああいうタイプの人は、俺なら気にしないことも全部『問題』にしそうだしな。」といううフレーズも「いる、いる」って感じで読み。
他にもp123「でも辞めない、俺は多分。だってこの仕事むいてねーよなぁ、と思いながら、でも転職も面倒だしなぁ、と思いながら、結局たいしてすきでもない仕事をずるずる続けているヤツなんて、世の中にいくらでもいる。っていうかぜんぜん普通だろ、それ。」
p256「『今変わっても笑われちゃうんじゃない?そんな年齢になってから気がついたの?今までわかんなかったの?って』『だから俺面倒くさがってんのかな?』つぶやいた俺に、小枝が不思議そうな顔をした。『熱くなったり暴走したりして、後からすいません、あれはなかったことにしてくださいって言うのが恥ずかしいっつうか、怖くて全部面倒くさがってんのかも」等々どの部分もイマドキぴったりで若い子に人気も頷ける。


「ウランバーナの森」 奥田英朗 講談社文庫 ¥571
「世紀のポップスタージョン、と書かれればあぁ!と思い至るジョンが子育てに没頭(本書ではそうでもないが)したひとときの不思議体験物語。ロマンティックなタイトルの一方、メインとなるのは、ジョンの便秘、っていうのがどうしてもDr.伊良部につながってしまう。不勉強でウランバーナという言葉がずっとわからなかったが、盂蘭盆会のことでサンスクリット語(苦しみ)で地獄からの救済という意味だった。そう、お盆といえばご先祖様が帰って・・・って構成的には恩田陸「ネクロポリス」を彷彿。

6月24日(日)

いつもご無沙汰なのになんと短期間で「1Q84」読み終わりました!ので一冊(というのか?)というのか?)でもアップします。売れてたのがわかったわ〜。まさかこんなに早く文庫化されるとは・・・

「1Q84」 村上春樹 新潮文庫6冊 各¥590、550、630など
最近ご無沙汰してました。村上さん。すごい話題になったとき、利用者さんのお宅にあるのを見てうらやましいと思ってましたが、意外に早く文庫化、おそるおそる一冊即買い。
「おぉ!」と売れたのを納得して挑んだ6冊。どうなってゆく?と思って「読む」行為が楽しかった。
最初はハードなカルト小説?(しかも読んでるうちに菊地直子逮捕!など一連のオウム事件が人びとの注目を浴びたし)かと思いきや、ラストはロマンティックな二人の物語に・・・
でも読みながら何度も村上さん二人の名前はそら豆を食べながら思いついたのか?と思っていた。そして最終章で「サヤの中に収まる豆のように」というタイトルを見てますます一人妄想?確信。だって天吾と青豆という主人公達(そら豆って漢字にすると蚕豆、もしくは空豆ですから)の名前を分解すると「吾・青・天・豆」(吾青いって青春ぽいし、天はそらってことで強引に)読後感が青春小説になってしまうんですから。
併せて1Q84の世界で二人が見ていた二つの月、戻った世界で見上げた月の描写は私の大好きな恩田陸さんの大好きなフレーズ「みんな同じ月を見ている」に通じているような気がするのであった。
まずは一冊目を本好き仲間に貸し、その後の感想を楽しみにしているところ。2冊目以降も借りたくなってくれるかな?

6月11日(月)

今日も朝活(6:29)またまたご無沙汰、でも今回は「1Q84」読んでいるわけで・・・文庫化され、1,2巻買ってみて売れたわけが納得、他に買った文庫よりはるかに面白いもの・・・文庫化され更に沢山の人びとが手に取るようになってオウム真理教手配者菊地直子容疑者逮捕、というのもなんかわかる。関連付けるわけではないけど・・・

「外見だけで人を判断する技術」 渋谷昌三 PHP文庫 ¥514
行動心理学だけでなく、深層心理まで踏み込んで外見、好み、行動の癖から細かく心理を裏づけ、攻略まで解説してくれる一冊。売れるのがわかる平易さ。ふーんとか思いながらついつい読み。


「最初のオトコはたたき台」 林真理子 文藝春秋 ¥505
ご存知週刊文春のエッセイ集。林さんの衰えぬ好奇心にいつも感心しつつ読み。裏表紙にある「女たちは家事も仕事もパーフェクトであることを要求されなくなった」よは確かに現代を言い当てている。林さんと同時代の私達の頃はそうじゃなかったもんね・・・今の時代を林さんと一緒に歩みながら娘達のこれからを見られる楽しみ。


「聖女の救済」 東野圭吾 文藝春秋 ¥676
帰りのこまちで読むのにいい一冊。犯人も毒物混入の手口もかなり最初からわかっているのに、証拠がない、というところではがゆく、そこに向かって詰めてゆく内海、湯川コンビ(私の中では柴崎、福山に完全置き換え・・・文庫の中で内海ちゃんが福山の曲を聞いてるところが面白く・・・)。いきなり文庫化、という触れ込みだが、駅で売れば長旅の車中は充実することだろう。犯人に鉄壁のアリバイ、もちろん殺人はいけない、とわかった上で「『このオトコ、殺したい!』と思わせるぜ、被害者!」と言いたくなる一冊。

5月9日(水)

朝活したいわけではありませんが(今朝6:33)あまりにもご無沙汰しているうちに5月。連休のこまちで読み貯めました

「アコギなのか、リッパなのか」 畠中恵 新潮文庫 ¥550
元代議士(だが影響力は現役以上)の事務所で働く若者に課せられた無理難題というキャラ立てが面白い。帯によれば「新時代ユーモアミステリー」ということで読み。作者は「しゃばけ」シリーズで一躍有名になった方なので軽妙な文体は読みやすい。一話ずつ課せられた謎を解いてゆくのだが、ラスト2話が転結に強みがないかな?


「GIRL」 奥田英朗 講談社文庫 ¥552
奥田本を読み貯めていたのに偶然この本が映画化。まだ映画は封切られていないがおそらく映画のほうがセンス良くまとまっているのだろう。なぜなら始めてみました2枚表紙、一枚は今までも書店で並んでいたものだが、現在表になっているものは映画の出演者や内容の広告になっている。働く女子達のそれぞれの世代のストーリーをセンス良く描いている。表紙の出演者達を見ていると女子はもちろん、上地君、林遣都君らもぴったりはまっていると思う。最近の映画は漫画原作が多いが本からも視覚化しやすい作品があったのね!と感心。奥田さんの女子を見るファッションセンスにも注目の一冊。


「タイニー・タイニー・ハッピー」 飛鳥井千砂 角川文庫 ¥629
大型ショッピングモールの生rがタイトルになっているってことはそこで働く人たちの物語りだなぁ、とはすぐ思う。その通り、そこで働く男女とその恋人の物語が小さな幸せを紡いでゆく。50代のわたしにしたら20台の娘から薦められ,借りて読み始めたときは小市民的な内容に今の若い子達はこんな形を大切にするんだ、と思いつつ読み進んだが、最期に近づくにつれ、やはりこれも大切にしたい幸せの形なのね、と納得に。驚くべきは登場人物のほとんどが見事に朝も昼もその中の店でテイクアウトや食事をしていること。そこにはカップルとしての生活感はないのね・・・

3月31日(土)

今年は介護保険見直しの年、制度が変わればシステムも変わる、ということでバタバタしながら今回のご無沙汰の間にお宮参りを済ませてきました。つくづく命のパワーに感動です。

「用もないのに」 奥田英朗 文春文庫 ¥467
さすが奥田さんのエッセイは伊良部になってる?作家って家でこもって書くって人もいるけど(最近はスタイリッシュでそういう人のほうが少ないのかしら?)奥田さんは意外にアクティブ、というより編集者がいじりやすいキャラなのか?大リーグの試合、北京五輪、愛知万博(どちらもすでに過去です・・・文庫なもので)四国お遍路、フジロック(いやぁこれは大好きな佐藤健君の映画『BECK』でしょう)と忙しく回っては書き、ついに富士急ハイランドのええじゃないかまで!これらの絶叫コースターに年齢の上限制限があったとは!とにかく面白い爆笑エッセイ。


「武士道エイティーン」 誉田哲也 文春文庫 ¥629
ご存知TV、映画化されたり予定だったりの「ストロベリーナイト」「ソウルケイジ」などの姫川シリーズのスプラッタ警察物とこちらの青春女子系で均衡をとっているのか?と感心するシリーズ。ただこちらは青春だけに巣立ちのときを迎え、二人はついにインターハイで・・・こちらもシックスティーンは映画化されていて(成海璃子ちゃん、すごく良かった、とは友人Sさん情報)シリーズで読んでいた私には面白くないはずがなく・・・・

3月7日(水)

ひと月近くご無沙汰のうちにおばあちゃんになりました!結婚以来こんなに長く埼玉に行ったのは初めてかも。娘の手伝いが出来て良かったです。いやぁ、孫は可愛いけど子育てってこんなに楽し忙しだったのねぇ・・・自分のときは気づかなかった。よくやっていた自分。大変と思うことなく夢中で育てていたから気づかなかったのかも。

「自分のアタマで考えよう」 ちきりん ダイヤモンド社 ¥1400
思考の図式化、が言いたいことのようだ。この本を読むと自分の思考経路の浅薄さを反省。多角的に者を見るようには心がけていたが。若者には参考になる一冊。


「恋愛嫌い」 平安寿子 集英社文庫 ¥571
20代半ば、アラサー、35歳と3人の異業種ランチ仲間(こういう総合的なオフィスに勤めてランチって夢だわぁ・・・)のときめきや失望、そして生き生きと、おずおずと生きる姿をいつもの私達に問いかけるような安寿子節で描いた一冊。そしてこの中の誰かさんがついにラストで・・・


「家康の仕事術」 徳川宗英 文春文庫 ¥600
徳川一族の著者が描いたご先祖様の戦略と歴史。しばらくはお決まりの歴史のお勉強だったが最後の4章のマネジメントで作者の分析が上手に述べられていて飽きさせない一冊になっている。74歳で現役リーダーの地位にいながらも上手に後継者を育てた、とは周知のリーダー論なんですが。これがなかなか難しいんですよね。


「ゆたかにシンプルに生きる」 保坂隆 PHP ¥1300
大丈夫かしら?この本買ってないよねと思いながらついつい今さらと反省しつつ似た内容の本を、しかも単行本で購入。ただしこの本は暮らし方より心の持ち方指南ということで貴重な読みやすい一冊でお薦め。


「妖の華」 誉田哲也 文春文庫 ¥695
ちょうどドラマでやっているから本作で活躍している?井岡=生瀬君が作中でぴったり重なっていて最後まで楽しめた一冊。人ではない存在が犯人であり哀しいヒロインというのは珍しいが誉田さんらしい警察小説の芽を味わえる。

2月11日(日)

「坂の上の坂」 藤原和博 ポプラ社 ¥1100
現代は退職後もまだ生きられる高齢化社会なので坂を登った後でまた坂がある、というほかでも誰かが書いていそうな内容だが、売れている。でも50代の私より40代以下が読んだほうが良さそうだ、ということで読後すぐ職場の皆様に回覧。p76、「高度成長時代に育った私達は『早くしなさい』『ちゃんとしなさい』『いい子に』と言われて育った。課題を与えられると頑張ってしまう」というくだりはまさに私も!である。一人っ子で、どちらかと言うとおっとり、いやぼーっとしていた私は『ちゃんと』ってなんだろう?とずっと子供心に疑問を抱き(今思えば具体的に指導しろよ!と言い返せたんだろうけど)子育て中に同じことを言おうとして『ちゃんと』なんて具体目標のない言葉は使えねぇ、と一人反省して二度と子供の前では使わなかった。本編全てに言える事は「備えあれ」ということのようだ。社外にコミュニティを、社会貢献を、と今までも藤原さんが説いてきたことの他、現代の高齢者達は姑や子供から解放された(子育て後は子供と同居しない)初の核家族で自分の楽しみを追及していたが、私たちの世代はぎりぎりで頑張っている若者を支えるべく孫を育てることに参加していつまでもチャレンジングなおじいちゃん、おばあちゃんでいよう、とは大切かも。


「ツァー1989」 中島京子 集英社文庫 ¥476
去年の収穫は中島さんのファンを2名増やしたことである。職場のYさんには「中島さんを知ったおかげで読書の楽しさが増えた〜」と言われ、友人Sさんは自らこの本を買って私に貸してくれ・・・つくづく「読書がつなぐ友達の輪!」を感じた。中島さんにしては珍しくちょっとミステリアスな一冊だったが、それでいて1989年というバブルの時代の隙間に埋もれてゆく人間の姿をささやかに描いた奇妙な一冊。


「不連続の世界」 恩田陸 幻冬舎文庫 ¥571
出ました!またまた「終わらないで〜・・・」と思いながら読める一冊。前作「つきの裏側」以来の登場塚崎多聞が主人公の短編集である。そして「月の裏側」をMさんから借りて読んだ2005年、私は恩田ワールドにすっかりはまっていた。なんたってこの年「夜ピク」で本屋大賞でしたから。「月の裏側」もシュールな世界だったが本作もまた不思議な現象を扱い多聞が謎を解く、というパターンでありながら決してことは解決したわけではない、というやはりこれもサイコドラマのようである。とにかく登場人物の個性も際立っているので最後まで他のしてた貴重本。

1月22日(日)

いやぁ、お正月が入ったとはいえ下手すりゃ二ヶ月開けるところでした。忙しいが言い訳にならないとは思いますが読書の時間が取れないのは何故?

「モダンタイムス」 伊坂幸太郎 講談社文庫 ¥657
「大きな世の中のしくみ」に戦いを挑んでゆく、と書くと別の作品評になってしまいそうだが、巻き込まれてゆくSE渡辺くんと恐ろしくも頼もしい妻佳代子の物語。今までの「魔王」や「グラスホッパー」とつながっている。しかも井坂好太郎?という小説家まで出てくるし(しかも死んでしまうし)。どんな形であれ作者のメッセージは変わらない「タフであれ」ということ。どきどきしながら読める一冊。正月が楽しかった一冊。


「最悪」 奥田英朗 講談社文庫 ¥876
500ページを超えたあたりからやっとテンポが出て面白く一気読み、ここまで細々と読み続けてきた自分をほめながら読了。「日本の犯罪小説を変えた」と評されているのは確かにこの後他の作家がエンタ性のある犯罪小説を発表しているからだろう。1992年作。この頃の奥田氏、タイトルに「最悪」だの「邪魔」だの冬至の女子達が好んで使っていたような熟語を使っている。それでも続けて「ウランバーナの森」と「ガール」も読んでみようかな、とは思う。ま、それでも一番のエンタは伊良部シリーズなんだけどね・・・


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