RUMIKOの読書日記

2009年
カウンター設置 2003/02/11

 

12月5日(土)

「小春日和」
野中柊 集英社文庫 ¥514
こちらも「双子の話だよ〜」といって娘が貸してくれました。ちなみにタイトルが双子ちゃんの名前です。かっわいい!でも3月生まれなんです。そして読んで、わかります、わかります。双子の親ですから。道行く二人が姉妹か双子か。たとえ大人になって違う服装、髪形になってもなんか漂う独特の空気感がありますから。小春ちゃん、日和ちゃんは小学生にしては考えていることが大人だなぁ、とは思うが、二人の発するきらきらオーラが十分私にも作用した一冊。


「ファイブ」
平山譲 幻冬舎文庫 ¥495
前のクールですごく楽しんでいた「ブザービート」と同時進行で購入。サッカーもいいけどバスケもね、というくらい懐かしい一冊。アイシン佐古が主人公のノンフィクション。そして連綿と続く能代工業の歴史も十分伝わってありがとう、の一冊。

11月26日(木)

「スコーレ No4」
宮下奈都 光文社 ¥1600
珍しく娘のほうから「この主人公が一番自分に近い」と言って貸してくれたので読み。おそらく一つ違いの妹と主人公の関係が自分と双子のもう一人と重なる部分があったのかなぁ・・・と思い読了。個人的にな感情ですが。爽やかな読後感で若い人にお奨めの一冊。と思うのは、たぶん生きることは「場」を生かすってことなのだろうかと。与えられた「場(環境)」に不満を言ってとどまるのではなく、「その場で」前に進んでいく、みたいなところが。主人公のお母さんへの思いも重なるのかしら?って聞いてみたい。


「今日もていねいに。」
松下弥太郎 PHP ¥1300
いけないいけない、ハードカバーを買いすぎている。今日も伊坂君の「SOSの猿」買ってしまった・・・この本も先日タイトルと「よく働き、よく暮らすための実用書」という帯につられて購入。極めて自分の日常は雑に送っているくせにね・・・持ち歩いて時折開きたい一冊。と書けば雰囲気が伝わるでしょうか?「都と京」が電車の中で読みたい一冊ならこちらは喫茶店とかで時間待ちに読みたい一冊、かな?

11月21日(土)

「夜ふけのなわとび」
林真里子 文春文庫 ¥473
読んでる人はとっくに読んでる毎度おなじみ週刊文春に掲載のエッセイの文庫化です。お忙しくも高貴氏新羽伊の林さんらしい日常が生き生きの楽しい一冊。


「チョコレートコスモス」
恩田陸 毎日新聞 ¥1600
恩田さんの作品の流れの中で明らかに舞台になりそうな、あるいはかなり舞台に傾倒していそうな作品達がある。本作はその理由を更に突き詰めたのでは、と思われる。女優のオーラ、舞台の奥に潜む引力とか。単なる遠食いを超えたその先に見えるもの・・・を才能あふれる一人の少女を軸に描いたみずみずしい一冊。

11月1日(日)

「陽気なギャングの日常と襲撃」
伊坂幸太郎 祥伝社文庫 ¥657
面白くないはずのものを読む、というのは本当は守りに入って良くない。本の森に分け入って自ら探すべきなのだが、今年の私は伊坂君、というだけでふらふらと手に取ってしまう。そしてもちろん面白くないはずはない。8月22日で「陽気なギャングが地球を回す」をアップしたがその続編なのだから。さすがに続編ともなると人物の性格のエッジが立って好みの人物画出てくるからますますはまってゆくはず。


「千住家の教育白書」
千住文子 新潮文庫 ¥476
千住3兄弟の芸術的感性が磨かれていった様子を描いた一冊。確かに一人っ子を芸術家にする親はいても3人ともなるとなかなか・・・子育てを楽しみ、親と夫を看取った女性の歴史をじっくりと味わえる一冊。昔はどちらかの親と住み看取る、なんて当たり前のことだったのかもしれないけど今となってはこれだけのことが出来た千住さんはいわゆる「勝ち組」って言われる暮らしね。高学歴女性ほど憧れる専業主婦、が描かれています。それでも子育ての基本は「楽しむ」ということもすごく大切なメッセージだと思う。

10月17日(土)

最初で最後の(はずの)夜勤。いつもは朝昼晩の支度をして仕事に行きますが今回は次の朝まで支度。夜勤明けて戻ったら「昨日飲み会だった」という夫はまだ朝ごはんの最中・・・朝の支度ばかりか結局片付けも私かよ・・・(哀)

「秋の森の奇跡」
林真理子 小学館文庫 ¥630
読み終わってタイトルの意味を考えてみたが43歳ヒロイン、そう人生の秋なのだ。何冊も書いてきた林さんの恋愛小説も40代の恋愛となると介護の合間に、みたいになってきたりして時代は変わった!


「おいしい日常」
平松洋子 新潮文庫 ¥514
日常のグレードアップに読みたい一冊。食べるばかりでなくご自分も料理が好きだからこそ食を愉しみたい、という心が伝わる嬉しい一冊。


「平松洋子の台所」
平松洋子 新潮文庫 ¥552
実は平松さんが電子レンジと決別、という意味でのニューエイジだと思う。というのも電子レンジは平松さんより上の世代(いわゆる70代以上の高齢者と呼ばれる人たち)では富と平和の象徴としてなかにはかなり初期にお買い求めになったな、と思われるものもあるから。確かに子育てや介護ヘルパーが入ったりすると必ず伺うのは電子レンジ使うことが出来ますか?(もちろん利用者さんのことですよ)と必要な世代もあるが、私も同居するまでは持ってなかったわ、今思うと。平松さんの本を読んでここから始まる丁寧な暮らし、と味わえる一冊である。


「イン・ザ・プール」
奥田英朗 文春文庫 ¥505
朝日新聞でお奨めだったがちょっと表紙が怖くて購入が遅れていた一冊。勝手に怖がってただけなんですけど。見ようによっては可愛いのかも。が、読んでビックリ。現代をあぶりだす様々な病理を前に犯罪?と思うほど徹底的なマイペースな伊良部先生に何度笑いをかみ殺したか。ラストの一行で患者が思う「駆け込み寺があるのはいいものだ。」が全編を読み終わったあとでとても沁みこむ。そしてこれが現代へのメッセージだと思う。一言よね、きっと。

9月24日(木)

バイオリズムなのかいつでも九月は慌しい。日記も更新しないまま彼岸過ぎ。でも彼岸前の帰省でかなり頑張りました。

「日本入門」
柴門ふみ 文春文庫 ¥552
同時代の人として昔から柴門さんが好きだったが、ドラマ化されたものは見ていても漫画は実は読んでない。林真理子さんの解説で「漫画家なのに・・・」と書いてあって再確認したほどエッセイが面白い。企画のおかげで横手かまくら(他!)にもいらしてくれたようだが、出身地徳島阿波踊りの描写にこちらまで旅情誘われ・・・「祭り以外は眠ってる」とは徳島に限らず地方の抱える現実、と共感。


「中庭の出来事」
恩田陸 新潮文庫 ¥667
構成力で読ませる恩田さんの真骨頂を味わえる一冊でありながら、歌手が語りを入れ始めると・・・と同じように作家が古典を引用すると・・・という危うさもはらんだ一冊。女子学生、脚本家、女優の死を巡る劇、という形で一気に謎解きに進みたい一冊。


「は璃の天」
北村薫 文春文庫 ¥476
すみません、こんなにホットな本なのに「は」が出ません。少女であるヒロインが「私たちが進めるのは前だけよ」と強く言い切るミステリー。そうそう、このセリフは若者に言わせたいです。3部作目が今回の直木賞受賞。これは2作目。2作目では別記ーさん達が恨む人間が最後に亡くなることで冷静で賢い彼女の過去も語られてゆく。秋田ジュンク堂では売ってなかったがさいたま三省堂にはあったので、さぁ、一作目も読まなくちゃ。


「街の灯」
北村薫 文春文庫 ¥476
これが三部作の一作目。昭和七年、というこれから暗くなる時代に軍人、華族と少し違う世界を舞台に登場した女性運転手ベッキーさんの不思議な実力を小出しにしながらヒロインとともに謎を解くファンタジックミステリーの幕開けの一冊。


「あるキング」
伊坂幸太郎 徳間書店 ¥1200
すごい、8月31日に一刷、9月5日で2刷である。さすが伊坂人気。最近文庫本も高くなっているので単行本¥1200なら買い。天才野球選手のファンタジーだが、「王求(おうく)」という名前をくっつけると「球」、というところがたしかに面白い。天才が天才でいられることの難しさを描いた一冊。

8月29日(土)

「終の住処」
磯崎憲一郎 文芸春秋 ¥790
珍しく夫が自ら購入、今読んでいます。建築家みたいな名前で経歴もスマートな人が受賞したなぁ・・・というのが新聞を見た第一印象だった。私の読書のポイントは「主人公にどこまで共感(入り込めるか?)できるか?」なので受賞理由というより作品の夫婦の存在理由がわからない。動機も愛情もない結婚(どうして結婚したのかわからない、といきなり言ってる。口を聞いたのが11年後だった、というのは巻頭ではないのだ)なのにちゃっかり子供はいるんだもん。世の中のほしいのに出来ない夫婦、事情があって産めなかった夫婦とかに失礼じゃないだろうか?自己弁護しながら浮気もし、p371、「母と妻、二人の女から守られている」と感じる彼(語り手である主人公)にどうしても共感できずに終わってしまった一冊。でも芥川賞だから私の味わい方が未熟なのね・・・ってことで。


「ひよこのひとりごと」
田辺聖子 中公文庫 ¥629
サブタイトルは「残るたのしみ」喜寿をこえてこれだけしっかりした文章を紡ぐ田辺さんに感心。喜寿なら確かに旦那さまを見送って一人に・・・百歳を少し超えて亡くなったお母様は沢山のお手伝いさんになじんで世話を受けていたが御主人は聖子さんでなければ、と最後まで入院を拒んだ、とのことで(p287)男は永遠に甘えん坊(=マザコン)見たいないかにも現在の介護問題に通じる内容もさらりと述べている。またp223で人生の先輩は「五十代ではまだ(もう少し状況がよくなるのではないだろうかという)欲が捨てきれないが、「八十の声を聞くとさすがに〈おまかせします〉の心境になるかもしれない」そうだ。JR尼崎事故の運転士がまだ23歳だったことにも言及し、「すべての文化は年齢による手渡しがありがたきもの」は共感然り。

8月22日(土)

「ウーマンズ・アイランド」
林真理子 マガジンハウス文庫 ¥550
若いってこういうこと、とつくづく思わされる女子達が紡ぐ新しいトーキョーの物語。ではこの街に50代は似合う?かなりかっこいい大人じゃないと微妙。では70代は・・・?かなりダンディなおじいちゃんじゃないと・・・ってところが正直な感想の短編集。でもどの子も生きることに普通に悩みってところは時代を超えて共感よね。


「陽気なギャングが地球を回す」
伊坂幸太郎 祥伝社文庫 ¥629
順不同に読んでいた伊坂作品だが映画化されていたってことだけ先に知っていたので大沢たかお君が成瀬?佐藤浩市君がおしゃべり響野?その逆?などとキャストを思い浮かべながら楽しめた一冊。本当は「オーデュボンの祈り」「ラシュライフ」に次ぐ3作目だったらしい。2作目の「ラッシュライフ」が最近封切りしていたしその前は「重力ピエロ」だったことを思うとかなりの確率で映画化もされ、伊坂君の人気がわかるエンタ小説。


「スキップ」
北村薫 新潮文庫 ¥743
直木賞取ったからこの人の作品ってことで購入。17歳の少女が25年後の自分にワープ。こんな娘?この人と結婚?と戸惑いながら暮らしを立て直すうちに家族もそれを受け入れ再生してゆく強い小説。教え子の17歳に告白されたから潜在意識の中で17歳に戻りたい、と思ってしまったんじゃない?という昔の友人の指摘が鋭い、かも。そんなすべてを受け入れながら17歳は進んでいく。でもでも追い出された42歳の心はどこへ?


「心の処方箋」
河合隼雄 新潮社 ¥1400
娘の大学時代の本、と言う事は精神科実習用テキスト?それとも教育心理?心を持ったことで人間は獣と分かたれ、苦しみも発生した、とは至言だが「私」を生きることを最低目標とする、という点は大いに共感の一冊。

8月8日(土)

「ハリー・ポッターと謎のプリンス」上下
J・Kローリング 静山社 ¥3800
厚さの割には順調に読了、ということはやはり安心できる登場人物のおかげかも。ただ今映画公開中。ヴォルデモートとの最後の闘い(7巻で終了なので)に向けて、ヴォルデモートが誕生するまで、ホグワーツでトム・リドルと言われていた頃をダンブルドアと遡る、というのが上下の内容。16歳になったハリーたちの恋と大きな別れもはさまれており、死というものを初めてきちんと見つめることで、生まれたときは親の愛に守られ、成長とともに今度は老いた親が子供に見守られながら安心して死の世界に旅立つ、という大きな輪を感じさせてくれる作品。両親に守られたハリー(子供)の生がパワーの源であったと同時に成長に合わせて「死」を超えることで更に幅のあるパワーを生むことの意味をハリーに教える作品だと思う。

7月25日(土)

もしかしてもう少し何かあるんじゃないかと思って「訪問者」2度目を読んでました。

「週末のフール」
伊坂幸太郎 集英社文庫 ¥629
人生の最後が決まると人はどんな行動に出るか?生れ落ちたときにおでこに「あと何年」と書いてあれば人生大切にするか?介護生活が始まったときに老人の足の裏に「あと何年」と書いてあれば家族は優しく接することができるか?そんな些細な残り時間への悩み?をぶっ飛ばすくらいたぶん人は絶望し、あたふたするのだろう?仕事辞めるって言うのはわかるけど自殺するんだろうか?とも思うが。地球の終末まであと3年という一つのテーマに沿って描かれる団地住民のそれぞれの物語。そのどれものラストがかすかに清々しく明るい。たとえ最期が決まっていても、たじろがずしっかりと生きる(ジムのオーナーや弟子、おじいちゃんのように)、人生の山は登るしかないってことを教えてくれる今年お薦めの一冊

7月4日(土)

「訪問者」
恩田陸 祥伝社 ¥1680
このタイトルって恩田さんも好きな萩尾望都にもあるじゃん!と共通点を探しながら読み。「ふいに」来るけど「なんとなく待ってる」って感じが似ているかも。結局二人の死因は登場人物たちの憶測の域ではあるが(刑事事件的解決ではない、という意味でいつもの恩田さんらしく)、一室に会した登場人物の誰が犯人?と最後まで楽しみながら読める一冊。もう少しそれぞれの人物に深みが欲しかったかな?

6月21日(日)

「命のパレード」
恩田陸 実業之日本社 ¥1600
こんな出版社からも!という驚きだけで購入。♪ごらん、パレードが行くよ♪by山下達郎だっけ?タイトルも恩田さんからの熱いメッセージと思える短編集。ホラーやミステリーというよりやはり帯にあるとおり「奇想」短編集だと思う。「走り続けよ、一筋の煙となるまで」は「図書室の海」の「オデュッセイア」に(ということは「図書室の海」の日記に書いたとおり「ハウルの動く城」に)通じる一作。


「都と京」
酒井順子 新潮文庫 ¥485
京都の新しい学び方が出来る一冊。京都旅行に是非!暮らしてみたくなるから。読み終わって本棚に、でなく手元に置いておきたい比較文化エッセイ集。この値段は安すぎる!

6月14日(日)

「ラッシュライフ」
伊坂幸太郎 新潮文庫 ¥629
「オーデュボンの祈り」の後の作品なのでこれにもまた未来の見えるかかし君が出てくる(p233)。「チルドレン」の銀行強盗も出てくる(p306)
心に残る漢字・エッシャー展・展望台を各所にちりばめながら物語が美しい収束に向かってゆく様を味わい、楽しめる一冊。ここでも出てくる「神様のレシピ」とは「天の配剤」ということなのだろう。それにしても英単語にすると「ラッシュ」って4つもあるのね。それぞれが人生を表しているようでとても深いタイトル。


「エンド・ゲーム」
恩田陸 集英社文庫 ¥619
こんな上司がかっこいい、と思う瑛子さんとより強大な能力を秘めている娘の時子が次の時代に歩き出す、というストーリー。「光の帝国」「蒲公英草紙」に続く常野一族の一歩を描く秀作。

5月31日(日)

「人生の旅をゆく」
よしもとばなな 幻冬舎文庫 ¥495
前回日記の「はじめてのことがいっぱい」よりずっと深い若い人に読んで欲しくなるようなエッセイ集。これなら買っても正解。
p20.どうせ金を払って外国に行くなら、(自分の、という意味で)内面にある壁をただ見に行くだけよりも(きっと外国人と日本人としての自分との差、と言う事だと思う)、開かれた心で生活するだけでも違う。
p42.これからの若い人が、息が抜けて、立ち止まりながら人生を歩いていけるための奥の深い快楽がたくさんひそんでいる豊かな町を作っていくといいな(お金が無いと快楽を手に入れられない東京と賀茂川べりに寝転ぶだけでゆっくりできる京都を例にとっている言葉。秋田が日本の中でこうなればいいんですよね。)
p128.不安だから旅をやめよう・・・というのがいかにもまた悲しい発想で、そういうふうに思うよりも安全のためにベストをつくそう(はいつもやめることを選んできた私の母に読んで欲しい一言だぁ!心配性、というだけではない人生の大きな損失だと思っていたし。それに付き合わされて小さくまとまってしまった私自身も今となっては・・・)


「東京」
林真理子 ポプラ文庫 ¥540
昔女性エリートに対してどうしても上り詰められない男性優位社会を「ガラスの天井」と称していた。この作品もまさしく地方出身者にとって、東京で「ガラスの天井」を感じることがあるように、美しさと豊かさを手に入れた林さんの東京観が描かれたようでどれも良質な短編集。仲良しで高知県出身の柴門さんが解説を書いている。きっとこれは生粋東京っ子が読んだら「へぇ〜?」と思うようないわゆる日本人が「京都って表面は優しいけど云々」と似たところがあるのかも。いやいやそれとも京都の人は「当たってます」と思ってるのだろうか?林さんのあとがきでp184.東京に出てきた女の子にいとしさを感じる、という言葉が五十代のお姉さんらしくてすごくいいですよね。そして更にp185.「コンプレックスを持つということは謙虚になることである」というところも確かに。

5月23日(土)

反省、反省、埼玉に行ったり、サライを読んだりしてすっかり読書のペースが落ち・・・
「チルドレン」
伊坂幸太郎 講談社文庫 ¥590
登場人物陣内の爽快とも言えるゆるぎない自信が全編を明るく彩っている。2006年WOWWOWでTV化とあるが、ちょっとコメディーっぽく作られているのだろうか?それとも親子関係のシビアさを前面に?一作一作がこころにぽっつり灯がともる短編連作集。伊坂君が人気が出るのがわかる一冊だと思う。映画で話題の「重力ピエロ」にしても二人、というのもキーワードかも。


「はじめてのことがいっぱい」
よしもとばなな 新潮文庫 ¥667
帯にあるとおりなんでもない毎日がつづられたブログの文庫化。ばななさんにも等しく訪れている高齢化問題(ってもちろんお父様の隆明氏とお母様のことである!)や驚くほど毎日の外食やリラクゼーション、エステ、ヒーリング。自由業っていう雰囲気たっぷりの人との濃密なつながりや感謝の日々が重ねられている一冊。
p330「私に内蔵されている才能アンテナが彼を見るとびしっと立つ」というところはわたしが新人俳優やスポーツ選手を見ている姿とダブって共感。そしてわが友人Oさんもしかり。興味あるところに集中力が働くってことかも。
これを読むと美味しいものを心許しあえる人と食べ、リラックスすれば、世相は暗くとも人生は明るいっ、てことかも。

5月11日(月)

「オーラの条件」
林真理子 文春文庫 ¥476
文庫になるまで待つと2005年に取り上げられた人々の古さが出てるからこの世のスピードは怖い。林さんの広い交友関係と好奇心あふれる楽しい一冊。さて、2009年オーラの出ている人は?


「あぐり白寿の旅」
吉行あぐり・和子 集英社文庫 ¥476
97歳、数えで白寿で亡くなった義祖母の戒名には白の字が入っている。娘さんとの旅を楽しみ、現地の食にもなじんでいた明るい義祖母があぐりさんに重なって個人的に懐かしく読み。スーパーなのは99歳にして「これからが私の楽しい老後よ!」と言っていたこと。アグレッシブに人生を愉しむあぐりさん、見習いたいものですね。

4月9日(木)

「重力ピエロ」
伊坂幸太郎 新潮文庫 ¥629
映画化が決まっているので加瀬君と岡田君を思い浮かべながら読み。おそらく映画の二人は原作より若い設定。大学生同士くらいにするか?
重い運命を抱えた二人と両親が生きてゆくための比喩として使われる空中ブランコのピエロ。「楽しそうに生きてれば、地球の重力なんてなくなる」と言い切るお父さんってあとがき的に言うと「スタイリッシュ」
p346〜p350で「オーデュボンの祈り」が出てくるから2度びっくり!
「未来は神様のレシピで決まる」というのも伊坂さん得意のフレーズな気がする。


「ネクロポリス」
恩田陸 朝日文庫上下 ¥720
文庫になったので改めて挑んでみました。さすがに2度目なのでこの長さでもすんなりと恩田ワールドの面白さを味わっています。「ラインマン」が「上と外」に出てくる進化形少年みたいだ、だの、「やたがらす」って「禁じられた楽園」風だし、などなど。しかも文庫版のあとがきは恩田さんも私も大好きな萩尾望都さんだから二人の作風がクロスして嬉しい。
(下)p192「夜、外を歩くのは不思議だ」というフレーズさえ「夜ピク」を思い出させるし(ちなみに川越が舞台の今回の朝ドラのヒロイン多部美華子ちゃんが映画「夜ピク」のヒロインでした)。
読み始めたのがちょうど彼岸だったのも不思議な一冊となったが大人のお話としてゆっくり味わえる一冊。

3月14日(土)

「60歳でボケる人、80歳でボケない人」
フレディ松川 集英社文庫 ¥495
結局マメに暮らしてゆくことこそが最大のボケ防止、ということになる事例集。考えてみれば家事に手間ヒマかかった昔の方がぴんぴんころり、だったということかも。定年後こそ侮れず、という警告の一冊でもある?


「さがしもの」
角田光代 新潮文庫 ¥438
著者自身のあとがきエッセイと同じ部分に私も共感。本を読む習慣のあるおばあちゃんっていいなぁ、と思いつつp164「開くだけでどこへでも連れて行ってくれるものなんか本しかないだろう」というおばあちゃんの言葉に共感!そして帯もまたうまいの。「本、それは運命を変え、世界に繋がる小さな魔法」どうしてこんなコピーが作れるんだろう?と感心して購入の一冊。すべてが本にまつわる短編集。

2月21日(土)

「ジェネラルルージュの凱旋」
海堂尊 宝島社 ¥476
映画化、封切がマイバースデイ、という有難い本。帯から察するに堺雅人君が速水先生。熱さとクールさの落差がきっとぴったりの演技をするはず。花房師長は誰?。「ナイチンゲールの沈黙」と同時進行なのでぜひともこちらも併せて読むことをお薦め。偶然どちらも呼んだが面白さが増したから。
凱旋という言葉がキーワードです。


「ワークライフバランス」
坂東真理子・辰巳渚 朝日新書 ¥740
なんと!朝日新聞アスパラクラブのブックモニターでいただきました〜!坂東さんといえば埼玉県副知事、いや「女性の品格」辰巳さんといえば「『捨てる!』技術」。どちらもぐいぐいと私たちを引っ張ってくれます。6人の女性著者がそれぞれの専門から働くこと暮らすことを提唱しつつ、帯にある「仕事に喜びを、人生に楽しみを」をアドバイス。日本の現状ではいまや働く=自己実現でありつつも、働けることそのものが仕事があってありがとう、になってきているが・・・はやくライフのほうも充実させられる社会を実現したいものだ。

2月5日(木)

「街場の教育論」
内田樹 ミシマ社 ¥1600
「街場」というタイトルがいいじゃありませんか。「横丁」みたいで。この親しみやすさが内田さん人気の秘密なのかも。難しい哲学的な内容も内田さんに描かれるとこんな名文の数々に。
p40、「今ここにあるもの」(自分が置かれている現状、ということのようである)とは違うものに繋がること、それが教育というものの一番大きな機能なのです。
p137、子どもに必要なのは、要するに親の育児戦略と違う仕方で葛藤させる人。
p200、「自分らしく生きる」キャンペーンは家族を解体して個人の消費活動を活発にするためだった。


「『ひとり時間』のススメ」
中山庸子 中経文庫 ¥533
「凛とした」女性を目指す一冊。50代になっって今さらと思いつつ、自分への戒めとして購入。いつか・・・実現?そういってるといつまでも実現できないやりたい事たち。「明日やろう、は馬鹿やろう」というドラマの言葉にもあせったりして・・・

1月16日(金)

13日に同居の義祖母が逝去、本日友引のためちょっと親戚一同のんびりしています。数え99歳、生きることに頑張った義祖母でした。ベッドでの生活は三年半ほどでしたが、昨日の火葬では本当に骨が少なく、前身を使って生き抜いたんだなぁ、本当にご苦労様、と声をかけてあげました。「るみちゃん」と呼んでくれる人がまた一人減ってしまった寂しさをじんわりとかみしめています。

「風の男 白洲次郎」
青柳恵介 新潮文庫 ¥400
前回2003年に図書館で借りた単行本は¥1700。表紙の写真が大好きで、文庫になったら即買いです。それにしてもなぜ今また本屋で平積みなんだろう?ただ、今の厳しい時代を背景に読むと戦前もあったのね、格差社会。だってこの人、たたき上げとか、平サラリーマン、とかいう時代はないもの。あの時代だってほとんどの日本人は食べることに汲々としていたはず。秋田にいるせいか、元東北電力会長というのも親近感だが、「風の男」は他にいないかと考えると、今NHKの大河ドラマでやっている妻夫木君の「天地人」の次の福山「竜馬」の時代の高杉晋作も、かなぁ。


「夜市」
恒川光太郎 角川書店 ¥514
伊坂とは違った光太郎さんだが、こちらもう〜ん、うまい、という短編集。どちらもパターンとすれば考えられるストーリーだが、そこはかとない寂しさを感じさせる文体で独特の世界を描いていて秀逸。どちらもテーマは「異界」です。百鬼夜行とかも出てくるし。

1月12日(月)

すっかりご無沙汰になってしまいました。4日に埼玉から戻り、土日を働き今日がお休みのためのご無沙汰です。今年もよろしく、というご挨拶が時期を逸してしまった感がありますが、読書を楽しんで生きたいと思います

「グラスホッパー」
伊坂幸太郎 角川文庫 ¥590
伊坂作品にはまって冊数を増やすうちに、カタカナ、長音の表題が多いところに若さを感じている。これは2004年作だが、その頃の私は新撰組、畠中恵、平安寿子にはまっていたようだ。伊坂君が直木賞に5回ノミネートされていたときの受賞作は結構読んでいたのに・・・(ちなみに恩田陸様またしても直木賞にノミネート)ここでのテーマはおそらく主人公鈴木の「結構頑張ってる」という言葉。確かにこれは新しいハードボイルド。


「オーデュボンの祈り」
伊坂幸太郎 新潮文庫 ¥629
2000年デビュー作。良い本は時代を感じさせない。お話を読む楽しさを感じさせてくれる一冊。「この島に足りないものは音楽」という形のラストが美しい。


「Q&A」
恩田陸 幻冬舎文庫 ¥600
、で結局原因は何?という読後感をもたらす建物内パニック小説。でも松岡さんの「千里眼」シリーズのように事故の様子を描いているのではないのでスリルというよりぞくり、という感覚。このなかで描かれているので一番生々しかったのはむしろこの本が出たときの原発事故にも語らせていること。大型ショッピングセンターでの事故の状況を被害者のインタビュー(答え=Aということですね)で描いてその後の人生も功名につなげていく辺りがストーリーテラー恩田さんらしい秀作。ちょうど初売りに若者向きデパートに行ったもんだからエスカレーターが怖かったね、一瞬。


「チャイルド44」(上下)
トム・ロブ・スミス 新潮文庫 ¥667
2008年「このミス」海外版1位、だそうである(夫が購入)。ロシアが舞台、簡単に処刑、というだけでドストエフスキーのどんよりと灰色の雲がたちこめた作品である。最初の二人の物語がいきなり終わって(20年後になるからだけど)ラストでつながるから侮れず。ただしそれを知らずに読むと(って先に読んだ私は夫に教えたのだが、私は素直にわからず読んだので・・・)上巻は不要かも?と思ってしまうのは私だけ?それにしてもラストまで行くのに44人も殺す必要があるのか?(おっとミステリーにしては、内容をしゃべりすぎ?)と疑問の残る長編。正月時間のあるときだからこその一冊だったかも。


「50歳からの満足生活」
三津田富佐子 三笠書房 ¥
タイトルからして60歳の方がお書きに・・・と思っていたら88歳の方だったから驚きと説得力。この方のように「足るを知る」毎日を送ることが出来れば理想だけど、まず「足る」にならないじゃん、これjからの老後って・・・と厳しい日本の現実を思いながら読む一冊。


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